「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
中高年の車中泊旅行者には、若者や団体ツアー客とは異なるガイドが必要。
中高年で車中泊のクルマ旅を楽しんでいる人は、普段から人混みを避け、できるだけ静かな場所で食事や観光をされていると思う。
だが現在の「湯の坪街道」は、もはや「若者と外人のルツボ」と化しており、おじさん・おばさんが普通に歩けば、温泉情緒を感じるどころか、人混みに酔って疲れるだけ… 食欲も失せるばかりだと思う。
だから行かない。
いやいや、それではあまりにも能がない(笑)。
ここでは「普通に歩かなければいい」と考えるべきだ。同じ観光客なのに、遠慮する理由がどこにある。
スマートな「湯の坪街道~金鱗湖」の歩き方
そもそも本もネットも、湯布院の観光ガイドは電車や観光バスでやってくる人を想定して書かれている。
つまり上の写真の通り、スタート地点は「由布院駅」で、そこから「湯の坪街道」を経て「金鱗湖」を目指すというのがお決まりのコースだ。
その間は普通に歩けば約30分。だが、途中で食べたり買ったりするので、旅行者たちは往復3時間近くを要していると思う。なにしろ若者と外人さんにとって、湯布院にはココ以外に見るところがないのだから…(笑)。
しかし、我々には由布院駅からスタートする理由がない。
ということは、まずはマップを自分たち用に置き換え、「常識」を覆す必要がある。
そこから見えてくるのは、「彼らの半分しか歩く必要がない」ということだ。
いわゆる「湯の坪街道」とは上のマップのブルーラインだが、筆者のお勧めは金鱗湖までの往路にオレンジ、復路にブルーの道を歩くことだ。
クルマはAコープに隣接する「タイムズ由布院」に入れる。
最大の理由は、「湯の坪街道」を走らずに、広い国道216号から直接入庫できることにある。
しかもマップには書かれていない細い道が、そのまま「湯の坪街道」に通じているため、車道を通らずに歩いて出られる。
「湯の坪街道」は通行禁止ではないし、道沿いにコインパーキングもあるのだが、もはや「歩行者天国状態」なので、ほとんど思うようには動けない。またそれは金鱗湖周辺にも共通している。
さらにここは、ついでに買い出しができるのもお勧めしている理由のひとつだ。ローカルスーパーは、地元の人々の台所が垣間見れるようで筆者は好きだ。
人によっては、「湯の坪街道」にある観光客相手の店を見るより、面白く感じるかもしれない(笑)。
ただ、キャブコンのキャンピングカーは入庫を断られるようだ。とはいえ湯布院には数多くのコインパーキングがあるので、5分ほど歩くつもりなら平面の有料駐車場を見つけるのはそれほど難しくはないと思う。
ちなみに、昼過ぎの「湯の坪街道」は、多かれ少なかれこんな感じ(笑)。
「食べログ」や「るるぶ」なしでも、どこが人気店かはスグに分かる(笑)。
こういう「湯の坪街道」を見たくない人は、ツアーや個人旅行者がまだ来れない朝9時台の開店直後に出向こう。
その時間帯の「湯の坪街道」は、この程度の人通りだと思う。
なお、当サイトでは「湯の坪街道」にある個々の店の紹介は割愛する。そういう情報は「湯の坪街道」とスマホに囁やけば、星の数ほどサイトが示されるからね(笑)。