車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年12月時点の「RVパークVISON」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
日帰り入浴施設を併設する巨大リゾート施設・ヴィソンの一画にある「RVパークVISON」は、伊勢志摩リピーターにイチオシの車中泊スポット。
RVパークVISON DATA
RVパークVISON
〒519-2170
三重県多気郡多気町ヴィソン672番1 本草1
☎0598-39-3900(車中泊予約係)
受付時間:9時~23時
「RVパークVISON」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2023.12.11
※「RVパークVISON」での現地調査は2023年12月が最新です。
RVパークVISON
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集2021年7月にオープンした、東京ドーム24個分の敷地を誇る「ヴィソン」は、敷地のみならず構想も内容も壮大で、実に様々な切り口がある。
そのため、ついつい魅力的な商業施設から紹介したくなるのだが(笑)、説明の入口を間違うと、本当に伝えたいことがボヤケてしまいそうに思える。
そこで当記事では、伊勢志摩観光時の車中泊スポットとしてみた「ヴィソン」の魅力から、話を進めていくことにしよう。
まず「ヴィソン」があるのは、「伊勢自動車道・勢和多気ジャンクション」のすぐ近くで、専用のスマートインターが用意されており、伊勢神宮の「内宮」から高速道路を利用すれば、約25キロ・20分ほどで到着できる。
そのため、朝から伊勢神宮の「内宮」「外宮」と、夫婦岩で有名な「二見ヶ浦」を見たあと、昼過ぎに「ヴィソン」に移動して、ショッピングや、少し遅めの昼食を食べたり、カフェでのんびり寛ぎながら、リゾート気分を満喫することが可能だ。
特に伊勢志摩を旅したことがある人なら、「伊勢神宮」と「ヴィソン」の2ヶ所だけで、1泊2日をゆったりと過ごすのは、かなり斬新な旅に感じると思う。
その意味で「ヴィソン」での車中泊は、”伊勢志摩リピーター”向けと云えるだろう。
なお「ヴィソン」から志摩方面に行くには、一度伊勢に出たほうがスムーズだが、尾鷲・熊野方面には「紀勢自動車道」が通じており、スムーズに移動できる。
そのため、「ヴィソン」で食事と入浴を済ませた後、「道の駅 奥伊勢おおだい」で車中泊をする方法もある。
「RVパークVISON」の車中泊好適度
RVパークに指定されているのは、「ヴィソン」の中でもっとも標高が高い場所にあるマップの「P8」で、日帰り入浴施設「本草湯」の近くだ。
レストランやショップの並ぶゾーンまでは、「本草湯」の横にある屋外エスカレーターでアクセスすることができる。
「RVパークVISON」最大の特徴は、プライベートサイトとオープンサイトにある。
両者は事実上、車中泊限定の「高規格オートキャンプ場」で、区画内ではサイドオーニングが出せるだけでなく、BBQや焚き火まで可能だ。
こちらがサイドオーニングが展開できる、プライベートサイト。
ここではキャンピングカーでなくても、このような使い方が可能だ。
いっぽうこちらが、隣との間に仕切りのないオープンサイト。
オープンサイトにはサイドオーニング用のスペースはないが、このようにバックドア下を利用することができる。
料金はプライベートサイトが5000円~7000円、オープンサイトは4000円~6000円とRVパークにしては高価だが、キャンプ場と思えば電源代込みでこの価格なら、筆者は納得できる。
ちなみに開業当初は「P8」の敷地内にトイレはなかったが、2023年12月に「本草湯」からいちばん遠い、プライベートサイトの18.19番の裏に完成している。
トイレの近くがいい人は、予約時にその旨を伝えた方がいいだろう。
なお「P8」は一般の駐車場も兼ねており、このクルマが停まっているスペースがフリーサイトで3000円~4000円になる。
ただ電源なしでこの料金は、明らかに高いと思う。
もしここしか空きがないのなら、筆者は前述した「道の駅 奥伊勢おおだい」まで移動して車中泊をする。
RVパークVISONの詳細
チェックイン:15時~23時
チェックアウト:~11時
●利用料金(税込)
プライベートサイト:5,000円~7,000円
オープンサイト:4,000円~6,000円
フリーサイト:3,000円~4,000円
※各サイトの詳細画像ページはこちら。
●トイレ:あり
※2023年12月16日より、RVパーク内に新設トイレ設置
●ダンプステーション:無料
●ごみ処理:有料
