この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

RVパーク那須塩原エヅリンは、「これぞRVパーク」という見本
筆者はこれまで何軒かのRVパークに泊まったことがある。しかし「泊まろうと思って行ってはみたが… やめた数のほうが圧倒的に多い(笑)。
といえば、たぶんモニターの向こうで頷いてくれる人もいるのでは…(笑)。

さて。筆者が「RVパーク那須塩原エヅリン」を訪ねたのは、2017年の10月。
この時は秋雨前線が日本列島の太平洋側に停滞したため、まさに「とことん雨に祟られた」取材となった。
取材地を当初の南東北~北関東ではなく、晴れ間がなくても、なんとかできる日光と那須塩原温泉に切り替え、4日間電源なしで耐えたのだが、ついにサブバッテリーの電圧がリミットまでダウン。
そうなると、もはやクルマの中では仕事ができなくなる。
そこで塩原グリーンビレッジまで行って、フロントでサイトの空きと料金を確認し、電源サイトに入ろうかどうかと悩んだのだが、その前に様子だけでも聞いてみようと電話をしたのが、半額に近い2500円で電源が使えて泊まれる「RVパーク那須塩原エヅリン」だった。
足を運ぶ決め手となったのは電話の応対。
少し話せば相手の車中泊習熟度は見えてくるが、エヅリンの女性は「素人」ではなかった。
奥に停まっているキャブコンは、オーナーである彼女の旦那様のクルマだ。
エヅリンの本業はクルマ関連ではないが、自社の余った敷地を利用して2016年にRVパークを開設した。
オーナーはかなりの凝り性らしく、自らがキャンピングカーで旅をするだけあって、そのこだわりが施設のあちこちに散りばめられている。
例えば電源。
通常は備え付けられた電源ボックスの中にあるコンセントに、クルマのコードをさすわけだが、ここは上記のような防水対策が施された長いコンセントコードが用意されている。
そのメリットは、コンセント位置を気にすることなくクルマの配置が行えることだ。コンセント側のコードが長いため、ユーザーは延長コードを使うことなく電源を得られる。
我々はキャンプ場を利用するので、常に10メートルの延長コードを持参しているが、道の駅中心の人はそのような備えがない場合が多い。
しかも電源使用料金は1日500円。これが常識と呼べる数字だ。
その他の設備は、水洗トイレ・シャワー・簡素ではあるが水場・そしてゴミ箱。いずれも屋外にあるので、気兼ねなく使える。
そのうえ冷暖房が効いた事務所を、夜間の「談話室」として開放しているのだから驚きだ。リピーターが多いというのも頷ける。
だが、筆者がいちばん驚いたサービスは別にあった。
なんと、この事務所では出張マッサージが受けられる。
オーナー夫婦・ご用達ということで、早々に筆者も施術を受けたが、平山氏の腕前は「本物」。
自宅にいるときは週一で、さらに旅先でも「りらくる」を探してマッサージに通う筆者も、すっかり彼のファンに陥ってしまった(笑)。
最後は立地についてだが、名前に「那須塩原」とついているが、実際は大田原にあるので、塩原温泉までは20キロ近く離れているし、那須高原には高速道路を使うほうがいい。
いっぽう「日本三大美肌の湯」のひとつに名前があがる喜連川温泉には、30分ほどで行ける。
写真の「早乙女温泉」は、温泉ファンにはよく知られた名湯だ。
RVパーク那須塩原エヅリン
☎0287-47-5671
〒329-2732 栃木県那須塩原市一区町281-191