「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
「いでゆ朝市駐車場」は温泉街から多少遠いが、ウォシュレット付きのトイレがある無料の車中泊スポット。
下呂温泉街には、公営でトイレがある有料と無料の駐車場が混在している。だが近場は、どこもが車中泊には「一長一短」という感じだ。
そこで消去法的観点から、筆者がベストと判断した、下呂温泉合掌村に隣接する「いでゆ朝市駐車場」を詳しく紹介しておこう。
まず本来この駐車場は、その名の通り「朝市」来場者用に設けられたものだ。
朝市は午前8時から正午までしか開かれないので、午後の陽の高い時間帯から駐車していると、周辺の宿や住民の目に「良くは映らない」と思う。
公衆トイレがあるので24時間出入りはできるが、車中泊をするなら、日没後に移動してきたほうが無難だろう。
朝市は、ご覧の通り固定の店舗が毎朝営業をしているだけで、高山のようなテントの屋台は出ない。
ここでは地元特産品のトマトジュースのほかに、ブルーベリージャム、ぶなしめじ、地酒、あかかぶの漬物などが人気のようだが、筆者には右端の木工細工の店が興味深く思えた。
駐車場からは「下呂温泉合掌村」入口への近道が通じているが、けっこうな坂道を歩くことになるので、行くならクルマで移動するほうがいい。
「下呂温泉合掌村」には、「いでゆ朝市駐車場」とは別に2つの専用駐車場がある。
いずれも無料で、「合掌村第2駐車場」は「いでゆ朝市駐車場」とつながっている。
「いでゆ朝市駐車場」の収容台数は20台と少ないため、もし満車なら、そちらで車中泊をしてもトイレまでは歩いて行ける。
ちなみに「いでゆ朝市駐車場」のトイレはウィシュレット付きだが、男女1つづつしかない。
満車になるほど車中泊旅行者が来れば、朝は大混雑するかもしれないが、それはレアケースだろう(笑)。
さて。「いでゆ朝市駐車場」の難点は、下呂温泉の繁華街から少し離れた場所にあることだ。
「林羅山の像」までは約1キロ、行きは下りなのでさほど苦にはならないと思うが、飲食した後に上り坂を20分近く歩くのは、中高年には辛いと思う(笑)。
またけっこうな坂道なので、自転車もここでは「足手まとい」になるだろう。
温泉街で一杯やりたい人にはそれがネックといえるが、できるだけ山の手に近い店を探せば、何とかなるかも…
その店は自分で探してくれたまえ(笑)。