25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、南房の車中泊事情と道の駅・RVパーク、及び車中泊ができる無料駐車場に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド


~ここから本編が始まります。~
東京湾アクアラインに通じる「木更津」から、房総半島最南端の「野島崎」を周って「睦沢町」にいたる間の、車中泊情報をご紹介。

南房総の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.06.30
2016.04.02
2016.09.15
2019.09.25
2021.02.25
2021.05.10
2022.04.12
2023.11.08
2024.02.28
南房総での現地調査は2024年2月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2026年2月に更新しています。
南房総の車中泊事情とお勧め車中泊スポット

南房総の概要と道の駅の実態

出典:国土交通省
まず「南房総」とは、千葉県の房総半島南部一帯を指す、漠然とした観光及び地理的な呼称で、行政区分ではないため明確な定義はないものの、国交省が”ガイドライン”のような地域図を示している。

ただ実態は、この「南房総」に『房総半島の主だった観光地』が集中しており、「九十九里浜」から「銚子」を除けば、旅における「南房総」の話は、「房総半島」の話とほとんど大差がない。
それもあってだろうが、房総半島の道の駅の分布は『甚だしく歪(いびつ)』だ。

2026年2月現在の千葉県の道の駅は29件だが、そのうちの12件が、この狭い「南房総」でひしめき合っている。
さらに車中泊スポットは、ここに無料の観光駐車場と今はRVパークが加わるわけだが、いくらのんびりしたとて、普通は3泊4日もあれば「南房総」を満喫できるわけで、明らかに多すぎるというより、『有り余っている』状態だ。
特に道の駅はそれが顕著で、車中泊ユースに限らず、こんなには要らない。
中には『あればあったで、それだけ選択肢が増えていい』という意見もあるだろうが、極端な話、それはコンビニでも日帰り温泉でも同じだろう。
だが、そうはならない。
なぜなら、採算が合わない”負け組”が否応なしに生まれ、企業はそれを淘汰することで帳尻を合わすからだ。

道の駅でも、その先駆けとして「道の駅 南房パラダイス」が音を上げたが、まだそれに続くところが出るのは必定だろう。
そう云い切る理由は、誰の目にも『既に勝負がついている』からにほかならない。
ここからは南房総をさらに3つのエリアに分けて、車中泊旅の具体的で実践的な話に落とし込んでいこう。
木更津から館山エリア

この話は、基本的に「東京湾アクアライン」から房総半島に出入りすることを前提としているので、先の国交省のガイドラインに「木更津」を加えている。
その場合、週末旅では「海ほたる」での、金曜の夜の”前泊”が有効だ。
渋滞を回避するだけでなく、土曜日が終日利用できるので行動範囲が広がる。

さて。
「木更津」から「館山」にかけてのエリアは「内房」とも呼ばれ、見どころにも恵まれているので、3連休なら1泊は車中泊に充ててもいいところだと思う。
とりわけお勧めなのが、この絶景が見られる「鋸山」だ。

このエリアのイチオシと云える車中泊スポットは、「道の駅 保田小学校」になる。
ここは廃校になった小学校をリノベーションしたユニークな道の駅で、教室を利用した宿泊施設や、RVパークもある。
もう少し「館山」に近づきたいという人が気になるのは、「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」だろう。

この道の駅は物販飲食施設が充実しており、行って楽しい道の駅なのは確かだが、車中泊に適している駐車スペースが10台分ほどしかないため、週末はいい場所を確保しづらいと思う。
もし「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」まで南下したものの、”一等地”には停められず、そこで車中泊するかどうか迷う場合は、内陸方面に約10キロ・15分ほど入ったところに、2024年2月に開業した、真新しい「道の駅グリーンファーム館山」を勧めたい。
ここは日帰り温泉と買物施設に近く、利便性に優れている。

なお、「道の駅 木更津 うまくたの里」も車中泊ブロガーに人気はあるようだが、「東京湾アクアライン」に近い立地からすると、この記事の趣旨では、『帰りにお土産を買うのに立ち寄るのがベスト』ということになるだろう。
このエリアには、他にも
■道の駅 ふれあいパーク・きみつ
■道の駅 富楽里とみやま
■道の駅 おおつの里
道の駅 三芳村
の5件の道の駅があるが、車中泊スポットとしては、先に挙げた3つのどれかを選べばいいと思う。
リンクがある道の駅の駅には個別記事を用意はしてあるので、気になるようならご覧いただきたい。
続いて、無料駐車場の車中泊好適地の紹介に進もう。

