大阪在住で、日本全国をクルマで旅する旅行家が、2024年6月にリニューアルオープンした「神戸須磨シーワールド」で、人気のオルカパフォーマンスを観覧したい人に役立つ情報をまとめています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
「神戸須磨シーワールド」は、水族館というよりオルカとドルフィンがメインのリゾート型マリンミュージアム
神戸須磨シーワールド DATA
神戸須磨シーワールド
〒654-0049
兵庫県神戸市須磨区若宮町1丁目3-5
☎078-731-7301
営業時間内 10時~18時
入場料(時期によって変動)
通常期間
大人(高校生以上)3100円
シニア(65歳以上)2500円
小人(小学生・中学生)1800円
幼児(4歳~6歳)1800円
詳細案内はこちら
営業時間
通常10時~18時
日別の詳細はこちら
駐車場
須磨浦海浜公園駐車場(立体)
普通車726台
平日:最初の1時間400円
以降200円/60分
最大料金700円
土日祝及び7・8月の平日料金
最初の1時間500円
以降500円/60分
最大料金無し
神戸須磨シーワールドの筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.03.08
2024.06.20
※「神戸須磨シーワールド」での現地調査は2024年6月が最新です。
神戸須磨シーワールド 目次
![](https://kurumatabi.net/database/wp-content/uploads/2019/03/640baner_1.jpg)
失敗しないオルカパフォーマンスの楽しみ方
確かにこれは、千葉県の房総半島にある「鴨川シーワールド」の小型版だな。
筆者のように旅で現地に行ったことがある人や、関東から転勤で京阪神に来ている人は、たぶん似たような印象を抱かれるのではないかと思う。
それを含めて最初にお伝えすべき話は、「神戸須磨シーワールド」は
リニューアル前の「須磨海浜水族園」とは、まったく異質と呼べるマリンミュージアムに変貌を遂げていることだ。
ただ、以前とどう変わったのか、あるいはどういう経緯でそうなったのかは、最後にまとめて記している。
特にリニューアルオープン直後に近いこの時期に、「神戸須磨シーワールド」に関心を寄せる人々は、そんなことより、”失敗しないオルカパフォーマンスの楽しみ方”に興味をお持ちだと思うので、いきなり「本丸」の話から始めるとしよう。
入場チケットは、事前にネットで購入してから行くほうが確実
理由は一目瞭然。
筆者はオープンして間もない、平日の6月20日(木)10時前に到着したが、既にチケット売り場からは長蛇の列ができていた。
30分ほどでチケットは買えたが、前売り券を持っていた若者たちには、ゴボウ抜きにされてしまった(笑)。
さすがにSNSの情報と、USJなどの今どきの遊び場を知らない歳の差を感じたが、ラッキーにも「シニア料金」があることに気がつくことができた。
おかげで「スマスイ」は、65歳を過ぎて初めて「シニア料金」なるものの恩恵を受けた、記念すべき場所になった。
なおチケットの購入は自動販売機になっており、シニアである証明書は必要ない。
ショータイムの遅くても45分前には、スタジアムで席を確保する
1回約20分間のオルカパーフォーマンスは、1日に3回、午前11時30分からと午後2時、そして午後4時30分から開催される。
ただし、立ち見を含めて約2,500名を収容するスタジアムが満席になった時点で、入場ゲートは閉鎖されるので注意が必要だ。
加えてこの手のショーに慣れた人は、30分前では、既にいい席が空いていないことを、過去にどこかで体験していると思う。
だからこその45分前ということだ(笑)。
筆者は北海道の「旭山動物園」で、シロクマの「もぐもぐタイム」を観る際に、そのことを学ばせていただいた。
オルカパフォーマンスは、プールに近い下段席は、このように豪快なスプラッシュを浴びせかけられるが、それを希望するなら「下段」、避けたいのなら「上段」の席がいい。ちなみにカッパ代わりのポンチョは400円で売っている。
濡れたくない筆者は、最上段に席を確保。
無事にいいシーンをビデオに収めてきた。
ただ、本家「鴨川シーワールド」のパフォーマンスと比べると、まだシャチも幼いようで数も少なく、内容もつたなく感じた。
追いつくにはまだ数年はかかりそうだが、
その意味では、これからの伸びしろが楽しみであるとも云えるだろう。
もし物足りなさを感じたなら、合わせてイルカのパフォーマンスも観ていこう。
こちらは以前からやっていたこともあり、イルカもすっかり慣れたもので、鮮やかにトリプルジャンプを決めて見せてくれた。
オルカの詳しいお話
「神戸須磨シーワールド」はオルカに力を入れているだけあって、パフォーマンスを見せるだけでなく、「オルカラボ」では、骨格標本や3D裸眼ディスプレイで、オルカの生態を詳しく学べるようになっている。
また「オルカホール」では、野生のオルカの映像が見られる。
