「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

先着記名式なので、開店前なら並ばなくてもOK。
「予約不可」の行列ができる回転寿司店「亀正(かめしょう)」は、別府のメインストリートで、通称「やまなみハイウェイ」の名前で親しまれている国道11号沿いの、鉄輪温泉街からほど近い場所にある。
クルマなら山に向かって右側、目印はオートバックスだ。
亀正のシステム
これは午前11時の開店直前の風景で、集まっているのは、既に名簿に名前を記入済で、スタッフから順番に呼ばれるのを待つ人たち。早い話が「病院」と同じシステムだ。
ゆえに朝は列をなしていないのだが、営業が始まると長蛇の列ができる。
確かに名前を書いておけば、開店前なら「並んで待つ必要」はないのだが、店を離れると駐車場がなくなる(笑)。
そんなわけで筆者は、9時半に名前を書きに訪ね、そのまま11時の開店時間まで駐車場に停めたクルマの中で過ごしたのだが、それでもなんと10番目だった。
過去の経験上、そのくらい気合を入れていかないと、ここの寿司は食べられないことはわかっていた。
そして、その理由はスグにわかる。
亀正の寿司
その人気の源がこちら。
写真はプリップリの「関あじ」の握りで、2貫一皿400円。
こちらは「関さば」で、値段は同じく2貫一皿400円。
コスパ的には「海鮮いづつ」と変わらないようにも感じるが、定食と違って希少な食材を、両方を食べたい分だけ味わえるというのは、食の細い中高年には何よりもありがたい。
ただし数に限りがあるため、週末はだいたい午前中で売り切れるという。
そのうえネタは分厚く、一度ネタだけ半分食べて、次にシャリと一緒に食べるくらいでちょうどいい(笑)。
写真は中トロ。こちらも2貫一皿400円。
面白いことに… 回転寿司屋なのに「亀正」のターンテーブルには、寿司がまったく周っていない(笑)。
これは筆者が訪ねた時が、新型コロナウイルス騒動の最中であったことも関係しているのだろうが、それよりも注文が多すぎて、朝は手が回らないというのが実情だと思う。
ちなみに、注文は紙にまとめて書いてスタッフに渡す。
メニューは2貫一皿130円から揃っており、筆者たちは夫婦で6000円ほど支払って店を出た。
感想としては、ネタの鮮度と値段は評判通り上々だと思う。ただし中高年にはネタが大きすぎ、正直云って、うまいと感じる以前に食べ辛い。
またシャリは甘めの味付けで、関西人の口にはどうかとも思った。つまり「寿司」としての評価はさほどでは?というのが筆者の本音だ。
その意味では、量と値段を重んじる若者に支持される店。まさに「食べログ」の評判通りであった。
亀正の駐車場
店の前と横の専用駐車場に、20台ほど停められるが、もちろんここだけでは足りない。
そこで少し離れた場所に「臨時駐車場」を用意している。
だが、問題はその告知方法だ。
写真のパネルは、店の玄関横に取り付けられているのだが、クルマの運転席からは確認しづらく、筆者が見ているだけでも「満車」と諦めて店を離れていったクルマが何台もあった。
そうなる最大の原因は、未だに公式サイトがないことに尽きると思う。ホームページ上に地図を載せるだけで、多くの人が救われるだけに残念な話だね。