この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
坂本龍馬ゆかりの浦賀から、東京湾フェリーで房総半島へ
水曜日の夜に家を出て、その日は刈谷PAで車中泊。目標は新東名高速の浜松SAだったのだが、襲い来る睡魔に勝てず、ひと足早い場所で切り上げとなった。
翌朝は見事な朝焼け…
この調子なら天気はどうやら持ちそうだ。
現在の新東名高速道路は、浜松いなさICから御殿場JCTまでが開通しており、名古屋方面からは三ヶ日JCTで東名と分岐する。清水トンネルを超えると写真のように富士山が大きく迫り、天気が良ければその勇姿に出逢える。
この日は新東名から、朝の通勤ラッシュが予想される首都高速を回避し、横須賀経由で浦賀からフェリーに乗って房総半島を目指した。
東京湾フェリーの運行時間は40分。アッという間に金谷港に到着する。
実は今回筆者が浦賀に立ち寄った目的には、坂本龍馬の足跡を辿る旅路の取材が含まれている。
龍馬が千葉道場での武芸修行の期間中に、ペリー率いる黒船4隻が浦賀に来航した。遊学中の龍馬は土佐藩から動員され、品川の沿岸警備に当たることになった。しかし龍馬は持ち場を離れ、勝手に浦賀へ黒船見物に出かけてしまう。
大河ドラマでは、そこで長州藩士の桂小五郎と再会し、2人は巨大な黒船を目の当たりにするという史実にはない設定だったが、覚えているだろうか。
家族に宛てた当時の手紙には「戦になったら異国人の首を打ち取って帰国します」と書き送っているように、当初は龍馬も攘夷思想者のひとりであったが、異国文化を目の当たりにして、世界と対等に渡り合うには、大きな船とそれを動かす人材が必要だと悟り、全く逆の開国の考えに傾倒していく。その意味で、浦賀は龍馬を語る上での重要なポイントのひとつだといえるだろう。
房総半島上陸の初日の空模様は、明るいながらも青空はなく、景色のロケは先送りにして、道の駅やグルマ関連の撮影からスタートすることにした。
この日の一番は、ウルメイワシのお刺身。初めて食べたが、龍馬風にいうなら「まっこと旨かったぜよ!」だった(笑)。
翌朝からは天気予報が見事にはずれて、眩しいまでの夏空に恵まれた。そこで一気にドライブモードに切り替え、そのまま外房に向かう。
九十九里浜まで外房をドライブした帰りは、東京アクアラインで海ほたるに寄り道した。
東京スカイツリーがはっきりと見えたのには、ちょっとビックリ…
木曜日があいにくの曇天で予定がずれ込んだために、東京ディズニーシーは次回に繰越しとなった。