候補地は観光スポットでもあるのだが、筆者のイチオシは、特に冬期に美しい富士山が見られる「富津岬」だ。
ここは嬉しことに、多目的トイレにウォシュレットが完備している。

いっぽう「館山」では、「沖ノ島」の無料駐車場に仮設トイレが設けられており、車中泊が可能だ。
無人島の「沖ノ島」は、かつては500メートルほど沖合いにあった島だが、関東大震災による隆起などで、現在は陸続きになっている。
周囲は約1キロしかないので、天気が良ければ水辺のハイキングが楽しめる。
ちなみに「館山」の人気の観光スポット、『みなとオアシス「”渚の駅” たてやま」』の駐車場は夜間閉鎖となるため、車中泊はできない。
なお、館山で地元の食材を使った野外料理が楽しみたい人には、グランピング宿泊施設とセットになった「RVパーク OCEAN FRONT TATEYAMA」がお勧めだ。
海が目の前で、「イオンタウン館山」まで徒歩でも行けるという抜群のロケーションで、1泊4290円から。
電源代とゴミ回収料金はそれぞれ500円となっている。
割高にも思えるが、房総半島では温泉代が軒並みひとり1500円近くするので、夫婦ならシャワーで済ませれば、実質的には1泊2000円と変わらない。
また2025年5月には、館山の「沖ノ島」から7キロほど「洲埼」方面に進んだ「休暇村館山」の近くに、愛犬と一緒に利用できる「RVパーク DOG KENNEL」もオープンしている。
白浜エリア

実際に観光しながら「房総半島」を南下すると、「海ほたる」で前泊し、土曜日の朝から活動したとしても、この白浜エリアを見終えたところで日没を迎えると思う。
そこであえて「外房」にはほとんど踏み込まず、房総半島の最南端に位置する「野島崎」のある「白浜エリア」で、一旦区切りをつけることにした。
「野島崎」は南房総国定公園の景勝地で、一帯は「白浜野島崎公園」として整備されており、約20分で一周することができる。

「野島崎灯台」の周辺は、太平洋の荒波が砕け散る岩礁地帯で、釣り人も多く、5~9月頃にかけては、海女によるアワビ、テングサ漁も行われている。

また先端にある小高い岩礁の上に設置されたベンチに座ると、視界が海と空だけの絶景となり、朝日と夕日に加え、夜空にかかる天の川まで見られるスポットとして、カップルたちに人気があるいう。
だが観光地としては、もはや斜陽。

実は少し前まで、このエリアにはハワイアンな雰囲気を醸していた「道の駅 南房パラダイス」があったのだが、残念ながら母体施設である「アロハ・ガーデンたてやま」が2025年3月で閉館し、道の駅の登録も取消された。

いっぽう「野島崎」から1.5キロほど西寄りの田園地帯の中にある「道の駅 白浜野島崎」は、敷地の一画にRVパークを併設しており、「RVパーク南房総・白浜」の名でも紹介されている。
ただし規模が小さく、道の駅としてはあまりに貧弱だったため、2025年に店舗が閉鎖し、もはや”風前の灯”となっていた。
幸いにもこちらは、なんとか新たな指定管理業者が見つかり、2026年1月からカフェを兼ねた売店の営業が再開されてはいる。
とはいえ、抜本的な移転リニューアルでもしないかぎり、小手先だけの対応では、明るい未来が来るとはとても思えない。
その中で孤塁奮闘しているのが、「道の駅 ちくら潮風王国」だ。

飲食を含めた総合力からすると、「道の駅 ちくら潮風王国」は房総半島でも1.2位を争う充実ぶりで、週末1泊2日旅なら、車中泊スポットは『ここ一択』でもいいと思う。
今度は無料駐車場だが、

2026年2月現在、「野島崎」付近には3ヶ所の無料駐車場が用意されており、車中泊にもっとも好適なのは、少し離れた海岸沿いにある「磯笛公園」だと思う。

いっぽうこちらの「白浜野島崎園地」は、「磯笛公園」から1キロほど館山寄りの国道410号に面した、まさに「野島崎」の入口部分にある駐車場で、車窓からでもすぐに分かる場所にある。

