車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年10月現在の志摩半島屈指の絶景を誇る「横山展望台」への、マイカーアクセスを含めた実戦に基づく、リアルな観光情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
英虞湾を望む「横山展望台」の正しい認識は、横山にある5つの展望台の総称。
横山展望台の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.05.21
2015.11.05
2023.10.14
※「横山展望台」での現地調査は2023年10月が最新です。
「横山展望台」 完全ガイド
![](https://kurumatabi.net/database/wp-content/uploads/2019/03/640baner_1.jpg)
「横山展望台」のロケーションと概要
まずは俳人「高浜虚子」が、松尾芭蕉が絶賛した”松島”以上と評し、夕日の眺めが良いことから、過去に「ミシュラン・グリーンガイド」で一つ星を獲得した、「横山展望台」から見える英虞湾の絶景をご覧あれ。
「横山展望台」は、「志摩半島」の中ほどにある、標高203メートルの「横山」の中腹に位置し、「道の駅 伊勢志摩」からクルマで約6キロ・10分ほどのところにある。
ただ、当サイトではその誉高き絶景の話の前に、”出かける前に知っておくべき”2つの重要なポイントから解説を始めよう。
1.最重要なのは「展望台駐車場」の確保
2.見るべきは5つの展望台からの絶景
その観光地の”肝”を抑えて行くのと行かないのでは、得られる結果に大きな違いが出るのは必然だが、特に「横山展望台」はその傾向が強いと思う。
最重要なのは「展望台 駐車場」の確保
まずマイカーアクセスの旅行者にとって、「横山展望台」の最大の難点は、この「展望台 駐車場」にクルマをいかにして駐めるかに尽きるだろう。
ここにさえクルマが駐められれば、これから紹介する5つの展望台を歩いてめぐるのは、中高年でもさほど苦にはならない。
それなら
ここで車中泊してしまえばいいじゃん!
もちろんトイレもあるし、できるならそれが一番いい。
しかし「展望台 駐車場」にはかなりの傾斜があり、登山口のような厳しいロケーションで車中泊をしてきた経験がなければ、普通はなかなか眠れないと思う(笑)。
![](https://kurumatabi.net/hotsprings/wp-content/uploads/2023/10/10.jpg)
出典:横山展望台 公式サイト
こちらが横山展望台のマップだが、P2と書かれたところが普通車26台(うち身障者用2台)、軽自動車2台が駐められる「展望台 駐車場」になる。
ここが満車になれば、麓の「創造の森 横山駐車場」と呼ばれるP1駐車場を利用することになるのだが、P2までの道のりは約560メートルで、行きは登り道を15分近く歩くことになる。
![](https://kurumatabi.net/hotsprings/wp-content/uploads/2023/10/13.jpg)
出典:横山展望台 公式サイト
そこから、さらに高台にある「みはらし展望台」まで登るというのは、シニア世代なら「もうええわ」となる人も少なくはあるまい(笑)。
さらに「展望台 駐車場」に関する問題は、もうひとつある。
写真は上のマップのP1からP2に通じる道だが、車道には対向できない場所が多々あり、「退避所」を利用して行き来するのだが、こういう道を走り慣れていない人は、すれ違うところが悪ければ、けっこう苦労するに違いない。
ゆえに簡単に渋滞してしまううえに、一度ハマると抜け道はなく、ここを通るなら、夜が明けて視界が確保された、朝の早い時間帯がいいのは当然だ。
ということは、
朝起きたらすぐに、ここまで走ってこれるところで車中泊をするのが最善策になる。
ピカピカのウォシュレットと、可燃物のゴミ箱まで設置してくれている「道の駅 伊勢志摩」は、その条件をフルに満たす最適な場所と云えるだろう。
それにしても…
Google検索の上位に出てくる横山展望台の紹介サイトには、この手の情報がまったくといっていいほど記されていない。
車中泊経験者なら、こんなことは一度行けばすぐに分かると思うのだが、いくらいい景色があっても、辿り着けなければ意味がないし、そこまでに労を要するなら、他を検討する人もあるだろう。
志摩半島には、クルマから降りてすぐに、同じ風光明媚な「英虞湾」が見渡せる展望台が、他にないわけじゃない。
ところで。
誰もが知りたい、”「横山展望台」からどんな景観が見られるのか”は、公式サイトや観光協会のサイトが、しっかりとお金をかけ、プロが撮影した素晴らしい写真を添えて紹介しているので、旅行者はそれを見ればもう十分だと思う。
環境省の横山展望台・横山ビジターセンター オフィシャルサイト
それを踏まえると、旅人が第三者に期待したいのは、重複する情報ではなく、当人がそこでどういう苦労をしたのか、あるいはその経験に基づく、現地で何に気をつけたらいいのかという、アドバイス的な内容ではないのだろうか。
たとえば、ビジターセンターに到着したら、前の道を直進せず、左折すると「展望台駐車場」に行ける… みたいなね(笑)。
見るべきは5つの展望台からの絶景
さて。
「横山展望台」の紹介サイトをいくつか読んだが、公私ともに「横山展望台」には2つの解釈があるようだ。
ひとつは現在の「天空カフェテラス」がある、このスペースのみを指している。
上の写真はこの建物の2階から撮影しているのだが、ここは2018年8月にリニューアルを受け、現在はデッキテラスを含めて「横山展望台 横山天空カフェテラス」とも呼ばれている。
ちなみにこちらは、リニューアル前の「横山展望台」。
リニューアルでオブジェが外され、デッキテラスはずいぶん拡張されている。
また遊歩道も現在リニューアル中で、2024年6月に新しくオープンするらしい。
なお、横山天空カフェテラス「カフェ・ミラドール志摩」の詳細については、以下の公式サイトを参照に。ただ写真は実際よりもかなりよく撮られている(笑)。
続いてもうひとつの「横山展望台」の解釈だが、冒頭でも記したように、ここには「横山展望台 横山天空カフェテラス」を含めて、5つの展望台が点在しているのだが、それを総じてなんと呼ぶのか?
