車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、屋台でお馴染みの博多の車中泊事情と車中泊スポットに関する情報です。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊グルメガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地のソウルフードの素材・レシピ・老舗・行列店等を紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
夜の博多の風物詩「屋台飲み」を、車中泊で満喫する。

博多の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2014.01.22
2017.12.30
2021.12.25
※博多での現地調査は2021年12月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年1月に更新しています。
博多の車中泊事情&車中泊スポット

博多の屋台の今と歴史
ラーメン、おでん、餃子、もつ鍋…
日本で唯一「アジアの屋台都市10 選」に名を連ねる福岡には、2023年1月1日時点で96軒の屋台が営業しており、観光資源としての一翼を担っている。
福岡市内には屋台が集まるエリアが「長浜」を含めて3 ヶ所あるが、店の数からすると「中洲」と「天神」がメインになる。
博多の屋台の歴史
「屋台」とは、終戦直後の各都市部で一気に普及した移動式飲食店のこと。
ご承知の通り、博多には今でも大規模な屋台筋がある。ただ厳密には「あった」というほうが的確だ。
屋台発祥地と言われる博多では、1970年代のピーク時には400軒を超える屋台が並び、街の風物詩として市民や観光客から親しまれていた。
筆者が博多の町を初めて訪ねた1982年には、まだその当時の勢いが感じられたが、その後、衛生面や場所、美観等の問題から規制が強まり、博多の屋台は衰退の道を辿り始めた。
そして1994年、ついに屋台は名義変更・譲渡の禁止を宣告される。
これにより、屋台営業は「一代限り」となったため、経営者の高齢化によって暖簾を下ろさざるを得ない廃業屋台が相次いだ。
またこの規制では、新規参入も不可能なため、屋台は軒数が減ることはあっても増えることのない状況が10年以上続いた。
しかし、2011年に髙島市長が「屋台を残したい。あり方を検討したい。」と表明したことで、風向きは一転。今度は屋台を残す方向への政策方針が明示される。
福岡市は「屋台との共生のあり方研究会」を設置して、市民意識調査を行い、2013年に日本で初めての屋台に関する条例となる「福岡市屋台基本条例」を制定し、屋台を維持するための公募制度を立ち上げた。
2016年に公募場所の環境整備が整うと、2017年には新規公募で選定された約20軒の屋台が営業を開始。
現在は明確なルールのもとで新旧の屋台が営業を行い、かつての賑わいが復活しつつあるという。
屋台を楽しむための3原則
そこで現在の屋台を楽しむために、我々旅行者が守るべきマナーを載せておこう。
なお条例により、屋台の組み立て開始時刻が17時以降と定められているので、ほとんどの屋台の営業は18時過ぎになる。
一人一品は注文するのが暗黙のマナー
最低でも飲み物を1 杯、食べ物を1 品注文するのが、屋台における暗黙のマナーとされている。
滞在の目安は1 時間
席について1 時間が経つ頃に、外に並んで待っている人がいる時は、お会計を済ませて次の屋台へ移動しよう。
ただ空席がある場合は、無理して退散する必要はないそうだ。
手荷物はなるべく少なく
屋台には基本的に荷物を置く場所がないので、ジャケット類もかさばるコートなどは避け、身軽な状態で出かけよう。
博多の車中泊事情
博多の繁華街では、土地勘がないと昼も夜もクルマは「足手まとい」になる。
立体駐車場に入れないキャンピングカーはなおさら厄介なので、郊外にある平面のコインパーキングに停めて、そこから地下鉄と徒歩を利用するほうが無難だ。
それなら、ビジネスホテルを利用しては?
確かに天神駅の周辺には低料金で泊まれるビジネスホテルが充実しており、駐車場代に入浴代と翌日の朝食代を加算すると、車中泊と大差はない。
ただしキャンピングカーは例外だ。
天神周辺では車高2.4メートル以上のクルマが置ける駐車場はまず見つからない。
つまり契約駐車場があるホテルに泊まったところで、どのみち駐車場で困ることになってしまう。
博多の車中泊スポット
それゆえに、博多での車中泊は難しいと云われてきたのだが、できるところがないわけじゃない。
そこでここでは、屋台が多く集まる「中洲」と「天神」から近い、車中泊に好適なコインパーキングを紹介する。
なお2022年の夏までは、「長浜」にも車中泊に好都合なコインパーキングがあったのだが、周辺の再開発によって現在は閉鎖している。
それ以外では、博多駅の近くに「RVパークsmart博多」があるのだが、収容台数はたったの1台(笑)。
「ダメ元」覚悟で予約してみるのはいいと思うが、屋台街まではけっこう離れているので、飲んだ帰りに歩くのは辛いかもしれない。
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