「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
別府温泉めぐりの「はじめの一歩」は、竹瓦温泉から。
道後温泉本館ほどではないにしても、お城でよく見る唐破風(からはふ)が、ニッポンの温泉館らしさを十分に感じさせる竹瓦温泉は、1879年(明治12年)に創設された別府温泉のシンボルだ。
当初は竹屋根葺きの浴場だったが、1938年(昭和13年)に改築されて瓦葺きになったため、その名がついたという。
吹き抜けになった内湯の浴場は、2階の壁周りが脱衣所になっており、写真右側に見える階段を降りて浴槽に向かう。
和風とも洋風ともいえる独特の構造は、2004年(平成16年)に有形文化財に登録され、2009年(平成21年)には近代化産業遺産に認定されるなど、年々その評価が高まっているようだ。
なお、内湯は男女で泉質が異なる。男湯は、やや笹みどりがかった含土類-食塩泉で、冷え性や疲労回復、健康増進に効能があるとのこと。
竹瓦温泉の中には、指宿温泉の「砂蒸し」と同じ「砂湯」がある。
筆者は入らなかったが、写真を見る限り、真冬以外は屋外にある「別府海浜砂湯」の方が風情がありそうに感じた。
施設概要
● 所在温泉地:別府温泉郷・別府温泉
●業態:共同温泉
● 泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム- 塩化物・炭酸水素塩泉ほか
●お湯:源泉かけ流し
●お風呂:内湯男女各1、砂湯
●休憩スペース:あり(無料)
●飲食施設:なし
● 駐車場:あり(約40 台・徒歩5 分の市営北浜海岸駐車場・1 時間まで無料)
●シャンプー・石鹸等:なし
●ドライヤー:なし
市営北浜海岸駐車場は高さ2.3メートルまでで、キャブコンは入庫できない。
キャンピングカーが停められる駐車場は、「you me(ゆめタウン別府)」の近くにある「トラストパーク流川」になる。
利用データ
●営業期間:通年
●営業時間:6 時30 分~ 22 時30 分(閉館)、砂湯は8 時~ 21 時30 分(閉館22 時30 分)
●定休日:無休(12 月は第3 水曜休、砂湯は第3 水曜休、祝日の場合は翌日休)
●入浴料:小学生以上100 円、砂湯1 回1,030 円
竹瓦温泉 別府市ホームページ(公式サイトよりも詳しい)