日光東照宮 大人の見どころガイド

日光東照宮
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
「日本クルマ旅先100選」 ~テーマはディスカヴァー・ジャパン~
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年9月現在の「日本クルマ旅先100選」をご紹介。

「日光東照宮」は徳川家が築いた願望の社。そこにとってつけたようなパワースポットの話はそぐわない。

日光東照宮

「日光東照宮」創建のあらまし

「日光東照宮」は、徳川家康を神格化した東照大権現を祀る神社だが、もともと日光には源義朝による日光山造営に端を発する、歴代政治権力を通じて東国の宗教的権威を担ってきた輝かしい歴史があった。

徳川家康

「大坂の陣」に勝利したあと、大御所として駿府城に隠居していた家康だが、幕府はまだ「安泰」と呼べる状況ではなかった。

そのため死後は、源義朝と同じ源氏の血を引く自らを、日光に祀ることで神格化し、過去からの権威を受け継ぐ武家の覇者としての威信を確固たるものにすることを企んでいた。

その意志は遺言にしたためられ、家康が亡くなった翌年の1617年に、二代将軍・秀忠が日光に東照宮を創建したことで引き継がれる。

日光東照宮 陽明門

ただ、日光東照宮」が絢爛豪華な現在の姿に仕立て上げられるのは、江戸幕府に盤石の力が備わった19年後の1636年。

三代将軍・家光が巨額の費用を投じ、尊敬する祖父の「意志」を見事なまでに具現化した。

「日光東照宮」見学のコツは、観る対象を絞って掘り下げること

説明した通り、家光が祖父を神格化し、権威づけることを目的に築かせた「日光東照宮」の境内には、国宝8棟、重要文化財34棟を含む、55棟の社殿が建ち並んでいる。しかもそれらには、何がしかの意味が込められた彫刻物が仕込まれている(笑)。

ゆえにその意味を踏まえて観なければ、面白さにはつながらない。

「るるぶ」や「まっぷる」に代表される旅行誌が、競い合うようにページを割き、ネットで検索すれば実に461万件もの関連ページがヒットするのは、そういう背景があるからにほかならない。

しかし中高年には体力に限りがあり、それをすべて観ようとすれば、たぶん面白さを通り越して苦痛になる(笑)。

日光東照宮

そのためには、無視したって構わないものを最初から省く必要がある。つまり本当に観る価値のあるところだけを、理由とともに教えてもらうのが一番いい。

その意味では、何でもかんでも紹介したがるガイドは「眉唾」だ。裏返せば書き手は、「本当はその場所のことを上辺だけしか知らない」のかもしれない。

厄介なことに、インターネットにはそういう人の記事も無作為に表示されている。なぜなら彼らは、グーグルの検索表示順位を決定づける「アルゴリズム」が、見出しや文字数の多いサイトを高く評価することを知っているからで、いわゆるネタになる話があれば、片っ端から拾いたがる(笑)。

日光東照宮 叶杉

例えば、この写真はよくパワースポットと紹介されている「叶杉」で、家康が祀られている奥宮御宝塔の敷地内にある。

家康の企みが成就したことにあやかる意味でそうなったのかもしれないが、天下人の企みは凡人とはずいぶんスケールが違うし、そもそも「日光東照宮」は権威を見せつけるための施設で、訪れる人の心を救済する寺社仏閣とは根本的に違うはずだ。風水でもそこまで「下世話なこじつけ」はしない(笑)。

どのくらいバカバカしかがわかる記事も、ついでにリンクしておこう(笑)。

「日光東照宮」の見学には、公式ガイドの活用がお勧め。

日光東照宮 音声ガイド

そんなわけでスマートに「日光東照宮」を見学するには、「余計な思惑」が含まれていない、表門前の単独拝観券発行所でレンタルできる「音声ガイド機」を利用するのがお勧めだ。

日光東照宮 音声ガイド

1台500円の音声ガイド機はイヤホン付きのペン型で、専用パンフレットの写真にペン先を当てると音声が流れる。

「日光東照宮」で本当に見落としたくないポイントはココ!

日光東照宮 

ここからは「日光東照宮」を紹介している、どの旅行誌やウェブページにも書かれている話になると思うので、既にほかで勉強されてきた人には割愛してもらっても構わない。

できて400年にもなる「日光東照宮」に、いまさら筆者しか知らない話が残されているはずがない(笑)。

日光東照宮

と前置きしたところで、正門から順を追って筆者流に紹介していくとしよう。

五重塔の心柱

日光東照宮 五重塔

「一の鳥居」をくぐってすぐ左に建っているのが、重要文化財に指定されている高さ36メートルの五重塔。一階の軒下には江戸時代の名工「後藤正秀」が手がけた十二支の彫刻が飾られ、ちょっとミステリアスな順番に並んでいる。