「横山」ではピンとこなさすぎるし、困ったなと思っていたら、ウィキペディアに納得のいく説明が掲載されていた。
<以下はウィキペディアからの転用>
「横山展望台」は、2018年に「横山天空カフェテラス」という名でリニューアルし、他にも「木もれ日テラス」「そよ風テラス」も同年にリニューアルしている。現在、それら横山にある複数の展望台を横山展望台とよんでいる。
筆者はこの解釈に賛成だ。
これだけ雄大な景観を、たったひとつのアングルでしか、見ない撮らないのは惜しすぎるし、最初から5ヶ所を周る腹づもりで来るのと、来ないのでは所要時間の読みも違ってくる。
ただ前述した駐車場事情もあって、もしかすると今は、横山に来る人の半数は「横山天空カフェテラス」か、そこから30メートルほどしか離れていない、この「木もれ日テラス」でお茶だけして帰っているのかもしれない。
「横山展望台」には「横山天空カフェテラス」から山頂方面に、「木もれ日テラス」「そよ風テラス」「あご湾展望台」「みはらし展望台」があり、それらを結ぶ遊歩道が設置されている。
これらは中高年がゆっくり周っても、1時間まではかからないし、アップダウンも緩やかで歩きやすい道だった。
圧巻のパノラマビューが楽しめるのは、「そよ風テラス」。
向きや標高がそれほど大きく変わるわけではないので、”見える景色は似たりよったり”といえばそれまでだが、インスタグラムのIDを持っているなら、周ってみる価値はあると思う(笑)。
見える方角が違う「みはらし展望台」。
ここからは条件が合えば、富士山も見えるというから驚きだ。
最後は「英虞湾展望台」。
かつて「横山展望台」にあった志摩半島のオブジェは、ここに移設されているのだが、筆者には昔ながらの雰囲気を残すこの展望所が、いちばん雰囲気の感じられる場所だった。
ちなみに「あご」という呼び方は、天武天皇の時代に遡ることができ、真珠の採取はその頃から盛んで、奈良時代には阿古屋(あこや)貝から採れる真珠を、すでに出荷していた記録が残されている。
それからおよそ1300年を経た現在の「英虞湾」は、世界で最初にアコヤ貝の真珠養殖に成功した地として名を挙げ、国内有数の生産地として君臨している。
侮れない「横山ビジターセンター」
「伊勢志摩国立公園」が持つ、自然の特徴や歴史・文化を広く紹介することを目的に設立された「横山ビジターセンター」は、体験プログラムや映像を通して、この地域の里山と里海を解説している。
「伊勢志摩国立公園」の特徴は、何世紀もの昔から、人々が持続的かつ生産的な方法で自然の資源を活用してきた、里山と里海の景観が今も残されていることにある。
「横山ビジターセンター」では、それを最新の4面VRシアターで、直感的・体感的に紹介しており、展示内容は想像しているより良かった。
伊勢志摩が目指すビジョンは、北陸の能登半島に通じるものがあるのだが、伊勢・鳥羽・志摩の連携が今一つで、能登のようなスケールの大きさが感じられない。
金沢VS伊勢・輪島VS鳥羽・奥能登VS志摩半島と対峙して、どこがPRで劣っているのかを見直せば、十分伸びしろはあると思うのだが、江戸時代から御師に頼ってきたせいなのか、三重県は本当に観光ビジネスが下手(笑)。
ポテンシャルが高いだけに、電通にでも任せれば、見違えるくらい変わりそうだ。
横山ビジターセンター
入館無料
☎0599-44-0567
9時〜16時30分
無休
「横山展望台」のアクセスマップ
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伊勢志摩 車中泊旅行ガイド
※記事はすべて外部リンクではなく、オリジナルの書き下ろしです。
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