この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
車中泊をする場所は、「奥入瀬渓流」に出かける時期と目的で使い分ける。
奥入瀬渓流の車中泊事情
かつてはどうだったか知らないが、今の奥入瀬渓流では、決められた場所以外で好き勝手に車中泊をすれば、すぐに警察がすっ飛んでくると思う(笑)。
だが風景写真の愛好家が撮りたいのは、たぶんこんな光景。
誰もいない時間帯にじっくりとアングルを探し、露出を変えながらシャッタースピードをコントロールして、好みの川の流れを創り出す。
これぞまさに、ネイチャーフォトの醍醐味だ。
そして車中泊なら、奥入瀬でもそのチャンスが伺える。
だがハイシーズンになれば、ただの週末ですらこの状況になる今の奥入瀬渓流だけに、近くで車中泊をするには、まず現地の状況を把握し、現在のルールに則した場所を確保するための行動が必要になる。
ではこの先は、いったい誰に向けて書かれているんだ?
奥入瀬渓流の車中泊スポット
実は上で紹介した「石ヶ戸」の無料駐車スペースは、車中泊スポットとしてはちょっとシビアで、普通の観光客やハイカーにはあまりお勧めじゃない。
奥入瀬渓流をハイキングしたいという人にフィットするのは、以下の2つの車中泊スポットになると思う。
奥入瀬渓流館
奥入瀬渓流の石ヶ戸休憩所から約5キロ・5分の好位置にある「奥入瀬渓流館」は、道の駅と似た感じの施設で車中泊に適している。
「焼山駐車場」と紹介している資料もあるようだが、正式名は「奥入瀬渓流館及び湧水館」の駐車場だ。
館内では奥入瀬渓流に関する資料の展示をはじめ、ハイキングマップの提供、電動自転車のレンタル、地元の特産品の販売を行っているほか、隣接する奥入瀬湧水館で製造されている「奥入瀬源流水」でいれたコーヒーも味わえる。
敷地の一画には、自動販売機と24時間使える公衆トイレがある。
こちらは「焼山駐車場」から200メートルほど下流にある「渓流の駅 おいらせ」。ここからバスで奥入瀬渓流を往復できる。
なお、かつては隣接する「奥入瀬渓流ホテル」の温泉が日帰り利用できたが、星野リゾートに代わってからは不可になった。