高山の「匠」が見られる、お勧めのスポット

高山 岐阜県の観光スポット
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
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おとなの高山観光のテーマは「匠」。

高山

高山の「匠」が見られる、お勧めのスポット【目次】

なぜ城下町・高山が、「匠」を育む商人の町になったのか

建築の匠 吉島家住宅

工芸の匠 桜山日光館

土産品の匠 咲くやこの花

郷土料理の匠 高山ラーメン

高山祭り

朝市

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なぜ城下町・高山が、「匠」を育む商人の町になったのか

高山祭り

高山観光の概要&車中泊スポットガイド」で書いたように、高山には「匠」という素晴らしい観光テーマがある。

ここではそのテーマに沿った見どころを紹介していくのだが、その前に「なぜ城下町・高山が、「匠」を育む商人の町になったのか」という疑問に答えたい。

江戸時代半ばに、幕府の「天領」となった高山

高山

江戸初期の高山は「飛騨高山藩」と呼ばれ、藩主の金森氏が6代・107年間にわたって統治をしていたが、豊かな木材を背景に藩の財政は潤っていた。

当時は建築も造船も木造で、木炭は武器を鋳造する際にも必要とされていた。しかも「飛騨高山藩」には鉱山があり、鉄や金まで産出していたという。

それに目をつけた江戸幕府は、6代藩主・金森頼時を理由もなく出羽国上ノ山(現在の山形県上山市)に国替し、強奪同然の手口で、飛騨高山の地を幕府の直轄領にしてしまう。

高山陣屋

「陣屋」というのは代官所のこと。

そして「お代官様」といえば、時代劇の「○○屋、お主も悪よのう」でお馴染み、まさに「悪党」の象徴だ(笑)。

高山

その結果、武士がいなくなった高山の町では、もともと高山近郊の農村の次男・三男で、農産物・酒・材木などの商いで財を成した「旦那衆」と呼ばれる豪商たちが台頭する。

「旦那衆」は京都の影響を受けた町家建築や、綺羅びやかな山車を繰り出す高山祭り、さらには洗練された工芸品づくりなどに競うように財を注ぎ、高山には独自の町人文化が花開いていった。

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建築の匠 吉島家住宅

吉島家住宅

酒や生糸などで財を成した商家の屋敷が、高山市内には多く残されているが、建築制限が解かれた明治以降は、職人の技や意匠がさらに発展し、美しい町家が次々に誕生した。

その代表格と云えるのが、明治40年に建築されたこの「吉島家住宅」だろう。

「吉島家住宅」は、下二之町大新町の重要伝統的建造物群保存地区に残る豪商町屋で、国の重要文化財に指定されている。

吉島家住宅

その一番の見どころは、大黒柱を中心に梁(はり:横にかける材)と束(つか:梁に垂直の短い柱)で構成されたこの「吹き抜け」。

高山に残る町家の典型的な構造と云われるが、「吉島家住宅」の「吹き抜け」はまさに圧巻のスケールで、高窓から日光を巧みに取り入れ、柱や鏡戸の木目を美しく見せている。

吉島家住宅

落ち着いた佇まいの和室からは、かつては雪見灯篭と春日灯篭などがあったという中庭が覗ける。

またそこには、吉島家当主の縁戚にあたる書家・篠田桃紅の屏風や掛け軸などもある。

ちなみに篠田桃紅の作品は、ロックフェラーセンターにも飾られていて、海外でも高い評価を受けている。

吉島家住宅

屋敷の一画に設けられた「井戸端ギャラリー」。

ここには、古き日本の良さをよく知る日系人の画家・イサムノグチのリトグラフを展示しているのだが、思い起こせば、高山の文化は豪商の旦那衆が支えてきたもので、それを現代に受け継ぐとしたら、こういうカタチになるのかもしれない。