ゴミ処分費:45L指定ゴミ袋500円/1枚
●炊事場:無料
●電源:無料(電源20A✕2口)
※ただしプライベートサイト、オープンサイトのみで、フリーサイトはなし
●発電機:夜21時まで利用可
●ペット同伴:可 (要リード)
●Wi-Fi:無料
「VISON」の見どころ・食べどころ
さて。
漢字で「美村」書く「ヴィソン」は、住所を見ればわかるように、奈良県の「明日香村」のような”市町村名”にもなっている。
というのは…
「ヴィソン」は単なる商業リゾート施設でなく、内閣府が進める国家戦略施策の「スーパーシティ特区」として、地域・事業者・国が一体となって様々な課題を解決するための取り組みを行っており、その壮大なコンセプトを背景に構成された魅力は、以下の動画を見るのが一番よく分かるし、これには天下の「星野リゾート」も、さすがにビックリしたに違いない(笑)。
ここからは筆者の印象に残ったお店をご紹介。もちろん全部は周れていない。
無添加商店 尾粂(おくめ)
ミシュラン三つ星店からも愛される、明治4年創業の築地魚河岸「尾粂(おくめ)」の東海地方1号店。
ダシにこだわったユニークな専門店で、珍しい試飲ができる。
自慢は世界初のオーダーメイドのだしパック(特許出願済)で、店内に用意された24種類の昆布や魚介から好みの素材を自由に選び、その場で配合→粉砕→充填して、「世界にひとつだけの○○家のだしパック」を作ってもらえる。
人気は店内の無添加食材や調味料を使用した和定食が食べられる食事処で、ランチタイムは長蛇の列ができていた。
ここは、魚を焼くいい匂いに釣られるね。
AT CHEF MUSEUM
アットシェフは、料理を作品に見立てた「食の美術館(フードコート)」で、和ヴィソンのダイニングホールを、2023年7月にリニューアルして誕生した。
「ミシュラン」の星を持つシェフ7名を含む、全国の有名料理人18名が監修した料理が1品700円で味わえ、メニューは和洋中からスイーツまでバリエーションに富んでいる。
ここでのお勧めは3枚2000円の”ちょっとお得なチケット”で、女性ならそこそこ満腹気分になれる量が食べられる。
夫婦で都合6品注文した中で、もっとも印象に残ったのは、東京の神宮外苑前にあるベトナム料理店〈Ăn Đi(アンディ)〉の、内藤千博シェフによる「三重県産めかぶとあおさ海苔のグリーンカレー」だった。
海藻とハーブとスパイスの香りがうまく調和し、上品でほどよい辛さに仕上げられた、まさに”シェフの料理”という気がした。
次点は「賛否両論」の笠原将弘シェフによる、三重県産の鶏ミンチを使用したそぼろと、炒り玉子を使った「鶏そぼろ丼」。
京料理かと思うほどの薄味ながら、まろやかな味わいが糸を引くのは、隠し味に豆乳を使用しているおかげのようだ。
ちなみに笠原シェフは、ヴィソンの本草湯の中に「笠庵」という店を構えている。
紹介した2品はボリュームもそこそこあり、フードコートのランチメニューという点にも配慮がなされている点も見逃せない。
ただ… アットシェフの残念な点は、紙皿を使っていたことだ。
器の質感が料理を貶めているのは明らかで、コスト計算が料理を美味しく感じさせることより優先されるようでは、真の「食の美術館」とはいえまい。
またフードコートで水が有料というのも”常識外れ”。紙コップ1杯50円とはいえ、ここはそれに慣れたインバウンド向けの店ではないと思うし、そこまでコストカットを徹底されると興ざめする。
アウトドアショップ Orange
「オレンジ」は、和歌山県に本社がある関西屈指のアウトドアショップで、国内外の定番商品からガレージブランドまで、アウトドア用品が店内狭しと並んでいる。
ノースフェイスはもちろんチャムスなどのアパレルも充実しており、キャンプ好きならここで存分に時間を過ごせる。
マルシェ ヴィソン
朝採れ野菜のほかに、果実、松阪牛、伊勢海老や鮑(あわび)などの魚介など、三重周辺の新鮮な海の幸・山の幸を提供する店舗が集合した、豪華ラインナップの産直市場が「マルシェヴィソン」だ。
「RVパークVISON」は、外部からの食材の持ち込みが禁止になっているが、値段さえ気にしなければ、必要なものはここで全部揃うと云っても過言ではない(笑)。
「RVパークVISON」のお風呂&周辺買物施設
本草湯
RVパークから徒歩1.2分
☎0598-39-3900
大人800円
6時~24時
「本草湯」の利用者は、2時間の無料駐車券がもらえる。
コンビニ
ローソンまで約2キロ
スーパーマーケット
「マックスバリュ多気店」まで約8キロ
「RVパークVISON」のアクセスマップ
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伊勢神宮 車中泊参拝ガイド
※記事はすべて外部リンクではなく、オリジナルの書き下ろしです。