「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
塩原温泉郷は、多彩な車中泊スポットに恵まれたクルマ旅の温泉めぐりに適した湯の郷
「塩原温泉郷」は箒川沿いに長く延びた温泉地で、数日間滞在して全域を周りたいなら、車中泊地を替えるほうが便利で無難だ。
幸いにも車中泊客専用の宿泊システムを備えた、高規格オートキャンプ場の「塩原グリーンビレッジ」を筆頭に、RVパークの「那須塩原エヅリン」、3つの個性が異なる道の駅、さらにトイレがある複数の無料の観光駐車場まで、「塩原温泉郷」には多彩な車中泊スポットが点在しており、旅行者各自の都合に応じた選択をすることができる。
塩原温泉郷の車中泊スポット【目次】
ここからは「旅行者のニーズ」別に車中泊スポットを紹介していこう。
1.前泊に適した車中泊スポット
金曜日の帰宅後に自宅を出て、翌日の朝から「塩原温泉郷」をまわりたいという人には、以下の2つの車中泊スポットが適している。


2.塩原温泉郷内の車中泊スポット
複数の温泉地を抱える塩原温泉郷には、高規格オートキャンプ場と、車中泊ができる無料の観光駐車場が同居している。
2-1.塩原グリーンビレッジ
電源が欲しい、あるいは「間違いなく安心して車中泊ができるところ」を希望する旅人には、老舗の高規格オートキャンプ場「塩原グリーンビレッジ」での滞在がお勧めだ。

2-2.無料の車中泊スポット
「塩原温泉郷」内には幾多の無料駐車場が点在するが、ここではその中から4つの無料駐車場をピックアップして紹介する。
ただしいずれも、車中泊を禁止してはいないものの、公認というわけではないので、無理はしないほうがいい。
2-2-1.塩原温泉交流広場 無料駐車場
「塩原温泉郷」内にある無料の車中泊スポットで、もっとも利便性が高いのは、『訪ねる前に知っておきたい、塩原温泉郷の「楽しみ方」』に記した通り、古町温泉街に近いこの「塩原温泉交流広場」の無料駐車場だろう。
手前にあるのが24時間利用できるトイレで、車中泊には奥まったスペースがお勧めだが、近頃は野猿が出没するようなので、ゴミは必ず車内に保管しよう。
建物の2階に設けられた塩原温泉観光交流室は、日中に無料休憩所として開放される。
もみじの湯に通じる塩原渓谷歩道の入口までは、徒歩約5分。
なによりここは商工会議所の目前なので、長期滞在を目論むようなマナーの悪い車中泊旅行者はたぶん寄り付かない(笑)。
〒329-2921 栃木県那須塩原市塩原675-9
現地電話なし。カーナビ設定時の目印は那須塩原商工会塩原支所(☎0287-32-3767)
2-2-2.源三窟前(栃木県無料駐車場)
「塩原温泉交流広場」の次に古町温泉に近いのが「源三窟」で、入口に「栃木県無料駐車場」と書かれた看板がある。
場所は古町温泉を挟んで「塩原温泉交流広場」とは逆の「元湯温泉」方面だ。
「源三窟」は源頼朝に追われた源氏の落人が隠れ住んでいた「源氏の隠れ岩屋」で、全長約50メートルの天然鍾乳洞は、その史跡に指定されている。
またここは、観光に使われる「トテ馬車」の発着地にもなっている。
2-2-3.塩原温泉ビジターセンター
普通車35台を収容するトイレ付きの無料駐車場で、車中泊はともかく、湯冷ましにも適したお勧めの穴場だ。
場所は古町温泉より下の塩釜温泉エリアで、国道400号から川を挟んだ別の道沿いにある。
なお、ビジターセンターは16時30分に閉館するが、駐車場は引き続き利用ができるようだ。静かさを求めるなら、ここが一番かもしれない。
2-2-4.七ッ岩吊橋(栃木県無料駐車場)
塩原温泉ビジターセンターの近くだが、こちらは国道400号沿いにあるので分かりやすく、場内にトイレと足湯がある。
「七ッ岩吊橋」は箒川に架かる全長87メートルの橋で、「塩原温泉郷」の中の絶景スポットのひとつに挙げられている。
3.那須高原と塩原温泉郷をまわるのに適した車中泊スポット


4.後泊に適した車中泊スポット
