「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
「崎の湯」に勝るとも劣らない泉質とシャワー&内湯を持つ日帰り温泉施設
「長生の湯」は、大海原が見える磯の「崎の湯」とは対照的に、木をふんだんに使った古い木造家屋の庭に露天風呂がある、民間経営の日帰り温泉施設だ。
紅葉すると、もはや「えもいわれぬ極楽気分」(笑)。
長湯がしたくなるのも無理はない。
公式サイトによれば、昭和の時代に存在した「古賀湯」が枯渇により閉鎖に追い込まれ、その後数十年の時を経て、同地に長生の湯と言う名で、新たな湯処として再出発を始めたという。
建物は昭和の初期から使われていた木造倉庫の骨組みを、今もそのまま使用しているそうだ。
長生の湯は2つの源泉から引湯をしており、夏期には比較的温度の低い東谷源泉(約60度)を使い、冬期は高温の長生源泉(約78度)を使っているとのこと。
メインの長生源泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩化物泉で、pH値は7.6、メタケイ酸の含有量は111.3ミリグラム。
弱アルカリ性の源泉には「崎の湯」を凌ぐ美肌成分のメタケイ酸が含まれており、抜群のヌルツル感を発している。
内風呂にはシャワーとシャンプー・ボディーソープが用意されている。
これで入浴料700円は許容範囲内で、リピーターが多いのも頷ける。
ただ「長生の湯」の難点は、出入りのしずらさにある。
施設は思ったより小さく、ブロック塀で囲われているので道路からは見落としやすい。さらに敷地への侵入口も狭いので、ハイエースクラスの車両は隣の「めん吉」側の入口から入る方が無難だ。
「めん吉」では、醤油豚骨ベースの「和歌山ラーメン」が700円で食べられる。
ただ「市内有名店の和歌山ラーメン」とはかなり差があり、観光地のそれというイメージは拭えない。
〒649-2211和歌山県西牟婁郡白浜町2763
☎ 0739-42-3010
【施設概要】
- 所在温泉地 :白浜温泉
- 業態 :日帰り温泉施設
- 泉質 :炭酸水素塩泉
- お湯:源泉かけ流し
- お風呂:内湯男女各1、露天風呂男女各1
- 休憩スペース :あり(有料)
- 飲食施設:あり
- 駐車場 :あり(約20台・無料)
- シャンプー・石鹸等:あり(無料)
- ドライヤー:あり(無料)
【利用データ】
- 営業期間:通年
- 営業時間:10時~22時30分(閉館22時)
- 定休日:水曜(祝日の場合は翌日休、夏休み期間は無休、GW・年始は営業)
- 入浴料:大人700円
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