車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 ビーナスライン蓼科(たてしな)湖」の産直売り場とレストランは取り壊わされ、隣に日帰り温泉を持つ「蓼科BASE」がオープン。
以下で紹介している「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の直売所はすでに取り壊され、更地になっている。
理由は建築基準法で定められた建築確認申請をしないまま設置されていたことにあったようだが、道の駅自体がなくなったわけではなく、駐車場とトイレ、さらにはキッチンカーなどはそのまま利用できるので、車中泊に影響はない。
道の駅 ビーナスライン蓼科湖 DATA
道の駅 ビーナスライン蓼科湖
※公式サイトなし
〒391-0301
長野県茅野市北山4035番地2906
☎0266-67-2222
営業時間
24時間(テナント除く)
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第52回
登録日/2020年3月13日
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2020.08.11
2021.06.24
2024.07.20
※「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」での現地調査は2024年7月が直近です。
道の駅 ビーナスライン蓼科湖
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の
最寄りの温泉と周辺買い物施設
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」のロケーション
長野県茅野市にある「蓼科高原」は、北に蓼科山、東に八ヶ岳を望む古くからの避暑地で、特に「ビーナスライン」が通る「蓼科湖」の周辺は、リゾートホテルとオートキャンプ場、そして何より多くの別荘が集まるエリアとして有名だ。
若者相手のリゾート化に拍車がかかり、もはや世俗化してしまった感のある「白樺湖」界隈に比べると、「蓼科高原」にはまだ信州らしさが感じられるネイチャーフィールドが残されている。
周囲をカラマツや白樺の林に囲まれた「蓼科湖」は、外周約1キロの人造湖で、標高は1250メートル。
湖畔はアップダウンがなく、自転車で周るにはちょうどいい。
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の施設
隣接する「蓼科湖」の湖畔に、「いったいどこまでが道の駅なの?」と思うほど広大な敷地を有する「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」は、実は以前からあった観光施設の「蓼科湖レジャーランド」を、一部改修することで道の駅の認可を受け、構想から約10年を経た2020年7月に、ようやくオープンを迎えている。
そのせいか、場内に大きな建物はなく、爽やかな信州らしくオープンエアな雰囲気を醸し出している。
察するところ、「蓼科湖レジャーランド」で既得権を持つ古くからの飲食店との兼ね合いだと思われるが、道の駅の飲食はキッチンカーのピザと、道の駅が力を入れている「蓼科アイス」のみ。
オープン当初はその隣に、小さな直売所と土産品を並べた売店があったが、冒頭で記したとおり、現在は取り壊されて更地になっている。
ここではその後の変遷が分かるよう、記録を残している。
2021年6月
2020年8月以来10ヶ月ぶりに訪ねて見ると、テントだった売店は立派な建物に姿を変えていた。
加えて飲食ブースもできている。
だがこれが建築法違反にひっかかり、結局取り壊しになった。
2024年7月
取り壊された場所はフローリングされて、休憩スペースのようになっていた。
ただ以前に比べるとかなり殺風景で、いずれ再利用されるのかもしれない。
ちなみにこちらが道の駅から歩いてすぐのところにある、以前からこの地にあったと思われる土産屋と食事処だ。
2024年現在はここが、日帰り温泉を持つ「蓼科BASE(ベース)」に代わっている。
こちらが正面玄関。
中にはインフォメーションがあり、観光案内もしてくれる。
もちろん食事も可能だ。
「蓼科BASE(ベース)」は民間施設だが、事実上はここが「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の駅舎的な位置づけになっている。
いっぽうこの建物は、「蓼科BASE(ベース)」と道の駅の駐車場を挟んだ逆サイドにある24時間トイレと休憩展望室。
トイレはいうまでもなくウォシュレット。
Wi-fiが完備された休憩展望室。
しかし中は申し訳程度に座れるカウンター席と、わずかばかりの観光パンフレットが置かれているだけで、休憩室と呼ぶにはあまりに「おそまつ君」。
そのうえ24時間トイレなのに、夜間になるとこの表示が!
