25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、余部鉄橋の歴史と現在の余部橋梁「空の駅」の見どころに関する情報です。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
悲劇の舞台は、「展望台・空の駅」の完成と「道の駅 あまるべ」の誕生で、人気スポットに変貌

余部(あまるべ)橋梁 DATA
余部鉄橋・余部橋梁 筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.08.08
2010.11.14
2013.09.14
2015.11.28
2019.11.16
2025.08.17
「余部橋梁」での現地調査は2025年8月が最新です。
余部鉄橋・余部橋梁【目次】

余部鉄橋ヒストリー

「余部鉄橋」は、兵庫県の日本海に面した松葉ガニで有名な香美町にある古くからの鉄橋で、JR山陰本線の「鎧駅」と「餘部(あまるべ)駅」との間に位置していた。

出典:日経クロステック
鉄橋は全長309.4メートル、橋脚の高さ41.5メートルで、トレッスル式鉄橋としては日本一の規模を誇り、山陰本線の名物といわれてきた。
着工は明治42年12月。アメリカより輸入した鉄材を使い、当時最高の技術を駆使して、明治45年1月に完成。
同年3月1日、香住~久谷(新温泉町)間の運行が開始され、山陰本線は念願の全線開通を迎えた。
工事には、33万1,000円の費用(現在地に現橋梁と同じものを建設する場合の工事費用概算:42億円)と工夫25万人を要したという。
以下のサイトでは、往時の懐かしい複数の動画を見ることができるのだが、きっと職員か地元の人が、趣味で取り続けていた”お宝物の映像”だと思う。
さて。
「余部鉄橋」が知られるようになったのは、1986年(昭和61年)12月28日…

福知山発浜坂行下り回送列車が「余部鉄橋」を走行中に、最大風速約33m/sの突風にあおられ、客車7両が約41メートル下に転落し、水産加工場と民家を直撃した。
この事故により、乗務員や下の水産加工場で働いていた従業員に、10名以上の死傷者が出る惨事となった。
転落したのは山陰お買い物ツアーの臨時お座敷列車だったが、幸いにも176名の乗客が香住駅で下車した直後の出来事だった。
この悲惨な事故をきっかけに、風速による運行規制が見直されたが、今度は冬季の列車の遅延・運休本数が大幅に増加し、列車運行の安全性と定時制の確保が大きな課題として浮かび上がる。

その結果、2007年3月からの架け替え工事で、旧「余部鉄橋」は解体され、2010年8月に現在の橋梁に生まれ変わっている。
空の駅

2013年5月、余部鉄橋の西側(餘部駅側)に展望台「空の駅」がオープンした。

山陰海岸が2010年10月に世界ジオパークとして認可され、このあたり一帯が新しい観光地として注目を浴び始めていることとも関係があったのだろう。

「空の駅(余部橋梁)」からは、箱庭のような余部の漁村の景色が見える。

ただ「空の駅」からは、このような迫力ある鉄橋の写真は撮れない。
実は余部橋梁の『隠れベストフォトスポット』はここだ。
このかつての「余部鉄橋」を支えていた3本の橋脚は、新たな観光名所にすべく作られた余部橋梁の展望施設「空の駅」を支えるために現地保存されたもので、実際の鉄道の運行に現在は関与していない。
しかし、鉄の橋脚を残してくれたことで、僕らは往時の姿を偲ぶことができる。

現在は道の駅から餘部駅には、後述する「余部クリスタルタワー」の中にあるエレベーターで行くことができるが、かつてはこの道を通ってアクセスしていた。
ただ筆者はずいぶん長くここには行っていないので、もしかしたら道は舗装されているかもしれない。

そしてその先に、餘部橋梁を見下ろすことができる昔からの展望所が残されている。
道の駅 あまるべ

もともと「余部橋梁」の下には観光用の駐車場とトイレがあったが、2012年7月に道の駅に登録されたことで、知名度は一気にアップ。
かつては鉄ちゃんと写真好き、そしてライダーしか来なかったようなところに、今は遠くからも観光客が訪れる。
車中泊にはどうかと思うが、立ち寄ってみる価値はあるだろう。
余部クリスタルタワー

2017年、余部鉄橋「空の駅」に、「余部クリスタルタワー」と呼ばれる全面ガラス張りの無料エレベーターが設置された。

「餘部駅」は現役の電車駅なので、交通機関として利用する人には、素晴らしいプレゼントになったと思う。というか、これまでが大変すぎた(笑)。
もちろん観光客もその恩恵が受けられる。
足の不自由な方や、足腰に不安があるご年配には朗報だ。

都会じみたエレベーターから見える余部の家並みは、ミスマッチで逆に新鮮。
ちょっと不思議なところに来た気がした。

ちなみに駅は、同じ兵庫県内に姫新線の「余部(よべ)駅」があるため、それと区別するため漢字を変更し「餘部駅」にしたという。
余部橋梁「空の駅」 アクセスマップ

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