この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
鍋ヶ滝は、「水のカーテン」の異名を持つ裏見の滝
「鍋ヶ滝」は日本国内でも希少な裏見の滝で、滝の裏の空間が広いうえに水量が少なく、透明感のある優美な姿を1年間通して見ることができる。
この滝を一躍有名にしたのは、2004年に中谷美紀を登用した伊藤園の「おーいお茶」と、2005年に松嶋菜々子で対抗したキリン「生茶」のCM。
それがきっかけで見学客が増え、現在の滝に通じる遊歩道が整備されたというのだから、テレビのチカラはすごい(笑)。
舗装された駐車場から「鍋ヶ滝」までは徒歩約5分。
遊歩道は整備されているが、途中にはちょっと辛い階段がある。
滝まで来ると、裏側へ周る道の表示がされている。
水量によっては滝裏に行く途中で水しぶきがかかることもあるので、タオルを持参するといい。また滑りにくい靴は必須だ。
シルクのように撮るには、「スローシャッター」を使う
さて。噂の滝が見られたことで「最初の満足」が得られたと思うが、たとえ一眼レフでも、オートやプログラムオート(Pモード)でシャッターを切れば、プロでもこうしか撮れない。
貴方が望むこういう写真を撮影するには、カメラをアイリス(Aモード)にして、最大限まで絞り(絞りのダイヤルを一番大きな数字になるまで回す)、さらに白い滝ではなく、暗い後ろの岩肌で露出を合わせてからシャッターを切る必要がある。
当然ながら三脚が必要だ。シャッターが切れるまでに1秒近くはかかるため、いくらレンズに手ブレ機能があっても、手持ちでクリアに撮るのは至難の業。
なお、スマホにはシャッタースピード設定が無い場合が多いので、iPhoneだと「Slow Shutter Cam」、Androidだと「夜撮カメラ」等のアプリを使うといいそうだ。
ただ、こういうアーティスティックなフォトは、今でもやはり一眼レフの独壇場だ。筆者はiPhone12Proを買うかどうか迷ったが、結局ノーマルを選択した。
そりゃいくら高額と云っても、35ミリフルのデジタル一眼レフカメラ本体の半分ほどで収まるのだから、当然だろうね(笑)。
ただ滝を写すのに、そこまでハイスペックな機種は要らない。各社が出している本体5万円程度の入門機で十分だ。
これは現在筆者が使用しているサブカメラの最新モデルだが、もし一眼レフを買うならこのクラスをお勧めする。これならiPhone12と両方買っても、さきほどの機種と出費はさほど変わらない。
「鍋ヶ滝」へのアクセス
「道の駅 小国」からの所要時間は、クルマで約10分。アクセス時の目印になるのは、国道378号にある坂本善三美術館だ。
周辺まで行くと看板が見えるので、案内に沿って曲がると、鍋ヶ滝の無料駐車場に到着する。