25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、瀬戸内海に浮かぶ香川県の「小豆島」の、見どころと車中泊事情を詳しくガイドしています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
車中泊旅行者にとっての小豆島のベストシーズンは、「寒霞渓」が紅葉の見頃を迎える11月中旬から下旬

「小豆島」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2014.11.23
2020.06.23
「小豆島」での現地調査は2020年6月が最新で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年1月に更新しています。
小豆島の見どころ&車中泊事情

小豆島の概要

かつてトヨタのコンパクトカー「パッソ」のCMで、この島を”あずきじま”と読んだ「仲里依紗」が、地元の子供から「しょうどしまやろ~」とヤジられた「小豆島」は、瀬戸内海に浮かぶ「淡路島」の次に大きな島だ。
その懐かしいCMがこちら。
10年以上経っても、Youtubeでこういう動画が見つかるというのはいい時代だが、ほかにも「吉岡秀隆」が帰郷して醤油を作るダイハツのCMも、この島を舞台に撮影されていた。
こちらもほのぼのしていて、なかなかいいCMだと思う。
とはいえ、
「小豆島」が、中高年なら誰もが知っている、映画「二十四の瞳」の舞台でもあることに変わりはない。

昔はそのイメージが強かったが、近頃の若者には「魔女の宅急便」かな(笑)。

その話は後述するとして、今の「小豆島」は豊かな自然と歴史や食文化に関するコンテンツが充実しており、とりわけ年間を通じて温暖な気候を生かして始めた、オリーブの国内栽培発祥地として知られている。
ということで、そんな「小豆島」の見どころと車中泊事情を、これからガッツリと紹介していこう。
なお、ひととおり読み終わられた後に、役立ちそうなサイトがあったのでリンクをしておくことにする。
ただし、いきなりこっちから入ると”迷子”になると思うのでご注意を(笑)。
小豆島へのアクセスルート

出典:離島ガイド
まず、「小豆島」は本州とも四国とも橋では繋がっていないため、車中泊で行くにはカーフェリーに乗船する必要がある。
2025年1月現在、本州からは「神戸新港」「姫路港」「新岡山港」「宇野港」の4つの港から、四国からは「高松港」「高松東港」の2つの港から、合計7航路の「小豆島」行きのフェリーが発着している。
ただここでそれらを紹介すると、記事があまりにも長くなりすぎるので、各航路の情報は以下の記事にまとめておいた。
航路選びのポイントは、いかに「効率よく快適に旅ができるか」にかかっている。

その意味からすると、京阪神から行くなら「新神戸港」から出港する「ジャンボフェリー」に注目していただきたい。
小豆島のランドマークは?

出典:クラブツーリズム
「小豆島」の見どころは、どの資料を見ても大差はないのだが、ランドマークといえる場所は、個人によって変わってきそうだし、季節や天候、さらには潮の干満時刻によっても違ってくるだろう。
その中で、海水浴やアウトドアをするわけではない車中泊の旅人を対象に選ぶとしたら、筆者は道の駅も兼ねている「小豆島オリーブ公園」になると思う。

「小豆島オリーブ公園」は、広大なオリーブ畑や、ギリシャ風車と青い空と海のコントラストもさることながら、2014年に放映された「魔女の宅急便・実写版」のロケ地に使われたことで有名だ。
この映画で主役のキキを演じたのは、2025年の大河ドラマ「べらぼう」で、妖気漂う吉原の花魁(おいらん)「花の井」を好演している「小芝風花」。
せっかくなので、まだ16歳のあどけない彼女の姿もお見せしよう(笑)。
「魔女の宅急便」の原作は、魔女と人間の間に生まれたキキが、しきたりに従って親元を離れ、知らない町で魔女として一人立ちしていく姿を描いた、「角野栄子」の児童文学だ。
実写版より25年も遡る1989年に、スタジオジブリの「宮崎駿監督」によってアニメ化されて一躍有名になった。
アニメは見てなくても、エンディングに使われたユーミンのヒット曲「やさしさに包まれたなら」は、老いも若きも一度は耳にしたことがあると思う。
以下の記事には、その話から車中泊事情まで含めた「道の駅 小豆島オリーブ公園」の情報をたっぷり詰め込んでいる。
ただ、紅葉シーズンだけはこの「寒霞溪」を筆頭に挙げたい。

