25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、とっておきの新穂高ロープウェイの楽しみ方を紹介しています。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
「新穂高ロープウェイ」は、上高地からは見られない北アルプス随一の難所が見える。

「新穂高ロープウェイ」DATA
新穂高ロープウェイ
〒506-1421
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷新穂高
☎0578-89-2252
第1・第2連絡往復:大人3800円
第2ロープウェイのみ往復:大人3700円
8時30分~16時(季節により変動)
無休
駐車場
新穂高温泉駐車場(164台)600円/6時間
鍋平高原駐車場(556台)600円/6時間
登山専用駐車場 300円
「新穂高ロープウェイ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2003年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2003.10.03
2008.04.30
2014.10.09
2025.07.20
新穂高ロープウェイでの現地調査は2025年7月が最新です。
「新穂高ロープウェイ」目次

新穂高ロープウェイの概要

全長約3,200メートル、標高差1,039メートルのスケールを誇る「新穂高ロープウェイ」は、標高2,156mの雲上の世界に手軽にアクセスできる、「奥飛騨温泉郷」屈指の人気観光スポットだ。

出典:新穂高ロープウェイ
終点「西穂高口駅」の屋上には、2011年版の「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に、★★で紹介されたご覧の絶景が待っている。

と云いたいところだが、
こんな日に当たると、山より人間ウォッチングになってしまう…
さらにどこで何が食べられ、それがどうでこうで… という情報は、こちらの公式サイトで後ほど確認いただくとして(笑)、
こういう人混みに混じって、公式サイトの説明に書かれた世俗的なことを体験するのに、いい大人が600円の駐車場料金と往復3,800円の運賃を支払うのはいかがなものかと、年金生活者には思えてくる。
このロープウェイの本当の楽しさを分かるには、少なくてもそこから見える山のことを少しは知る必要がありそうだ。
西穂高口駅屋上展望台から眺めたい山

360度の大パノラマで北アルプスの山々が眺望できる、ロープウェイ終点の西穂高口駅の屋上に設けられた展望台からは、西穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳などが見られる…
どのサイトにも「金太郎飴」のように同じセリフが並んでいるわけだが、どれがどの山だか見分けがつかないうえに、その素晴らしさが分かるエピソードでもなければ、「へぇ~、すごい!」とはならず、「わ~、きれい」で終わってしまうのが関の山だと思う(笑)。
ということで、覚えられる程度の解説を加えておこう。たったこれだけでも、ずいぶん現地での印象は変わるはずだ。
槍ヶ岳

この云われなければ、ほとんど気づくことのないであろう突起が、日本百名山に名を連ね、登山者が憧れを抱く標高3,180メートルの「槍ヶ岳」だ。

もともと小さい山なので、望遠鏡か双眼鏡で見ないとよくわからないが(笑)、望遠レンズで引き寄せて見るとこんな感じで、山頂の左下にある小さな尖りが、「アルペン踊りを踊りましょ」に登場する「小槍」になる。
実は「槍ヶ岳」は、上高地まで行っても見られない。

こういう姿は、その麓まで行かないと拝めないゆえに、山が好きな人は憧れる。
その中のひとりである筆者は、家内とともに2009年に登頂している。
ジャンダルム

いっぽう、写真右のいちばん高い山が「西穂高岳」のピークだが、ここでもっとも注目したいのが左の稜線に見える「ジャンダルム」だ。

フランス語で国家憲兵の意味を持つ「ジャンダルム」は、「西穂高岳」と「奥穂高岳」との縦走路途上にある、南北3.5km、東西1.5kmの絶壁のこと。
名称はスイス・アルプス山脈のアイガーにある垂直の絶壁の通称に由来し、転じて山岳用語では、尾根上の通行の邪魔をする岩を指して云う 。

出典:mont-bell
「槍ヶ岳」には何とか登れたが、この「ジャンダルム」は高所恐怖症の筆者の限界の遥か彼方を行く道で、まさに『手も足も出ない』(笑)。
なぜそんな「ジャンダルム」を紹介したかというと、ここは「西穂高岳」か「奥穂高岳」を目指さない限り、お目にかかることさえできない場所だが、ロープウェイ終点の西穂高口駅から続く「千石園地」は、岐阜県側からの「西穂高岳」登頂ルートの発着点になっている。
「ジャンダルム」はその「西穂高岳」を経て、「奥穂高岳」「北穂高岳」、さらに「槍ヶ岳」へと続く、北アルプスの縦走ルートの最大の難所と云われている。

たとえ微かにではあれ、苦労することなく安全な場所からそれを目にすることができるのは、ここしかない。
えっ、上高地に行ける?!

ここで、もう一度さきほどのマップを見ていただきたいのだが、ロープウェイの西穂高口駅から西穂山荘に出て、千石尾根を超えて山を下って行くと、なんと上高地に降りられる。

見えているのは大正池。

下から見るとこういう感じ。正面の山が焼岳で右隣りの山の西穂山荘がある。
もし行かれる場合は、カヌーのように友人と同伴し、1台を平湯温泉の「あかんだな駐車場」に置き、もう1台を新穂高ロープウェイの有料駐車場に置けば、普通ではできない上高地の散策が日帰りでも楽しめる。
コースタイムは3時間30分だが、標高差900mの急な下りとなるため、上級者向きのルートと云われている。
もちろんハイキングの装備では危険。きちんとした登山用のシューズと服装は欠かせない。
西穂山荘まで足を伸ばさなくても、「新穂高ロープウェイ」が観光客目当てだけの施設ではなく、本気の登山客にも利用されていることを知れば、少しは見る目も違ってこよう。
新穂高GRAND VUE(グランビュー)

その意味では、無料で見られる「新穂高ビジターセンター」にも、足を運んでみていただきたいのだが、「新穂高ロープウェイ」の中間エリア(鍋平高原)全体の改修工事のため、2024年2月から当面の間休館となっている。
なお「新穂高ロープウェイ」を運営する名古屋鉄道と奥飛観光開発は、2022年から約10年間かけて、山頂エリア、山麓エリア、中間エリアを順次整備し、「新穂高GRAND VUE(グランビュー)」として、世界水準の山岳リゾートを目指すべくリニューアル工事を進めている。
まず第1期工事として山頂エリアの整備が行われ、2022年10月には展望デッキ「槍の回廊」と休憩スペースが整備され、「頂(いただき)の森」としてリニューアルオープンしている。
さらに2025年7月19日には、新穂高ロープウェイの西穂高口駅屋上展望台が、「AlpScape(アルプスケープ)」としてリニューアルオープン。
ウッドデッキが新設され、従来よりも高い視点から北アルプスの絶景を楽しめるようになっている。
新穂高ロープウェイへのアクセス

ハイシーズンは、第一ロープウェイが発着する「新穂高温泉駅」周辺は、路上駐車もあって駐車場に行き着くまでに大混雑が予想される。
そのため、その手前の「野の山山荘」に通じる道をUターンするように登り、第二ロープウェイの「しらかば平駅」にある有料駐車場を利用するほうが無難だ。
料金は100円だけ安くなるが、歩く距離は多少長くなる。
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