そのため休日の日中は混雑するが、夕方以降は満車になることはなさそうだ。

24時間使える公衆トイレは、野島崎の入口に近い側の端にある。

ちなみに男子トイレの個室は和式だったが、ペーパーもちゃんと管理され、清掃も行き届いていた。

最後は、「野島崎」と「磯笛公園」の間にある、「野島崎公園」の広大な平面の無料駐車場で、よほどのことがない限り、ここが夜間も満車になる心配はないと思う。

トイレは野島崎寄りの一番端っこに用意されており、このあたりがベスト車中泊スポットになるのだろう。

ウォシュレットまではないが、こちらは洋式の便座だ。

なお、勝浦方面側の奥の駐車スペースにある、このガラス張りの建物は休憩施設で、中にトイレはない。

紹介した3つの無料駐車場は、1キロほどの間に点在しているので、日帰り温泉や周辺の買い物施設については、「磯笛公園」の個別記事を参考にしていただきたい。
鴨川から睦沢エリア

ここからは「外房」の話になるが、見どころのイチオシは、やはり迫力あるオルカのパフォーマンスが見られる”鴨シー”こと「鴨川シーワールド」だろう。

京阪神在住の方ならよくご存知の通り、2024年6月にリニューアルオープンした「神戸須磨シーワールド(旧・神戸市立須磨海浜水族園)は、「鴨川シーワールド」のサポートを受けて、オルカのショーを導入している。
1970年の開業以来、半世紀を超える歴史を持つ「鴨川シーワールド」のクオリティーは、おとなを唸らせるだけのものがある。

また「遠見岬(とみさき)神社」では、毎年ひな祭りに合わせて、およそ1800体のひな人形を60段の石段に飾りつける、「勝浦ビッグひなまつり」が開催される。
神社の石段雛飾りといえば伊豆の「稲取」が有名だが、実はその”元祖”はここ「勝浦」で、2001年(平成13年)に始まった。

さて。
このエリアには5つの道の駅があるが、その中でいちばん車中泊に適しているのは、日帰り温泉を併設している「道の駅 むつざわつどいの郷」だ。


その他では、「道の駅 ローズマリー公園」が立ち寄るのにお勧めだ。
ここはイギリスの雰囲気を醸し出したテーマパークが主体で、そこに地元農家が作った鮮度の良い農産物や、南房総の土産を揃えた「はなまる市場」が併設していると理解すれば分かりやすい。
ただここは、車中泊にはあまり適していない道の駅だと思う。
このエリアには他にも
■道の駅 和田浦 WA・O!
■道の駅 鴨川オーシャンパーク
■道の駅 たけゆらの里おおたき
の3件の道の駅があるが、車中泊の好適度については、「道の駅 むつざわつどいの郷」との格差はかなり大きい。
加えて、前日に「道の駅 ちくら潮風王国」で車中泊をした人なら、「道の駅 むつざわつどいの郷」くらいまでは進まないと時間を持て余してしまうだろう。

続いて無料駐車場の紹介だが、利用しやすいのは”釣り人御用達”みたいな「興津港海浜公園」だが、国道128号からさらに細い道を浜に向かって進んだところなので、偶然見つけることは不可能に近いし、あらかじめ施設名を知っていなければ、スマホナビでも来ることは難しい。

また「興津港海浜公園」より、もう少し「九十九里浜」よりの「八幡岬」を過ぎたところにある、国道128号に面した「部原簡易パーキング」にも、公衆トイレがあって車中泊は可能だが、こちらは”サーファー御用達”といった感じで、普通の旅行者は居心地が悪いかもしれない。
最後に、
「興津港海浜公園」から内陸方面に約5キロ・10分ほど入ったところにある、「RVパーク 214KATSUURA」を紹介しよう。
ここはサイドオーニングとテーブル・チェアの展開に加え、バーベキューが可能なばかりでなく、区画内ならテント設営もOKという”太っ腹”なルールで、区画数も11ある大きめの珍しいRVパークだ。
ここなら4人家族が乗用車ででかけても、テントとクルマに分かれて寝れば、クルマ旅が楽しめる。
それで1泊3300円なら、キャンパーなら利用したくなるのでは…
以上、ここまでトータル17ヶ所の車中泊スポットを紹介してきた。
車種や好みのスタイルによって、マッチする車中泊スポットは違ってくると思うが、観光旅行における宿泊地としては、道の駅を選ぶのが今はいちばん無難だ。
国交省も、旅行者が夜間に休憩を兼ねた車中泊(=彼らの解釈では仮眠)をすることについては、既に公に容認している。
そのため電源を必要としないのであれば、無理にRVパークに泊まる必要はない。
しかし公園等の無料駐車場での車中泊は、道の駅より正当性が低く、いつ何時、いかなる理由で禁止になるかは分からない。
『昨日まで良かったけど、今日から禁止』も有りうる世界であることを考えるなら、『始めから避けたほうがいい』というのが、今の車中泊の流れ。
道の駅で車中泊ができるスタイルを身に着けるほうが、ずっと楽だと思う(笑)。
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