ただ、ここにはそれよりもっと興味をそそるものがある。

日光東照宮 五重塔

それは上から吊り下げられ、浮いている状態の「心柱」だ。

重みで塔身が縮んだ際に、心柱が五重の屋根を突き抜けてしまわないよう考え出された工法で、免震機能も併せ持つ。

東日本大震災の折に無傷だったことで脚光を浴びたが、実はこの五重塔の免震機能は、東京スカイツリーの制振システム(心柱制振)にも応用されている。

日光東照宮 心柱

拝観料を支払えば、床下から浮いている「心柱」を柵越しに観ることができる。

上神庫(かみじんこ)の「想像の象」

日光東照宮 上神庫

「上神庫」は奈良の東大寺・正倉院で有名な「校倉造り」で、祭事の道具や御神宝を収納している「三神庫」のひとつ。

ここでの見どころは構造や収蔵品ではなく、側面の外壁に飾られた象の彫刻だ。

日光東照宮 想像の象

鎖国していた当時の日本には、当たり前だが「本物の象」はいなかった。

そのため下絵を任された狩野派の巨匠・狩野探幽は、イメージを膨らませて2頭の象を描いたという。

実物よりずっとカッコいい「想像の象」は、このあと紹介する「三猿」「眠り猫」とともに、日光東照宮が誇る「三大彫刻」のひとつに挙げられている。

神厩舎(しんきゅうしゃ)の三猿

日光東照宮 神厩舎

神厩舎とは神馬をつなぐための厩(うまや)で、創建当時は関ヶ原の戦いで家康を乗せた白馬がここにいた。

日光東照宮 三猿 改修前

神厩舎で有名なのは、「見ざる、聞かざる、言わざる」を描いた「三猿」と呼ばれるこの彫刻。

厩舎に猿の彫刻が施されているのは、猿は馬の健康を守るという伝承によるもので、ここだけに限ったものではないようだが、「日光東照宮」では猿をモチーフにした人の一生が、「8面16匹の猿」で表現されており、そのうちの第2面が「三猿」にあたる。

「三猿」は人生の中の幼少期にあたる作品で、「子供には悪いことを見させない、聞かせない、言わせない」、そして良い物だけを吸収して素直に育って欲しいと言う想いが込められているそうだ。

ちなみに上は、2017年に完了した「平成の大修理」前に撮影した「三猿」の写真。

日光東照宮 三猿

現在はご覧の通り、色鮮やかな創建当時の姿を見ることができる。

本地堂(薬師堂)の鳴龍

日光東照宮 本地堂

鳴龍が棲むという、「日光東照宮」最大の重要文化財。

この天井に描かれた漫画チックな龍の真下で拍子木を打つと、鈴の音の余韻に似た響きが聞こえる。

実は「鳴龍」は宗教的儀式から生まれたのではなく、天井に住み着いたハトを追い出そうとして、手をたたいた際に気づいた「偶然の産物」らしい。確かに他の禅宗寺院では、あまりそういうことをやってない。

陽明門

日光東照宮 陽明門

「日光東照宮」のランドマークと呼ぶに相応しい、国宝の「陽明門」。

刻まれた彫刻が素晴らしく、「日が暮れるまで見ていても飽きない」ことから、家光が「日暮らしの門」と呼んだ話は有名だ。

こちらも2017年に修理を終え、往年の輝きを取り戻している。

日光東照宮 陽明門

ダイナミックに宙を舞う姿を描いた「目貫きの竜」。その下には、子供たちが遊ぶ姿を20もの彫刻で現した「唐子遊び」が描かれている。

日光東照宮 陽明門

大きく張り出した軒を支えているのは、斗栱(ときょう)組みと呼ばれる建築技法で、うまく力を分散し、耐震にも優れた効果を発揮するという。

日光東照宮 魔除けの逆柱

数ある「日光東照宮」のミステリーの中で、特に有名なのが陽明門を支える柱に混じり込んでいる、この「魔除けの逆柱」。

「完成は崩壊の始まり」という教えに基づき、手前の1本だけ「グリ紋」と呼ばれる模様を上下逆に刻むことで、わざと柱を未完成の状態にしたとされる。

唐門

日光東照宮 唐門

重厚感に満ちた唐破風(からはふ)が特徴の、「日光東照宮」の御本社(拝殿・石の間・本殿)を守護する門で、「陽明門」と同じく国宝指定されている。

江戸時代には「御目見得」(おめみえ=将軍に直接お目通りすることができる身分)以上の幕臣、大名だけが通ることのできる門だった。

日光東照宮 唐門

正面に刻まれているのは「舜帝朝見の儀」を現した彫刻。中国伝説上の皇帝・舜帝は、家康が理想とする政治を行っていた人物と云われている。

東回廊にある「眠り猫」

日光東照宮 眠り猫

家康の墓所がある奥社への参道入口、東回廊潜(くぐ)り門の上に掲げられた「日光東照宮」を代表する彫刻で、伝説の職人・左甚五郎の作品と伝承され、国宝にも指定されている。

日光東照宮 眠り猫

「眠り猫」も2016年11月に約60年ぶりの修復を受けているが、修復前と違って目に色が入り、「薄目を開けているように見える当初の作品」に忠実に仕上げられている。

日光東照宮 眠り猫

こちらは修復前の「眠り猫」で、確かに目はしっかりと閉じられている。

なお、姿勢と表情が違って見えるのは「撮影位置の違い」から来ている。すなわち、この作品は観る位置によって見え方が変わるのだ。

日光東照宮

「眠り猫」の裏には、竹林で遊ぶ2羽のスズメが彫られている。

この二対の彫刻は、猫が眠っているから雀は安心できる、つまり生死を賭けた戦の時代が終わり、平和な時代の到来を現す暗示と解釈されている。

奥宮

日光東照宮 奥宮

最後に。

これまで紹介したしたところを観て周るだけでも、1時間はゆうにかかると思う。しかも奥社までは207を数える石段があり、写真の「奥宮御宝塔」に辿り着くには、中高年なら15分近くはかかる。

ここで気になるのは、「家康公は本当にここに眠っているのか?」

実は真相は未だ不明のまま。筆者はたぶん没後に埋葬された駿府に近い「久能山東照宮」に遺骨はあると思うのだが、世の中にはアッと驚く説もある。

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