「あずき」のような小さな島で、かくも雄大なる紅葉の絶景にめぐり逢えるとは!
晩秋の「寒霞溪」には、誰もがそう思うだけの景観が広がっている。
ただし、

おおかたの予想通り、ハイシーズンのロープウェイ乗り場の駐車場は、朝からあっという間に満車になる。
「寒霞溪」の美しさを、画像やテキスト、さらに今なら地上から撮影した動画で伝えるのは、スマホさえ使えればSNSを始めたばかりの素人にでも容易にできる。
しかし見ている人が知りたいのは、『それをいかにかい潜って”インスタ映え”を手に入れるか』だ。
今やその話がなければ、そんな情報はただの自慢話にしかならない。
ゆえに筆者は、答えもちゃんと用意する。
見た人を感動に導くための術まで伝えられてこそ、本物の”職業旅人”と云える。
その他のお勧めの見どころ

エンジェルロード
まずは瀬戸内にあるということで、「海」の名所から紹介しよう。
「エンジェルロード(天使の道)」は1日2回の干潮時に現れる砂の道で、その時にしか渡ることができない。
この”素敵な名前”を誰がつけたか知らないが、国立国会図書館の調べによると、根拠のしっかりした由来は不明なようで、せっかくの稀有な自然現象を、底の浅いものにしてしまっているように思えてならない。
そもそも天使には羽があるので、干潮じゃなくても海を渡れる(笑)。

なので先に、あえてそういう世俗的なものの写っていない、”ありのまま”の美しい光景をご覧いただくことにする。
渡る手前の弁天島を登ると”チャラチャラ”した展望台があるが、この写真はそこから”見たくもないもの”を外して撮影した(笑)。

こういうものは、「海ほたる」のような場所だけにとどめておいていただきたい。
せっかくのいい景色が台無しになる。

この砂州の近くには観光案内所とトイレ、そして25台分の無料駐車場がある。
〒761-4121
香川県小豆郡土庄町銀波浦
☎0879-62-2801(案内所売店)
マルキン醤油記念館

1987年に「丸金醤油」創業80周年を記念して、大正初期に建てられた、国の登録有形文化財に指定されている工場をリノベーションし、しょうゆ造りの歴史や製造方法を、昔の道具やパネルを使って分かりやすく紹介している。

記念館の見学は有料だが、帰りにお土産の醤油がもらえる。
〒761-4421
香川県小豆郡小豆島町苗羽甲1850
☎0879-82-0047
おとな500円
9時~16時(閉館)
※7月20日(日)~8月31日(日)、10月16日(木)~11月30日(日)は9時~16時30分
二十四の瞳映画村と岬の分教場

最後は、冒頭でも少し触れた「二十四の瞳」のゆかりの地になる。

1954年(昭和29年)に初公開された「木下惠介」監督・脚本、「高峰秀子」主演によるこの映画は、日本が第二次世界大戦を突き進んだ歴史のうねりに、否応なく飲み込まれていく女性教師と生徒たちの苦難と悲劇を通して、戦争の悲壮さを描いた不朽の名作。
当然モノクロだが、2007年にデジタル・リマスター版が制作されており、サブスクではHuluやU-NEXT、Amazonプライムビデオでも見ることができる。
実は「二十四の瞳」は、これまでに9度映像化されていて(映画2回、テレビドラマ6回、テレビアニメ1回)、直近では2022年にNHKの特集ドラマで制作されている。
ちなみにNHKオンディマンドは、220円で見ることができる。
そんなわけで、ここへ行くならできれば事前にどちらかを見てからのほうがいい。
とはいえ、「岬の文教場」にも「映画村」にも初作の映像とパネルが用いられており、やはり「高峰秀子」による「大石先生」のイメージが圧倒的に強いようだ。
さて。
ここで、ややこしいのが施設の違いだ。
岬の分教場(苗羽小学校旧田浦分校校舎)

小説「二十四の瞳」の舞台で、映画のロケ地にもなった「田浦分校」をリノベーションした「岬の分教場」は、「二十四の瞳映画村」から約700メートルほど離れた場所にあり、クルマで行くと普通はこちらが先に現れる。

