「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
道後温泉から、クルマで約30分
この温泉は、道後温泉と奥道後温泉をまわっている途中に、偶然出会った旅人から教えてもらったのだが、地元では泉質の良さで有名というので訪ねてきた。
正確に云うと東道後温泉に属する「鷹の子温泉」は、1200年ほど前に弘法大師が自然噴出しているのを発見したと伝わる古いおゆ場で、明治時代には「大師湯」と呼ばれていた。
全国各地の温泉地をまわっていると、よく弘法大師(空海)の名前を耳にする。
大師が発見したと伝わる温泉は以下の22ヶ所だが、すべてが真実かどうかはわからない(笑)。
ただ大師は香川県生まれで、松山市内には「四国八十八ヶ所霊場」のうち、7つの霊場が存在することを考えれば、この東道後温泉がそうである可能性は高いだろう。
弘法大師が開湯したとされる温泉
あつみ温泉(山形)・ 大塩温泉(福島) ・芦ノ牧温泉(福島) ・出湯温泉(新潟)・ 瀬戸口温泉(新潟)・ 清津峡温泉(新潟)・ 関温泉(新潟)・ 燕温泉(新潟) ・川場温泉(群馬) ・法師温泉(群馬) ・修善寺温泉(静岡)・ 伊豆山温泉(静岡)・ 湯村温泉(山梨)・ 鹿塩温泉(長野)・ 海の口温泉(長野)・ 赤引温泉(愛知)・ 龍神温泉(和歌山)・ 関金温泉(鳥取)・ 東道後温泉(愛媛) ・杖立温泉(熊本) ・熊の川温泉(佐賀)・ 波佐見温泉(長崎)
昭和になって、「大師湯」は「鷹ノ子温泉」に名を変えたが、2012年に新会社の手で「たかのこの湯」として新しく生まれ変わった。
真新しい内湯には伝統の「大師の湯」が、また露天風呂には新源泉の「たかのこの湯」がかけ流しで注がれている。ともにpH9を上回るアルカリ単純温泉でヌメリ感は十分だ。
たかのこの湯 オフィシャルサイト
〒790-0925愛媛県松山市鷹子町736-4
☎0899-97-7777
営業時間:5時~0時(閉館深夜1時)・無休
入浴料:大人(中学生以上)700円
※朝10時までに入浴券購入すると、大人500円