この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
真田幸村の軍扇が見られるのもココ
出雲と云えば「出雲大社」、松江と云えば「松江城」。
多くの観光ガイドにはそう書かれているわけだが、筆者の意見はちょっと違う。
有名な観光地を、悔いなく旅するには「予習」が必要だ。
「予習」はガイドブックやウェブサイトでもできるが、できることなら「きちんとした資料館」を見るに越したことはない…
それが松江には在る。
ゆえに「松江城」あるいは「堀川めぐり」よりも前に、この「松江歴史館」に足を運ばれることをお勧めしたい。
「松江歴史館」は「松江開府400年祭」の集大成として、2011年にオープンした比較的新しい文化施設だ。
武家屋敷をイメージした和風の外観を持ち、展示、体験・交流、調査研究・管理の3つのエリアから構成されている。
見どころはやはり、松江城の築城から城下町の歴史と文化を紹介する展示エリアだろう。
巨大スクリーンを擁した新しい施設では、動画でそれを観ることができるが、老眼で文字を読むのが億劫になる中高年は、それが何よりありがたい(笑)。
これは松江城が江戸時代に創建された証拠となった「祈祷札(きとうふだ)」の展示だが、広さだけでなく照明・空調などの設備でも劣る「松江城の天守」で見るより、こちらのほうが圧倒的に良い条件で見学できるのは当たり前…。
ということは、肝心な「お宝」はこちらにあるということ(笑)。
また筆者が訪ねた日は、体験・交流エリアで「火縄銃の実弾演習」を無料公開しており、多くの観光客で賑わっていた。
仕事柄、各地の似たような施設を周ってきたが、これは初めて目の当たりにするイベントだった。
また普段は松江の伝統文化である、お茶や和菓子の体験もできるという。
今度は松江歴史館のある城下町について。
塩見縄手は松江でもっとも城下町らしい佇まいを残している通りと云われており、松江市の「伝統美観地区」、また「日本の道100選」に選ばれている。
塩見縄手で一際目を引くのが「小泉八雲旧居」。
怪談「雪女」や「耳なし芳一」で有名な小泉八雲のプロフィールは、ダイジェストでまとめられた以下の動画を見るとよく分かる。
☎0852-32-1607
営業時間 :4月~9月 8時30分~18時30分/10月~3月 8時30分~17時
定休日:毎月第3木曜日(祝日の場合は翌日)
料金 :基本展示 大人510円 小中学生250円
※松江城天守閣、小泉八雲記念館、小泉八雲旧居などとの共通券あり