鞍馬に行く前に、知っておくといい話

鞍馬寺 史跡
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鞍馬山・鞍馬寺・由岐神社の関係は?

初めて行く人にとって、鞍馬には分かりづらいところがある。

そこで最初に情報を整理しよう。

鞍馬山

まず、有名な「鞍馬寺」は「鞍馬山」の一画にある。

「鞍馬山」は古くから霊山として知られ、密教による山岳修験の場として栄えていた。天狗が住むとも言い伝えられてきたことから、後年「鞍馬天狗」の物語が創られた。

鞍馬の天狗ちなみに「鞍馬天狗」には「能の演目」と「時代小説」の2つがあり、ストーリーはまったく違う。
「能の鞍馬天狗」は牛若丸の伝承を題材にしているが、大正時代に大佛次郎が書いた「小説の鞍馬天狗」は、幕末を舞台に「鞍馬天狗」を名乗る神出鬼没の勤王志士が、新撰組の行く手を阻んで活躍するフィクションである。

その「鞍馬山」に「鞍馬寺」が建てられたのは、西暦770年(宝亀元年)。

鞍馬寺 奥の院魔王殿

東大寺、唐招提寺にゆかりの深い唐の高僧、鑑真和上の高弟であった鑑禎(がんてい)上人がこの地に草庵を造り、毘沙門天を安置したのが鞍馬寺の発祥とされている。

1091年(寛治5年)には白河上皇が、1099年(承徳3年)には関白藤原師通が参詣するなど、平安時代後期には朝廷からも信仰を得ていたようだ。

牛若丸と鞍馬

鞍馬寺 息つぎの水

鞍馬山が牛若丸ゆかりの地であることは確からしい。

写真は牛若丸が修行に通う途中で、喉の乾きを潤したという「息つぎの水」。それから800年以上の歳月を経た今も清水は湧き続けている。

源義経

さて。7歳で鞍馬寺に預けられ、鞍馬の天狗から兵法と剣術を学んだとされる牛若丸こと源義経は、五条大橋で弁慶をうち負かしたあと平家追討に貢献するが、実兄の源頼朝に嫉妬から命を狙われ、奥州平泉で無念の最期を遂げる。

義経の人生は運命的で、父の源義朝は幼い時に起こった平治の乱で平清盛に敗れて失命するが、母の常磐御前は敵将の平清盛に身を任せるのと引き替えに子供たちの命を救う。

中でも幼かった義経は、共に暮らす清盛を本当の父のように慕ったともいわれている。

由岐神社

さて。もうひとつ鞍馬でよく耳にするのが「火祭り」だ。

蔵馬 由岐神社

「鞍馬の火祭」の舞台は、「鞍馬寺」ではなく、同じ「鞍馬山」に建つ「由岐神社」である。

大己貴命と少彦名命を主祭神とする由岐大明神は、もともと京都御所に祀られていたが、都を襲った大地震と、翌年に勃発した平将門の乱など、相次ぐ世情不安を憂いた当時の朱雀天皇の詔で、940年(天慶3年)9月に、御所の北方にあたる鞍馬に「天下泰平」と「万民幸福」を祈願し遷宮された。

遷宮の際には鴨川に生えていた葦で松明を造り、道々に篝火を焚いて約1キロにも及ぶ行列ができたという。

出典:由岐神社

それに感激した鞍馬の人々が、この儀式と由岐大明神の霊験を後世に伝え守ってきたのが、有名な「蔵馬の火祭」である。

由岐神社オフィシャルサイト

これらを念頭に鞍馬寺の「仁王門」をくぐると、論理派の人でもスキッと鞍馬が楽しめる(笑)。

鞍馬寺 仁王門

最初に通る「仁王門」は、俗界から浄域への結界とされている。

由岐神社 拝殿

 「仁王門」をくぐり、坂道を上がると、約10分で「由岐神社」に到着する。

戦国時代には豊臣秀吉の厚い信仰を受け、1607年(慶長12年)には豊臣秀頼によって本殿と拝殿が再建された。中でも中央に通路をとった割拝殿は桃山時代の代表的な建造物で、国の重要文化財に指定されている。

蔵馬神社 九十九折り参道

 「中門」から「本殿金堂」前広場の石段下までは、『枕草子』に「近うて遠きもの」の例として綴られた九十九(つづら)折りの参道が続く。

そこを上がると「本殿金堂」前の広場に出る。

鞍馬寺 本殿金堂

 「本殿金堂」に祀られている「本尊」は「尊天」といわれ、月輪の精霊であり慈愛の象徴である「千手観世音菩薩」、太陽の精霊であり光の象徴である「毘沙門天王」、大地の霊王であり活力の象徴である「護法魔王尊」の三身を一体にしたものという。

鞍馬寺 六芒星

鞍馬寺正殿前の「六芒星」は、その中心に立つと「氣」を受けると云われ、今はパワースポットになっている。

ただ、信者は踏まないよう大切にしているらしい(笑)。

鞍馬寺 義経堂

更にその先には、義経の魂を祀る「義経堂」、奥州に出向く牛若丸が名残を惜しんで背丈を比べたと伝わる「背比石」、謡曲「鞍馬天狗」で鞍馬天狗と牛若丸が出会ったと云われる「僧正ガ谷不動堂」などがある。

奥の院魔王殿 鞍馬寺

 「奥の院魔王殿」の前からは一気に下り坂となる。

鞍馬寺 西門

山道を15分ほど歩いて下りると、ようやく「西門」に辿り着く。

さて。ここからが大事。

貴船神社

実は「西門」から貴船神社はもうすぐそこで、しかもアップダウンはほとんどない。つまり来た道を引き返すよりも、そのまま進んで貴船口から叡山電車で出町駅まで戻るほうが圧倒的にラクである。

それを考えると、鞍馬寺までクルマで行くのは得策どころかむしろ愚策。京都では「クルマを持て余さない行動」が大事だ。

鞍馬寺
京都府京都市左京区鞍馬本町
☎075-741-2003

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