「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
名勝「厳立峡」の脇に湧く、飲泉可能な炭酸冷泉。
下呂温泉の奥桟敷、下島温泉「巌立峡ひめしゃがの湯」【目次】
下島(したじま)温泉
岐阜県下呂市小坂町落合にある「下島温泉」は、下呂温泉の中心街から約30キロ・クルマで40分ほど離れた、名勝「厳立峡(がんだてきょう)」の近くに湧く小さな温泉地で、昔から傷に効く炭酸泉の濁り湯として知られてきた。
いっぽう林羅山が有馬温泉・草津温泉とともに、日本三名泉に数えた下呂温泉は、無色透明のアルカリ性単純泉で、昭和46年以降、将来にわたって温泉の安定供給を目指すために、源泉の集中管理を行っている。
そのため下呂温泉では複数の泉質を楽しむことができず、温泉好きの旅人の中には、わざわざ泉質の異なる「下島温泉」まで足を伸ばす人も少なくない。
厳立峡
「下島温泉」にほど近い「厳立峡」は、御嶽山の噴火によって流れ出した溶岩流の末端部分で、柱状節理をむき出しにして、絶壁の如くそびえ立っている。
周辺は展望台、売店、駐車場がある公園として整備され、公園の中にある三ッ滝までは約600メートルの滝見遊歩道が続いている。
厳立峡ひめしゃがの湯
1988年頃に巌立峡対岸の川岸をボーリングした結果、間欠泉で自噴したという炭酸水素塩泉を源泉にする下島温泉の日帰り入浴施設。
慢性皮膚病、切り傷、火傷などに効能があるほか、飲用すると慢性消化器病や貧血によいといわれる。
「ひめしゃがの湯」として開業したのは1995年で、源泉のお湯は加温され大きな内湯に注がれてきた。
さらに2012年4月には露天風呂がリニューアルされ、そのままの源泉風呂が加わった。湯温は24度なので暑い季節には最適だ。
【施設概要】
●所在温泉地:下島温泉
●業態:日帰り温泉施設
●泉質:炭酸水素塩泉
●お湯:源泉かけ流し
●お風呂:内湯男女各1、露天風呂男女各1
●休憩スペース:あり(無料)
●飲食施設:あり
●駐車場:あり(約100台・無料)
●シャンプー・石鹸等:あり(無料)
●ドライヤー:あり(無料)
巌立峡ひめしゃがの湯
おとな700円
☎0576-62-3434
10時30分〜21時30分(受付最終21時)・水曜定休(祝日の場合は営業)
最寄りの車中泊スポット
「厳立峡ひめしゃがの湯」から約3キロ・5分ほど離れたところに「道の駅 南飛騨小坂はなもも」があり、車中泊ができる。