「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介します。
関西特有の弾力がある蒲焼きを、名古屋飯の「ひつまぶし」でガッツリいただく!
よほど人気があるのか、はたまた儲かるのかして(笑)、岐阜県の白川郷や高山に行くと、まぁ~どこもかしこも「飛騨牛」の一点張り。
それは下呂温泉でもまた同じ…
だが旅では一度食べれば気が済むわけで、今回筆者は既に白川郷で食べてきたため、違うメニューを探してみることにした。
ちなみに「下呂温泉 名物」といえば、「鶏ちゃん」がヒットしてくるのだが、それは既に実食済だ。
下呂温泉は中央に飛騨川が流れているが、これまでの経験上、きれいな川がある温泉地には、必ずといっていいほど「うまい鰻屋」がある。
そこで調べてみると、案の定、良さげな店を発見!
注文を受けてから生きた鰻をさばき、ナマから地焼きするという情報をネットで確認し、嬉しくなって訪ねてきた。
もっとも… 今回は特別な事情があった。
運良くGotoイートの実施期間中ということで、それを手に入れて旅に出たのだが、高山でよもやの体調不良に陥り、使う予定がキャンセルになったため、下呂温泉が最後のチャンスになっていた。
というわけで、滅多にない贅沢な店で家内を接待することに(笑)。
店では迷わず「ひつまぶし」を注文。
名古屋めしのひとつに数えられる「ひつまぶし」は、通常お櫃の中を3等分して茶碗によそい、一杯目はそのまま「うなぎ丼」として味わい、2杯目はネギ、わさび等の薬味をのせ、3杯目は薬味をのせた上からだし汁をかけてお茶漬けのように食べる。
とはいえ、このくらいボリュームがある時は、4等分にして最後の1杯は、それまで食べた中で一番気に入ったものをリピートするのが「通」らしい。
ただ「食べログ」にも書かれている通り、「うな昇」のだし汁は薄味で物足りない。本当はそれで4杯目を食べたかったのだが、今回は「うなぎ丼」にした。
「うな昇」の「ひつまぶし」は、写真の「上釜まぶし」が鰻1匹分で3600円、特上になると鰻1.5匹分で5000円、逆に0.5匹分だと2300円になる(すべて税別)。
さて、ここからが大事なのだが、
「うな昇」は、関東とは異なる関西の「蒸さない」調理法で鰻を蒲焼きにしているため、皮は香ばしく、ふっくら感には欠けるが、身には弾力が残っている。
関西仕立ての蒲焼きは、食感と脂の出具合から鰻の鮮度がよくわかり、ご飯との食感の違いも引き立つ。
「うな昇」ではそれを踏まえてコメを選び、タレの甘さも関西仕立てにしては抑えめにしているようだ。
細やかな配慮は接客にも現れており、気持ちよく最後まで食事が楽しめた。
ここは関東方面の旅行者にもお勧めだ。
ぜひ一度、蒸さない鰻をご賞味あれ。
なお駐車場は、店の裏にある「栄パーキング」を利用すると割引券がもらえる。残念ながら「栄パーキング」にはトイレがないので、車中泊はできない。
予約
050-5571-2826
営業時間
11:00~14:00頃
17:00~20:00頃
月曜定休(他に不定休有り)
うな昇 公式サイト