
それは、「ならず者」がマナー違反のしづらい状況を築くこと
未だにゴールデンウィークやお盆休みの観光駐車場や道の駅では、こういった「車中泊の域」を逸脱した「オートキャンプ行為」=「車中泊のマナー違反」が行われている。

だがそれだけで、観光駐車場や道の駅といった「車中泊環境」から、マナー違反が根絶される日が来ると思っている人は誰もいまい。
つまりこの手の対策はもう十分であって、SNSでの書き込みを含めて、これ以上は見るのがウザいだけだ。
サラリーマン時代に筆者は流通業に従事してきたが、どれほど努力と投資と注意を払っても、店頭から「万引き」をゼロにすることはできなかった。
それからすれば、今の車中泊業界は「何もしていないのと変わらない」。
店の前を通る中高生に、拡声器で「万引きはやめましょう」と叫んでいるだけで、どうにかなるなら苦労はしない。
マナー違反を本気で撲滅するには、「当事者のモラル」に加えて「施設の管理強化」と「行政の法整備」、そして「現場に居合わす人間の協力」が有機的に機能することが不可欠だ。
窃盗事件に置き換えると、我々は「防犯カメラ」役。
「防犯カメラ」は記録することだけでなく、「ここは監視されている」という無言の圧力を犯罪者に与える効果がある。
もちろん今ここで、長々とそんなことを論じるつもりはない。
云いたいのはただひとつ、最後に掲げた「現場に居合わす人間の協力」についての考え方だ。
具体的には、貴方がいいと思う車中泊スポットを公表すればいい。しいてはそれが、「監視カメラ」の増加につながる。
世の中には、「いい車中泊スポット」を隠すことで保護したいという人もいるようだが、残念なことにそういう場所ほど、「ならず者ネットワーク」はあらかた先にキャッチしている(笑)。
「いい車中泊環境」は誰にとってもいいわけで、できるだけ人混みを避けたい彼らのほうが、情報収集に執着心を燃やしているのは明らかだ。
だが、そこに善良な車中泊旅行者が集まれば、「好き放題」できなくなり、「ならず者」は居づらくなって自然と車中泊環境は改善されていく。
それはむしろ、改善というより「奪回」に近いかもしれない。
もちろんそれには、施設管理者による「違反行為の明確化」と「取締強化」が前提だが、それも良識ある車中泊旅行者が増えれば増えるほど「ちゃんとやってくれないことへの不満」が表沙汰になる。
日本は国民主権の民主主義国家であり、資本主義で動いている。
つまり、「世論」と「マーケット」が動けば、放っておいても環境は変わる。これまでのやり方は、力の入れどころが間違っているからうまくいかない。
そう考えると、「穴場」ほど情報を公表するのが一番いい。
特に雑誌やマスコミで公開するほど、結果的には「環境保護」に針が振れるというわけだ。
最後に。「これまで空いていたお気に入りの場所が、混雑して使えなくなる」というのは嘆かわしいことではなく、あなたに「先見の明」があったと喜ぶべきことだ。
ぜひその素晴らしい眼力で、次々と素敵な車中泊スポットを見つけ、多くの人に広めていただきたいし、筆者のような職業を選ぶ道もある。
「車中泊の規制と禁止」特集
