この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

車中泊クルマ旅で云う「日光」には、「奥日光」も含まれる。
一般的には日光=東照宮、もう少し拡大すると日光山内にある世界遺産の二社一寺を指して云うことが多いのだが、それはバスや電車で日光を訪れる人の話であって、広範囲を自由に動きまわることができるクルマ旅の場合、そこには中禅寺湖や湯ノ湖のある「奥日光」も含まれる。
初めて日光を旅する際には、まずはこの2つのエリアの概要を把握し、見どころと交通事情・車中泊事情、そして自分の旅行スタイルにマッチする車中泊スポットを確認しよう。
日光にリゾートホテル・旅館・民宿・ビジネスホテルがあるのと同じく、クルマ旅でも道の駅だけが車中泊スポットじゃない。
少しの予備知識があるだけで、車中泊の旅は劇的に変わる。
「日光」は北関東・甲信越・東北に通じる、車中泊クルマ旅の「発着地」に最適。
首都圏在住の現役世代なら、ゴールデンウィークや夏休みのようにまとめて休暇が取れる時、いっぽう東海・関西方面からは、自由な時間が得やすいシニア世代にお勧めしたいのが、「日光」を発着地にするロードツアーだ。
まず、近場では同じ栃木県の温泉地「那須塩原」が近く、両者は「日塩もみじライン」と呼ばれる有料の観光道路で結ばれている。
また「日光」は、「日本ロマンチック街道」と名付けられた、関東・甲信越の温泉観光地を結ぶ一般道観光ルートの、スタート地点に位置づけられている。
この街道を辿っていけば、ゴールの長野県・上田市まで10日間近い旅が楽しめるはずだ。
そして最後は旧会津西街道(国道121号)を通って、会津若松から喜多方、米沢へと北上するコース。
このコースはさらに、山形県の天童・尾花沢を抜け、秋田県の横手・角館から岩手県の八幡平、そして最後は青森県の奥入瀬渓流から八甲田山へと通じる、国道主体の「東北中央ルート」へと発展させることが可能だ。
そうなるといよいよ1ヶ月、さらに下北半島まで北上して北海道に渡れば、2ヶ月・3ヶ月の旅へと夢が膨らむ。
これが本当の車中泊クルマ旅の醍醐味だ。
もちろん書く以上、筆者はすべてのルートを旅しているが、シニア世代には桜前線を北上して紅葉前線を下って帰る人もいる。
同じ始めるなら、このくらいのスケールを夢みてやろう。
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