吉島家住宅
☎0577-32-0038
大人500 円
3月から11月:午前9時から午後5時
12月から2月:午前9時から午後4時30分
12月から2月の火曜日定休(祝日は営業)

工芸の匠 桜山日光館

桜山日光館

「桜山日光館」に展示されているのは、1/10の大きさで作られた「日光東照宮」の模型。

江戸幕府の天領であった高山に、徳川家康を祀る「日光東照宮」の模型があるのは、さほどおかしな話ではないと思うが、大正時代に33人の技術者が15年間の歳月を費やして製作したという超大作だけあって、リアリティーは半端じゃない。

桜山日光館

ランドマークの陽明門をはじめ、本殿・拝殿・五重塔など28の建物と、鳥居などの附属物すべてが作られており、構造はもちろん、装飾や、彫刻、絵画にいたるまで、実物に忠実に再現されている。

その部品総数は、なんと50万個とも云われているから驚きだ。

ただ高山に東照宮の模型が飾られているのは、もうひとつ別の理由があるようだ。

眠り猫

キーワードは、「眠り猫」でお馴染みの「左甚五郎」。

左甚五郎

伝説の名工「左甚五郎」は、飛騨に生まれたと伝えられている。また模型作りには、「当代の左甚五郎」と呼ばれた長谷川喜十郎氏も参画している。

桜山日光館
☎0577-32-5100
大人900円
3月から11月:午前9時から午後5時
12月から2月:午前9時から午後4時30分
無休

土産品の匠 咲くやこの花

高山

高山には、和洋を問わずハンドクラフトのユニークな雑貨を扱う店が揃っている。

咲くやこの花

「さんまち」で町屋風の外観を構える「咲くやこの花」もそのひとつで、フクロウなどの小動物や野草などをモチーフにしたオリジナルの雑貨で有名だ。

咲くやこの花

さらに店内には広い中庭があり、そこで甘味ものを味わうこともできる。

咲くやこの花
☎0577-37-7733
9時~17時・無休

郷土料理の匠 高山ラーメン

高山ラーメン

昭和の屋台から始まり、地元では今でも「中華そば」の名前で親しまれている「高山ラーメン」には、ご当地グルメに欠かせない「定義」がちゃんと存在する。
高山ラーメン「桔梗屋」の中高年食レポ
中高年のクルマ旅のプロが記した、高山ラーメン「桔梗屋」の食レポです。

駐車場にクルマを停めて「さんまち」周辺を歩きながら、上の4つを周ればおそらく半日近い時間が流れるだろう。

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ここから先は、時間がある人に向けての「And More」。

高山祭り

高山祭り

出典:高山市観光協会

「高山祭り」は、毎年4月14〜15日に開催される「春の山王祭」と、10月9〜10日に開催される「秋の八幡祭」の総称。

煌びやかな屋台が町に繰り出されることから、京都市の祇園祭、埼玉県秩父市の秩父夜祭と並んで日本三大美祭(曳山祭)のひとつに数えられている。

高山祭屋台会館

「動く陽明門」とも呼ばれる高山祭の屋台は、細かな装飾が施された貴重な建造物で、国の重要有形民俗文化財に指定されているが、秋の八幡祭の屋台は交代で「高山祭屋台会館」に移され、普段は一般公開されている。

高山祭屋台会館
☎0577-32-5100
入場料1000円
3月から11月:午前9時から午後5時
12月から2月:午前9時から午後4時30分
無休
普通車駐車場 50台駐車可

朝市

連休ともなれば、高山の古い町並み周辺の駐車場は、朝から満車になるところが多い。

高山朝市

そこで駐車場の確保を兼ねてお勧めしたいのが朝市だ。

高山では写真の陣屋前朝市と、江戸時代からの歴史を持つ宮川朝市が年中無休で開かれている。時間は4〜10月が朝6時から、11月〜3月は7時から。

宮川朝市

朝市には地元で採れた野菜や果実などが並ぶが、ここは住民と旅人の交流の場でもある。

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