1902年(明治35年)に建てられ、1971年(昭和46年)に廃校となるまでの約70年間、苗羽(のうま)小学校・田浦分校として実際に使用されていた。

校舎の中に入ると、当時のままの机やオルガン、さらに通っていた子供たちの作品が、そのまま展示されている。
なお、Googleマップでは「岬の分教場・二十四の瞳館」となっている。

専用の駐車場があるので、「二十四の瞳映画村」とはクルマで行き来が可能だ。
足に不安がある人は、そのほうがいいかもしれない。
☎0879-82-5711
入館料
おとな400円(時期によって変動)
二十四の瞳映画村セット券は1040円
9時〜17時
無休
二十四の瞳映画村

「岬の分教場」よりさらに岬の先端方向に向かった、瀬戸内海を見渡す海岸沿いにある「二十四の瞳映画村」は、1987年(昭和62年)に放映された映画「二十四の瞳(監督:朝間義隆・主演:田中裕子)」のオープンセットを改築したテーマパークだ。

約1万平米を誇る敷地には、木造校舎はもとより、男先生の家・漁師の家などが再現され、物販飲食施設も併設している。

店舗が並ぶこのあたりは、京都の「東映太秦映画村」のようだった(笑)。

こちらが「岬の分教場」のロケセットで、本物との違いは海辺に建っていることと、看板に小さく”映画村”の文字があることだ。

ただし中は、こちらのほうが”見せる演出”になっていて、おもしろさが感じられる。
”本物”にこだわらなければ、「岬の分教場」にわざわざ足を運ばなくてもいい。

なお映画館の「松竹座」では、「二十四の瞳」を常時上映しており、時間に余裕があるなら、ここでは半日近く時間を潰せると思うし、天気が悪い日にもお勧めだ。
しかしここを見たら、日本初のアカデミー賞(外国語映画賞)受賞作となった「おくりびと」のロケ地である山形県の酒田は、「何やってんの」と悲しくなる。
ドラマ「北の国から」がそうであるように、名作を不朽にできるかどうかは自治体次第、しいては観光資源を守るというのがどういうことかがよくわかる。
☎0879-82-2455
おとな900円
二十四の瞳映画村セット券は1040円
※いずれも時期によって変動
9時〜17時
無休
なお、他のサイトでよく紹介されている「道の駅 小豆島ふるさと村」と「道の駅 大坂城残石記念公園」については、小豆島の車中泊スポットとして次の項の中で、別記事にて紹介している。
小豆島の車中泊事情

小豆島の外周は約125キロで、ドライブだけなら3時間ほどで周回できるが、島内には「小豆島オリーブ公園」「小豆島ふるさと村」そして「大坂城残石記念公園」の3つの道の駅がある。
ただし、いずれも公園型の複合施設になっており、『いわゆる「道路利用者の休憩施設」を、主たる目的にしている一般的な道の駅』とは様相が違っている。

そのうち島の北部にある「道の駅 大坂城残石記念公園」は、日本遺産「石の島」の構成資産に指定されているとはいえ、小豆島の主だった観光地からは離れているので、車中泊旅行者の「旅の宿」としては、対象外でもかまわないと思う。
残るは南側の2つだが、『どっちもどっち』という感じだ(笑)。

単純に車中泊スポットとして比べた場合、「道の駅 小豆島オリーブ公園」には日帰り温泉が併設しているため、そのぶん便利というくらいの違いしかない。

ただし「道の駅 小豆島オリーブ公園」は、メインの駐車場が夜間閉鎖されるため、野外に24時間トイレのある一段下の第二駐車場か、少し離れた野外トイレが設置された、海辺にある「オリーブナビ小豆島」の駐車場を利用する必要がある。
「道の駅 小豆島ふるさと館」と「道の駅 小豆島オリーブ公園」は、約5キロ・クルマで10分しか離れていないので、両方見てフィーリングの合う方を選べばいいだろう。

なお「道の駅 小豆島ふるさと館」には、電源設備のある高規格オートキャンプ場が併設している。
その他の小豆島のキャンプ場はこちらで。
また2025年1月現在、小豆島にRVパークは見当たらない。
小豆島 車中泊旅行ガイド

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