「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
草津温泉で一軒だけ共同浴場を選ぶとしたら、「大滝乃湯」がお勧め
温泉好きなら、遠路はるばる草津温泉まで来て、「たった一軒のおゆば」にしか入らないというのは、「あり得ないこと」かもしれない。
だが、旅行者の多くはたぶんそういう人たちだ。
たとえ割引が効く温泉手形があったとしても、微妙に違う泉質を求めて何軒もハシゴするより、ココと決めた浴場でのんびり過ごすほうが、時間も体力も、そしてコストを考えても合理的なのは明らか。
その視点に立つと、草津一番のお勧めは日帰り共同温泉施設「大滝乃湯」になるのだろう。ただし、ここに風情まで求めるのは贅沢というものだ(笑)。
お勧めの理由1
すぐ近くに専用の無料駐車場がある
草津温泉で無料の駐車場があるのは、「大滝乃湯」と「西の河原露天風呂」だが、「西の河原露天風呂」から駐車場に指定されている「天狗山第一駐車場」までは、20分近くアップダウンのある道を歩かなければならない。
それに対し、「大滝乃湯」は眼の前にクルマが停められる。
また温泉の裏にも、この広い駐車場が用意されている。
お勧めの理由2
古くから草津に伝わる「合わせ湯」が楽しめる
ここには「合わせ湯」と呼ばれる草津伝統の入浴法が体験できる浴場がある。「合わせ湯」とは、異なる源泉を混ぜるのではなく、温度の違うお湯が注がれた5つの湯船を、ぬるゆ湯から順番に入っていく入浴法のこと。
かつては混浴だったが2012年の改装時に女性専用も作られた。
なお、男湯は地下一階にあり、露天風呂の横にある階段を使ってアクセスする。入口がわかりにくいので、知らないと気づかずに出てしまうので注意しよう。
お勧めの理由3
充実したサービスと設備を誇る
900円と草津の日帰り温泉では一番高い入浴料だが、「美人の湯」として名高い煮川源泉を使っており、アメニティーと内湯のほかに露天風呂、打たせ湯、さらに無料の休憩所などが揃い、充実した施設内容を誇っている。
泉質 :酸性-含硫黄-ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)
お湯:源泉かけ流し
お風呂:内湯男女各2、露天風呂男女各1
休憩スペース :あり
飲食施設:あり
駐車場 :あり(約100台・有料)
シャンプー・石鹸等:あり(無料)
ドライヤー:あり(無料)
入浴料:大人900円・子供400円
営業期間:通年
営業時間:9時~20時(閉館21時)
定休日:不定休