車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年10月時点の「道の駅 津かわげ」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 津かわげ」は、国道23号で四日市から鳥羽に至る、伊勢湾岸を旅したい人が使える”旅の宿”。
道の駅 津かわげ DATA
道の駅 津かわげ
〒510-0311
津市河芸町三行255番地4
☎059-244-2755
営業時間
7時~18時
年中無休
「道の駅 津かわげ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第44回
登録日/2015年11月5日
「道の駅 津かわげ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2016.05.07
2016.11.05
2022.06.05
※「道の駅 津かわげ」での現地調査は2022年6月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2022年10月に更新しています。
道の駅 津かわげ【目次】
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「道の駅 津かわげ」のロケーション
「道の駅 津かわげ」は、津市北部の国道23号・中勢バイパスと国道306号の交差点付近に、2016年4月にオープンした比較的新しい道の駅だが、津市では事実上”最初の道の駅”にあたるといっていい。
行政区分で云えば、市町村合併で津市に組み込まれた「道の駅 美杉」のほうが先に誕生しているが、上のマップを見れば分かるように、「道の駅 美杉」は松坂や伊勢にずっと近い場所にある。
実は筆者は中学・高校の6年間を津市で過ごしているので、多少は”住民目線”でこの町を見ることができると思っているのだが、せっかく江戸時代から伊勢音頭で、「伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ (尾張名古屋は城で持つ)」と全国に宣伝してくれているのに、「津の行政は本当に観光オンチ」で泣けてくる(笑)。
この唄の意味は、「伊勢は津の港があるために参拝客が多く、津の港は伊勢神宮への参拝客が利用するために栄えている」という意味で、何より地名の「津」は「港」を意味している。
なのに、なぜゆえそれを活用すべく、ウォーターフロントに「道の駅」を作らず、何の関係もなく、観光客が行きづらい内陸の辺鄙な場所に”第1号”を作っちゃうかな~。
現在の津の「港」と呼べるところは、伊勢湾に浮かぶ「中部国際空港」との連絡船「津エアポートライン」が発着する「津なぎさまち」で、ここに港オアシスを兼ねた「道の駅」を作れば、海を空と陸に変えて、歴史をリノベーションしたオンリーワンなストーリーが描けるのに…
もしかすると、計画が水面下で練られているのかもしれないが、”いの一番”にやるか、やらないかで町の印象は大きく変わる。
いずれにしても現在の「津」には、めぼしい観光名所が皆無だ。
というか、本当は戦国時代から江戸時代にかけて、”築城の名手”として名を馳せた「藤堂高虎」の22万石の津城跡があるのだが、廃藩置県で破却された後は、小さな櫓だけを再建し、お茶を濁しているに等しい扱いで、史跡は埃をかぶったままだ。
藤堂高虎のキャリアを知れば、それがどのくらい勿体ないことかがよく分かる。
今のままでは、大阪及び名古屋方面からやってくる大半の車中泊旅行者は、行きも帰りも、高速道路の「伊勢自動車道」で津をスルーし続ける。
それを「伊勢関」で堰き止め、津の市街に誘導するのは、多少グルメが知られたくらいでは、”焼け石に水”であることに変わりはあるまい。
だがもし、町をあげて「津」の観光を活性化できれば、「鈴鹿」「津」「松阪」をひとくくりに包含し、「伊勢志摩」に通じる三重県の新しい観光エリアに仕立て上げることが、けして不可能とは思わない。
それで初めて、「津」で車中泊をする意味が生まれるというもの。
鈴鹿にはFIレースが開催されるサーキットが、そして松阪には北海道の名付け親で知られる「松浦武四郎記念館」と、松坂城の「御城番屋敷」があり、その中間の「津」が冴えないままだから、旅行会社にも「置き去り」にされている。
ご多分に漏れず、筆者も松阪を伊勢と合わせて観光ガイドにしているくらいだ。
この情けない事態が解消されるまでは、国道23号でのんびり伊勢路を旅する人以外に、「道の駅 かわげ」の利用価値は見いだせないだろう。
「道の駅 津かわげ」の施設
だが「道の駅 津かわげ」そのものに、魅力があるかないかは別問題だ。
そもそも「津」は、「天むす」はもちろん「味噌カツ」、さらに「いちご大福」「たい焼き」といった、誰もが知る食べ物の発祥地で、ここはそれを物販飲食に取り込むことで集客に成功している。
直売所を始めとする売店には、津市全域から約1000種類の特産品が一堂に集められているとか。
渓流魚に山菜などの山の幸、野菜・米・畜産物などの平野の幸、貝類に鮮魚の海の幸から、「津ぎょうざ」や「いちご大福」などのソウルフード、他にも井村屋・おやつカンパニーなど、津市に本社を置く企業の商品まで幅広く取り扱っている。
さらにレストラン「津のものキッチン」では、朝7時から和食と洋食のモーニングセットが、450円というリーズナブルプライスで食べられる。
営業時間:7時~18時
モーニングタイム:7時~10時
ランチタイム:10時~18時(LO/17時30分)
というわけで、地元ではそこそこ人気を集めているようだ。
今度は車中泊環境に目を向けて見よう。
「道の駅 津かわげ」の駐車場は、駅舎側に普通車、そのうしろに大型車のレーンが配置されているが、数が足りないのか非常識な奴が多いのか、トラックが普通車のエリアに入れないよう、コーンとポールで仕切られていた。
これは嬉しい配慮だね。
東名高速道路の「足柄SA」では、ポールが地面に固定され、絶対に侵入できないようになっているくらいだから、中には常習犯もいるのだろう。
路面はフラットで車中泊に支障はない。24時間トイレは右側の建物になる。
新しいので、もちろん中にはウォシュレットが用意されている。
また可燃物のゴミ箱も屋外にあり、24時間利用できる。
最後に総括すると、
「道の駅 津かわげ」は、施設だけをみれば車中泊の好適要件を十分に満たしているといえるが、普通の旅人には、ここを「旅の宿」に使ってまで、周りに行くところが見当たらないと思う。
筆者の査定には、「観光旅行時の宿としてどうなのか?」というウェイトが半分あるので、仮に施設面が満点でも、残りがゼロなら50点という評価にしかならない。
そこが、車中泊のことしか考えていないブロガーとの最大の違いだ。
「道の駅 津かわげ」の車中泊好適度
「道の駅 津かわげ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外に設置されており、24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機横に設置
2016年の開業当時は、この大きな可燃物のゴミ箱がわかりやすいところに置かれていたが、2022年の取材時には見当たらず。
代わりに小さなポリ製のゴミ箱が置かれていたが、イベントをやっていたので特別にそうしていた可能性が、なきにしもあらず。
そう願いたいものだ。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 津かわげ」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
極楽湯 津店
※道の駅から約4.6キロ・クルマで10分
☎059-236-1626
おとな平日850円・土日祝950円
9時~26時 (受付最終23時20分)
※毎週土日は朝6時~営業
※祝日は平常通り9時~営業
年中無休
コンビニ
ファミリーマートまで約550メートル。
スーパーマーケット
「マックスバリュ津東店」まで約4.3キロ。
「道の駅 津かわげ」のアクセスマップ
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