「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

「星ヶ丘山荘(旧関晴館)」は、昭和元年創業の老舗温泉旅館
尻焼温泉は、川底から温泉が湧き出る長笹沢川(ながざささわがわ)を堰き止めて作った、巨大な天然露天風呂「川の湯」で有名だ。
しかし筆者が訪ねた時は、数日前の大雨による増水が引いておらず、「川の湯」は閉鎖されていた。
「川の湯」は、湧き出るお湯で温められた石に腰を下ろして、痔を治したことがその名の由来といわれているが、そのため本当にそれで治るかどうかを確かめることはできなかった(笑)。
ただ若い人はともかく、中高年にとってプールのような「川の湯」は、入湯しなくてもちょっと立ち寄って見るだけで満足できる温泉だと思う。
むしろ本命は「川の湯」から2.3分のところにある、昭和元年創業の老舗温泉旅館のほうだろう。
ネットを見ると「関晴館別館」という表示も見受けられるが、それは近くの花敷温泉に本館があったため、日本秘湯を守る会の宿「関晴館別館」と表していた時の名残で、2008年に本館が閉館後「関晴館別館」が「関晴館」に昇格した。
浴室は本館の「離れ」にあり、男女別に用意された内湯と露天風呂には、自然湧出の弱アルカリ性・硫酸塩泉が掛け流しされている。
ここも「草津温泉の仕上げ湯」と云われているが、たしかに応徳・四万・沢渡と比べても遜色のない泉質だと思う。
内湯、露天ともに湯船は広く、雰囲気・ロケーションも申し分ない。
無料の「川の湯」が「適度な目隠し」になっていることで、尻焼温泉を訪れる観光客に、その存在が気づかれにくいのは、温泉ファンにすれば喜ばしいことなのだろうだが、逆に旅館経営は難しかったのかもしれない。
しかし今はネットの時代。いいものは必ず世に知れ渡る。
泉質 :カルシウム・ナトリウム硫酸塩塩化物泉
お湯:源泉かけ流し
お風呂:内湯男女各1、露天風呂男女各1
休憩スペース :なし
飲食施設:なし
駐車場 :あり(約20台・無料)
シャンプー・石鹸等:あり(無料)
ドライヤー:あり(無料)
星ヶ丘山荘(旧関晴館)
〒377-1701群馬県吾妻郡中之条町大字入山1539
☎0279-95-5121
草津温泉 車中泊旅行ガイド