実際は横の小さな扉から夜間も出入りはできるのだが、意味が分からない。
しかも利用した日はウォシュレットが故障しているなど、外観は新しいとはいえその運用体制には今でも相当疑問が残った。
そもそも道の駅で、インフォメーションどころか駅舎すらないというのが信じられない。ゆえに故障を伝える相手も場所も分からないのだから、いったい何時から壊れていたのか… それさえも分からない。
聞くところによると市の財政は火の車で、”第二の夕張”とまで噂される始末だ。
「蓼科BASE(ベース)」が隣にできただけに、そのお粗末さがよりいっそう浮き彫りになっているが、もし「蓼科BASE(ベース)」ができてなければ、もはやここは”死に体”に等しい。
加えて、白樺湖を抱える茅野市には、どうもキャンピングカーが好きになれない人がいるようで(笑)、「すずらんの湯」横の無料駐車場のみならず、「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」がオープンした当初は、驚いたことにキャンピングカーによる車中泊を禁止していた。
さすがにそれは”明らかな差別”なのですぐに訂正されたが、担当責任者の「性根」まで変わったとは思えない。
観光資源を持たない市町村からみれば、ここは”宝の持ち腐れ”の典型だが、幸いにも民間には観光をよく理解している人たちが残っている。
上の写真は、開業当時の道路を挟んだところにあった第2駐車場。
現在はここに地ビール直売店の「8Peaks」ができているため、駐車場としては利用できなくなっている。
見方によっては、おかげで混雑時に利用客があぶれるともいえるが、そもそも「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」に商業施設はないに等しく、本来であればトイレ休憩と風景写真を撮れば足早に人は立ち去るため、回転は早いはずだ。
いくら道の駅でも生産性からすれば、湖岸の日陰で”休憩の範疇を超えて”ゆうゆうと客を遊ばせるだけになっている場所に、これだけの駐車台数を用意するほうがどうかしている。
さらに云えば、こんな状況を許しているから「長期滞在者」から好まれる。
我々のような「旅の宿」として道の駅を利用しているものからすれば、”自業自得”と云わざるを得ない。
そもそも道の駅ができた経緯からして、蓼科に観光客の増加を期待するのであれば、キャンピングカーを含む車中泊旅行者を毛嫌いするのではなく、逆にRVパークを誘致するなどして、呼び込んだほうがいいのは当然だ。
日帰りで素通りするだけの客は温泉にも行かないし、食事をするにしてもランチだけだが、車中泊をすれば3食が必要になり、コンビニも潤う。
てなことを書いているうちに、瞬く間に蓼科エリアにRVパークができ、もう外堀は埋められてしまった(笑)。
こうなると今さらRVパークを誘致すれば、揉める要因になるだけだろう。
いずれにしても
持て余していた土地が、「8Peaks」のおかげで多少は利用価値が高まったと思う。
とりわけ筆者には、この地産地消の「ココイラ・エール」が美味かった。
しかし道の駅の駐車場で「地ビール」を売れば、普通はそこで飲むよね(爆)。
さて。
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」の施設で、一番良いと感じたのは駐車場だ。
ただ残念なことに、トイレに近いエリアには若干の傾斜がある。
また湖畔に近い昔からある店の前にも、未舗装の駐車場が残されている。
なお
「蓼科湖」の対岸には、かつて筆者も利用したことがある「蓼(だて)の花オートキャンプ場」があるが、当時は電源設備がなかった。
2020年8月にも、公式サイト及び利用者のレポートをネットで調べてみたが、電源はやはり今もないらしい。
それを考えれば、RVパークで10台くらいの区画を設けても採算は合うと思う。
そう思っていたら案の定、「蓼の花オートキャンプ場」の隣に、「TINY GARDEN(タイニーガーデン) 蓼科」という電源付きの「今どきオートキャンプ場」ができていた。
2019年9月にオープンしていたらしいが、前回はここまで足を運んでいなかったために見落としていた。
ただアパレル会社が経営する施設だけに、グランピング的な雰囲気で、オシャレ感を全面に打ち出している。
ゆえにここでの車中泊は浮くだろうし、たぶん中高年は落ち着かない(笑)。
そのあたりは公式サイトでご判断を。
最後に、満車時に備えて近場で車中泊ができる場所を紹介しておこう。
最寄りでは「北八ヶ岳ロープウェイ」の無料駐車場で車中泊が可能だ。
なお同じビーナスラインでも、人気があるのは視界が開けて八ヶ岳から北アルプスの山並みと富士山までもが見渡せる、「車山」から「霧ヶ峰」の周辺だ。
その「霧ヶ峰」にも、無料で車中泊ができる場所がある。
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機横に設置
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」 最寄りの温泉&周辺買い物施設
一番近いのは、2023年4月にオープンした「蓼科BASE」の中にある日帰り温泉
おとな800円
11時~19時(受付最終18時30分)
水曜・木曜 定休
蓼科温泉 小斉の湯
道の駅から約1キロ。近くに蓼科温泉共同浴場もあるが、露天風呂のあるこちらがオススメだ。しかも「蓼科BASE」には、100円割引券がおいてある。
☎0266-67-2121
大人700円
8時~22時(閉館)・無休
コンビニ
100メートルほどのところに、ヤマザキYショップがある。
スーパーマーケット
大きな店は、約10キロ離れたザ・ビッグ茅野店になる。
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」のアクセスマップ
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