車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年5月現在の日光東照宮周辺の車中泊事情と車中泊スポットに関する情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅日光」頼みはハイリスク。代替えの車中泊スポットを覚えておいて損はない。
日光山内の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.24
2009.12.13
2010.08.22
2011.10.17
2012.10.15
2017.10.12
2018.10.30
2020.08.10
2023.05.25
※日光山内での現地調査は2023年5月が最新になります。
日光東照宮周辺の車中泊事情と車中泊スポット5選まとめ【目次】
日光東照宮周辺の車中泊事情
これは「日光東照宮」に限ったことではないが、「伊勢神宮」や「出雲大社」、さらには「東大寺」や「中尊寺」といった日本のメジャーな寺社仏閣を、ゴールデンウィークや年末年始に参拝する”最善策”は、そこまで歩いて行ける駐車場で車中泊をしてしまうことだ(笑)。
クルマの場合は、往々にしてその駐車場に入庫するのに苦労するからね。
2009年に筆者がクルマで初めて日光を訪ねた当時は、東照宮に隣接し、夜間も利用できるトイレがある、「二荒山神社」の大駐車場で車中泊することができた。
だが現在は、夜間の利用ができなくなっているようだ。
それでも参拝に利用するのに便利なことには変わりなく、覚えておいて損はない。
いっぽうこちらは、オフィシャル駐車場に該当する「東照宮 大駐車場」だが、近くにトイレがあったかどうかは記憶にない。
キャンピングカー以外の車両で車中泊をする際に、鍵を握るのはトイレの有無だ。
ハイエースクラスの広さがあれば、ポータブルトイレを持参することで、その制約から永久的に逃れることも可能だが、あまり一般的な策ではないだろう。
とどのつまり、
多少費用がかかろうとも、頑張ってトイレがある最寄りのコインパーキングを探すか、車中泊の環境が揃った近場の「道の駅」か「サービスエリア」で車中泊をして、翌朝早く現地に向かうか…
車中泊の旅人は、その”二者択一”を迫られるのだが、こと日光山内においては、後者のほうがいいと思う。
その理由は、まずトイレがあって確実に前泊ができる最寄りのコインパーキングが簡単には見つからないこと。
筆者もネットでいろいろ探してみたが、コレという駐車場を探し当てられていない。
それに還暦を過ぎれば、もう面倒臭くてそんなことをやってられない(笑)。
もうひとつは2015年に、待望の「道の駅 日光」ができたこと。やはりこれが大きいといえるだろう。
だが… 手放しで喜べるほど日光は甘くなかった(笑)。
今度はそれを数字で説明しよう。
新型コロナウイルスによるパンデミックが始まる前の、日光東照宮の年間参拝者数は約267万人(2018年)。
もちろん大半は観光バスでやってくる団体客だと思うが、仮に100人にひとりが車中泊客だとすると、その数は2.67万人。
さらに1台のクルマに1.5人が乗っているとすれば、クルマの数は17,800台。
それを365日で割ると、実に1日平均で約49台が「日光山内界隈」で車中泊をしている計算になる。
それに対して「道の駅 日光」の収容台数は、わずか50台ほどしかない。
ということは「道の駅 日光」は毎晩満車という驚くべきデータになるわけだが、これがあながち大袈裟ではないことは、現地に行けば分かると思う。
つまり週末や連休に日光を観光する場合は、あらかじめ代替え車中泊スポットを調べて行かないと、ドツボにハマる可能性があるわけだ。
長い前置きになったが、これでようやくこの記事の”存在価値”がお分かりいただけたと思う。
ここからは、そんな日光山内を観光する際に使える車中泊スポットを、個別に紹介していくとしよう。
道の駅 日光
なんだかんだ云ったところで、日光山内を観光する際のベスト車中泊スポットは、やはりここを置いて他にはあるまい。
シニアのように平日に動ける旅人は、それほど苦労することなく利用できる。
道の駅 うつのみや ろまんちっく村
地元の人には意外かもしれないが、現役世代で道の駅での車中泊に慣れている旅人にお勧めなのは、日帰り温泉を併設し、総駐車台数が1000台を上回る、マンモス級の「道の駅 うつのみや ろまんちっく村」だ。
日光東照宮までは30キロ近く離れているが、有料道路の「日光宇都宮道路」を利用すれば30分ほどで到着できる。
しかも通行料金は通常で420円、ETC割引なら310円とリーズナブル。
早起きがさほど苦手ではない人は、ここから出るほうがいいと思う。
日光口 パーキングエリア
道の駅の次に無難なのは、「日光宇都宮道路」の「日光 口パーキングエリア」だ。
有料道路のPAだが、「東照宮」のある「日光インター」から「道の駅 日光」がある「今市インター」間は、150円の通行料金で利用できる。
写真は今市方面行きの施設で、「東照宮」の参拝後に「道の駅 日光」が満車と予想される場合は、そこまで行く前にこちらを利用することが可能だ。
逆に日光方面行きのPAは、「道の駅 日光」に行ったが満車だった場合に移動するといい。「道の駅 日光」からは5キロ弱で、10分もかからない。
ただしトイレ前の区画は傾斜がきついので、車中泊には写真の手前側がお勧めだ。
なおこのPAには、上下ともに可燃物のゴミ箱がない。
日光だいや川公園オートキャンプ場
日光街道沿いにある公園に併設する高規格オートキャンプ場。
電源サイトがあるので、サブバッテリーの充電が必要な人はここを利用するといい。
区画電源サイトは林間で、広さも十分。管理棟を含めて施設は充実している。
「日光だいや川公園オートキャンプ場」の見逃せないメリットは、予約ができることだろう。
大混雑が予測される紅葉シーズンは、多少費用がかかっても、車中泊地を確保できるオートキャンプ場の存在はありがたい。
なかなか行くことのできない、遠方からの旅行者には特にお勧めだ。
なお電気が要らない人には、料金の安いフリーサイトもある。
長くなるので、詳細は以下で確認を。
だいや川オートキャンプ場 オフィシャルサイト
杉並木公園
日光街道沿いにある公園の無料駐車場で、東武日光線・上今市駅の近くにある。
ここはたしかに「穴場」だが、それだけに驚くようなマナーの車中泊旅行者に出会っても筆者は知らない(笑)。
幹線道路に面しているので静かではなさそうだが、ここには他にはない魅力がある。
「杉並木公園」は日光杉並木街道の保護と、地域の文化継承のために整備された公園で、駐車場の裏には写真のような杉並木が通っているが、自動車は通れず、「日光だいや川公園」と通じている。
朝ペットを連れて散歩がしたい人には、なかなか良さそうなロケーションだ。
ただしトイレは老朽化しており、キレイとはいえない。
参考までに奥日光の車中泊情報も掲載しておこう。
こちらはもっと詳しいで!(爆)