25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、喜多方ラーメンの歴史と実際に足を運んで食した名店の紹介です。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊グルメガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地のソウルフードの素材・レシピ・老舗・行列店等を紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
成熟した旅行者が知りたいのは、流行りの店より”味わい深い”喜多方ラーメンの話。

「喜多方」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.22
2010.08.23
2011.10.17
2012.04.29
2012.10.17
2013.08.20
2020.07.15
2021.04.11
2024.10.12
※「喜多方」での現地調査は2024年10月が最新で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年5月に更新しています。
喜多方ラーメンの歴史と、食べてよかったと思う店

プロローグ

今やグルメの情報源といえば、老いも若きも「食べログ」だと思うが、筆者はそれほど「食べログ」をアテにしていない。
理由は以下に詳しく記しているが、手っ取り早く云うと『投稿者と自分の好みがマッチしているかどうかがわからない』から。
齢を重ねれば、「ボリューム」や「プライス」より「クオリティー」に目が向くのは自然の流れだと思うが、経験とともに「クオリティー」には「味」以外に、「店の雰囲気」や「接客態度」などが含まれるようになってくる。
要は若い人からみた「うざいジジイ」化するわけだが(笑)、そうなる傾向は「◯◯とは…」が気になることから始まる。
だが考えてみれば、我々は『喜多方のおいしいラーメン』が食べたいわけではなく、『おいしい喜多方ラーメン』を欲しているわけで、そのためには「喜多方ラーメンとは…」を避けては通れない。
てなわけで、本論へ。
喜多方ラーメンとは…

「札幌ラーメン」「博多ラーメン」と並んで「日本三大ラーメン」のひとつと云われる「喜多方ラーメン」は、醤油系の透明な豚骨スープが基本で、あっさりした味わいの店が多い。
麺は「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる太麺で、独特の縮れがあって、食感はコシがあると云うよりもっちりしている。
具は「チャーシュー」「ねぎ」「メンマ」「なると」など、オーソドックスな素材が主体だ。

「喜多方」は人口37,000人あまりの小さな町だが、市内には120軒ほどのラーメン店があるとされ、対人口比の店舗数では日本一を誇っている。
喜多方ラーメンの歴史

「喜多方ラーメン」の歴史は、昭和2年に「源来軒」の創業者が中華麺に近い「支那そば」を打ち、屋台を引いたのが原点とされている。
「源来軒」の創業者は中国・浙江省の出身で、大正末に日本に渡航してきて、喜多方で中華麺の製造・販売を始めた。

それから「源来軒」の「支那そば」を継承する人が増え始め、「満古登(まこと)食堂」「坂内(ばんない)食堂」など、市内の多くの「食堂」が「支那そば(中華そば)」をメニューに載せるようになった。

それは現在にも引き継がれており、「喜多方」市内に行けば「○○食堂」という屋号のラーメン店を数多く目にする。
実はそんな「喜多方ラーメン」に最初に注目したのが、市の商工観光課の職員だったというからおもしろい。

時代は高度経済成長期。
「喜多方」には古びた蔵がたくさん残っており、市内で写真館「金田写真荘」を営む「金田実」が、それをレトロに写した写真展を東京で開催したことで、「蔵のまち喜多方」は一躍注目を浴びる。

その結果、NHKや民放で特番が組まれるようになり、観光客の数は年間5万人から20万人にまで急増した。
しかしいっぽうでは、町の観光収益増大のために、観光客の滞在時間拡張対策が急務となっていた。
そこで市の商工観光課の職員は、団体客の昼食に目をつける。

結局は、市内の日本料理屋に団体客を受け入れるスペースなどがないことから、ラーメン店の「まこと食堂」に白羽の矢を立てることになるのだが、1杯数百円の安い店を昼食場所に紹介することには、一抹の不安があったという。

そこで民放の関係者を「まこと食堂」に連れて行って意見を聞いたところ、このラーメンが気に入られ、テレビで取り上げられることになる。

「るるぶ」などの旅行誌に、「喜多方ラーメン」が頻繁に登場するようになるのは、それからのこと。
今と比べれば、テレビの影響力は驚くほど絶大だね(笑)。
喜多方ラーメンの「御三家」

ということで、ここまでに紹介した『喜多方ラーメンの「御三家」』と呼ばれる3軒の老舗に行くのが、旅行者らしくていいと思っていたのだが、そのひとつの「まこと食堂」が、2023年9月30日をもって創業76年の歴史に幕を閉じてしまった。
なので「御三家」から「双璧」になった、2つの店を簡単に紹介しておこう。
源来軒

〒966-0849
喜多方市一本木上7745
☎0241-22-0091
10時~19時30分
火曜定休
駐車場:あり(20台)
ちょっと「絶メシ」ライクな外観で、店内は昔ながらの中華料理屋そのものだ。
ラーメンはなんとも優しい味わいで、なぜだか癒やされる。
坂内食堂 喜多方本店

〒966-0816
福島県喜多方市字細田7230
☎0241-22-0351
7時~18時
木曜定休
駐車場:あり(7台)
今や全国展開している「喜多方ラーメン」の代名詞的存在だが、本店は平日でも混み合うので、ここは「朝ラー」がお勧めだ。
これまで足を運んだ喜多方ラーメンの店

ちなみに、これまで筆者が現地で暖簾をくぐった喜多方ラーメンの店は7軒。
●坂内食堂(2009年7月・2018年8月)
●蔵々亭(2010年8月)
●まこと食堂(2011年10月・2012年4月)
●一平(2012年4月・2021年4月)
●はせ川(2012年10月・2024年10月)
●なまえ(2013年8月)
●源来軒(2020年7月)
この中で、個人的にもっとも美味しく感じているのが写真の「はせ川食堂」だ。
お気に入りの「はせ川食堂」の食レポ

公式サイトもないうえに、「喜多方老麺会」にも加盟しておらず、フェイスブックとインスタから情報発信しているだけなので、中高年にはなかなか実態がつかめない店だが、この通り正統派の「喜多方ラーメン」を提供している。
筆者が好みにしている理由は、「喜多方ラーメン」としては珍しい鶏ガラベースのスープであること。ゆえに、軽くて胃にも優しく箸が進む。
また麺はツルツルで喉越しがよく、モチモチしていて適度に歯応えもある。
量はけして少なくなく、運ばれてきた時は朝から完食できるか心配になったが、あっさり全部胃袋に収まった。
筆者が初めて訪ねたのは2012年10月で、当時はまだ現地の人の間でうまいと云われていただけだったので、平日は並ばずに入店できたが、あれよあれよという間に評判が広がり、今では多くのランキングでトップ3に挙げられている。

10歳以上若かったので、当時はデカチャーシューをオーダーしていた(笑)。

こちらが2020年に改装した現在の写真だが、左に用意された席の数を見れば、どれだけ人が並ぶのかがわかる(笑)。
しかもここは「朝ラー」もなく、混雑が予想される日には予定よりも早く開店してしまうので、確実を期すには11時開店でも30分前には店に到着しておくほうがいい。

駐車場は店の前と後に2ヶ所用意されており、あわせて25台ほどは停められる。

ちなみにこちらが、2024年10月現在のメニューになる。
最後に。
「喜多方」のその他の見どころはこちらでご覧いただける。
クルマ旅のプロはラーメン屋以外の場所にも、ちゃんと足を運んでいる(笑)。
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