この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 越前」は、「越前ガニミュージアム」の前に建つ温泉併設の道の駅
「道の駅 越前」のロケーション
「敦賀加賀海岸国定公園」に指定されている越前海岸は、敦賀の杉津から東尋坊にいたる海岸線の総称で、真ん中の越前岬を頂点に、緩い「く」の字を描くように日本海にせり出している。
この地域の魅力は、なんと云っても海鮮だ。とりわけ冬に水揚げされるズワイガニは有名で、地元では「越前がに」と呼んでブランド化している。
写真は「道の駅 越前」の真向かいに建つ「越前がにミュージアム」。公式サイトを見ると、この施設も道の駅の一部のようだ。
海岸から「越前がに」が生息している海底300メートルまでを、3層の吹き抜けで見せる「パノラマ劇場」は圧巻。
また、実際の「かに漁船」の操作を忠実に再現したシミュレーターゲームの「かに漁チャレンジ」など、大人もけっこう楽しめる構成になっている。入場料は500円、詳細はオフィシャルサイトで。
さて。肝心の「越前がに」だが、1パイ3万円というのはさすがに高い。
カニの値段は年によっても違うが、水揚げ高にも左右される。数値は平成24年度のものなので少し古いが、ズワイガニの水揚げ高を比較すると、兵庫県の1,373トンに対して、福井県は503トン。パーセンテージで見ると、わずか36.6%にしか満たない。
漁場はさほど離れていないので、水揚げ高は変わっても、この比率はさほど変動はしないと思う。それを考えると、カニが目当てなら兵庫県の「但馬海岸」を目指すほうが「いい思い」ができそうだ。
越前海岸では、カニ以外にもおいしい海鮮が手に入る。
例えば錦織圭が好きな「のどぐろ」は、山陰よりもはるかに安い。
また、エビなら車中泊でも食べられる。
「道の駅 越前」の施設
越前海岸に沿って走る、国道305号沿いの「道の駅 越前」は、2014年11月に「アクティブハウス越前・露天風呂漁火」をリニューアルし、道の駅に登録された転用施設で、日帰り温泉が併設されているため人気は高い。

出典:道の駅 越前
駐車場は大きく5ヶ所に分かれている。
メインになるのは温泉施設を挟んだ両側の駐車場だが、ここにはトイレがない。
24時間使えるトイレは、国道を挟んだ向かいの「越前がにミュージアム」の駐車場にある。この駐車場も道の駅の一部なので24時間開いており、車中泊をすることは可能だが、出入りが多く落ち着かないかもしれない。
多少傾斜があるものの、広々としていて落ち着けるのは「アクティブハウス越前」の横にある駐車場だ。ただしここには大型車も停まる。
さて。「道の駅 越前」で絶対的な人気を誇るのは、一階にある海鮮食堂の「かねいち」だ。
人気ナンバーワンの日替わりお刺身定食は1500円。ほかにも、さわら定食1000円、海鮮丼1500円など、旬の地魚がリーズナブルに味わえる。
なお、カニのシーズンは「越前がにミュージアム」の隣の市場に、新鮮な「越前がに」が並ぶ。
最後は可燃物のゴミ箱についてだが、取材に訪れた日はイベントをやっていたため、人が多すぎて確認することができなかった。
「道の駅 越前」の車中泊好適度
道の駅 越前 オフィシャルサイト
「道の駅 越前」の温泉
越前温泉 露天風呂「漁火」
大人520円
11時~22時(土日祝は10時~)・火曜定休
「道の駅 越前」周辺の買物施設
コンビニ
300メートルのところにファミリーマートがある。
スーパーマーケット
約9キロ離れたところに「バロー織田店」がある。
なお、魚介類は450メートルほどのろころにある「まるさんビーチマート」でも手に入る。前述の「のどぐろ」やエビ類はここで購入している。