
車外での調理や食事は原則禁止
RVパークとは、日本RV協会が車中泊旅行者に、『快適に安心して車中泊ができる場所』を提供するために認定している、車中泊専用有料駐車場のこと。
2019年3月時点の提携施設数は、全国で123件となっている。
RVパークは、道の駅やリゾートホテル、あるいは日帰り温泉施設といった、さまざまな業種業態の駐車場の一画に設けられているのだが、現時点では「車中泊が公認されている駐車場」というレベルを大きく上回るものではないし、中には「ええ、ここなの?」というところがないわけでもない。
写真は熊本県の人気温泉地のひとつ、山鹿温泉にあるRVパークで、緑のラインで囲まれた2台分の区画を、隣のハイエースのようにゆったり1台で利用できるようにしてある。
「パーク」とは公園ではなく、駐車場という意味なので、こういう施設も中にはある(笑)。
ちなみに料金は高さ220cmまでの小中型車なら1泊1000円、それ以上は2300円だ。
いっぽう、こちらは石川県の能登島にある「RVパーク ねやフィッシングパーク太公望」。ほとんどオートキャンプ場に近いレイアウトで、当然休日はいつもほぼ満車の活況だ。
なぜなら、ここは電源を使用しなければ無料で泊まれる(笑)。ただし、駐車場では料理・食事ともに禁止。
Oh my God!!
筆者はこれまで、佐賀県の「RVパーク有田温泉」・山口県の」RVパーク道の駅阿武町」・奈良県の「RVパークロマントピア月ヶ瀬」・栃木県の「RVパーク那須塩原エヅリン」、そして北海道の「RVパーク知床清里町ウエネウサルみどり」で、実際に車中泊をしてきたほか、さらに10件以上のRVパークを見学に訪れているが、いずれも駐車場での調理・食事を禁じている。
区画内ではサイドオーニングを伸ばし、テーブルとイスを出してもかまわないとはいえ、そこで調理や食事ができないのなら、実質的には道の駅と変わらない。
しいて違いを挙げるとしたら、電源設備があることだろう。
基本的に電源の利用は別途料金になるが、料金は施設ごとに異なり、場合によってはキャンプ場のほうが安いこともある。
そして何よりRVパークは、年会費を払って「くるま旅クラブ」の会員にならなければ利用できないところが大半だ。
ただ、それでも京都のような観光都市の有料駐車場に泊まるなら、トイレがあって電源が使えるうえに、ゴミの廃棄までできるRVパークは、「利便性の高い施設」といえなくはない。
最後に。
そもそもRVパークは、「くるま旅クラブ」の実質運営母体のRV協会自体が、キャンピングカーディーラーの組合的な組織であるため、基本的にはキャンピングカー、それもどちらかといえば、バスコンやキャブコンを意識したものである感は拭えない。

画像出典:フジテレビ
「避難のための車中泊」で記しているが、これからの日本は災害時の避難方法として、車中泊を選択する人が増えると予想されている。
ということは「今日本でいちばん売れているコンパクトで低燃費のサポカー」で車中泊をする人が増えるということだ。
であれば、彼らにとって必要なのは、車外で自炊と食事ができる施設だろう。
その意味からすると、今のRVパークは「乗用車の車中泊旅行者」にとっては、「一番したいことができない有料施設」ともいえる。
キャンピングカーとミニバン車中泊の「両生類」とも云える筆者は(笑)、RVパークの恩恵に授かれなくもないが、「乗用車の車中泊旅行者」が望みたいのは、こういうリアル・オートキャンプ場だ。
そしてそれは「理想の車中泊避難所」そのものでもある。
地方に作れば、ライダーやチャリダー、さらにバックパッカーも、こぞってやってくるに違いない。