日本で野生のオルカに会えるのは、知床半島の羅臼海峡
日本では「シャチ」、英語ではKiller whale(キラーホエール)と呼ばれる、海の食物連鎖の頂点に立つ哺乳類で、オルカは学名(世界共通の科学的な生物の名前)の「Orcinus orca(オルキヌス オルカ)」を略した呼び方だ。
かつては、どう猛な海のギャングと考えられていたが、1960年代にカナダで生捕りされた個体が人に懐いたことから、水族館の人気者になったという。
成獣の体長はオスが9メートル前後、メスは7~8メートルで、マイルカ科の中では突出した大きさを誇っている。
背びれが高く、特にオスは1.8メートルもの高さになる個体もあるほどなので、離れていてもよく目立つ。
基本的にオスは単独、メスは子供とともに群れを作って行動するようだ。
大型でありながら、時速60~70キロメートルと海洋哺乳類の中でもっとも早く泳ぐことができ、海面から4メートル以上も跳ね上がる姿が確認されており、発達した知能に加えて、その巨大な体からは想像できない俊敏性も持ち合わせているから驚きだ。
これらの写真は、そんな野生のオルカをナマで見たいと思った筆者が、2016年6月に知床の羅臼沖で撮影したものだ。
野生のオルカに出会えるのは初夏が多く、7月から8月は日本の領海を出てロシア側に行ってしまうことが多いという。
「神戸須磨シーワールド」のその他の展示
「神戸須磨シーワールド」は、大きく分けると右から「ホテル」「オルカスタディアム」「シーワルドプラザ」「ドルフィンスタディアム」「アクアライブ」の5つのブロックに分かれている。
その中の「シーワルドプラザ」は、キッチンカーが並ぶ屋外フードコートのようなスペースになる。
ちなみに「神戸須磨シーワールド」では、館内への飲食物の持ち込みは、学校団体・子ども会での利用以外は禁止だ。
従来の魚や海洋動物が見られるのは「アクアライブ」で、ここが唯一「水族館」だった当時の”名残”を思わせる場所だ(笑)。
川の源流部から河口を経て、ビーチから沖合へと流れていく水をテーマに、「ローカルライフ」「クラゲライフ」「トロピカルライフ」「ロッキーライフ」とコーナーを設けて、それに見合う生き物を展示をしている。
「ローカルライフ」では淡水魚を観察できるが、普通はここにヤマメやイワナを展示するが、泳いでいるのはどこにでもいるオイカワ。なんとシュールな!
癒やされたい人には「クラゲライフ」がお勧めだ。「クリオネ」には敵わないが、このゆっくりと動く姿がなんとも和める(笑)。よりリアルにお楽しみいただけるよう、音声をカットして掲載しておいた。
「トロピカルライフ」には、お約束のサンゴと熱帯魚がいる。ただここの「ニモ君」は赤くなかった。
そしてこちらが、サメやエイも泳ぐ水量約670トンの一番大きな水槽だ。
「ロッキーライフ」にはアザラシやウミガメ、そしてペンギンの水槽もあり、空いていればゆっくり見られたと思うが、この日は人が多くてここまでで疲れてしまった。
「神戸須磨シーワールド」誕生までの経緯
京阪神で子育てを経験した人なら、一度はリニューアル前の「須磨浦海浜水族園」に足を運んだことがあると思う。
かつての「須磨浦海浜水族園」は神戸市立で、三宮に近い「王子動物園」との共通チケットが1480円で買えるなど、それは家族連れに優しい施設だった。
筆者が家族全員で最後に訪ねたのは2010年の3月で、当時はまだ動物園にいたジャイアントパンダのタンタンが、若くて元気だった時代だ。
「スマスイ」は67年前の1957年5月10日に、「神戸市立須磨水族園」として開園。
1987年に旧施設に代わり、現在の建物が開業すると同時に、名称も「神戸市立須磨浦海浜水族園」になった。
試練は1995年の阪神・淡路大震災。
施設の停電などで飼育魚の約半数が死亡したが、3ヶ月で営業を再開。発生直後は自主避難所や中学校の臨時教室としての役割も果たしてきた。
しかしそれから約30年を経た「スマスイ」は、全体的に老朽化が進行し、来場客数も年々減少。
専門家からも、展示施設が陳腐化して高揚感を感じるような施設ではないとの厳しい指摘を受けるにいたる。
そこで再建案が策定され、現行施設は2023年5月31日をもって閉園とし、翌年6月1日に「神戸須磨シーワールド」が新規オープンすることとなった。
当時の懐かしい映像が見つかったので、興味のある人はこちらでどうぞ。
なお再建にあたっては、少ない財政負担で、より魅力的な水族館を実現するため、民営化へと舵が切られている。
新たな事業主は、千葉県の房総半島で「鴨川シーワールド」を運営している「グランビスタ ホテル&リゾート」というフジサンケイグループの日本企業で、1986年以来、既に40年近いマリンリゾート運営の経験を持っている。
ただ筆者が気になるのは、
首都圏に住む人達と、京阪神に住む人間の金銭感覚の違いだ。
夫婦でも交通費を合わせれば1万円近い費用がかかるうえに、子供料金も安くない。
そうなると期待できるのは若いカップルになると思うが、単純に総人口で比較すると、首都圏が約4400万人で京阪神は1900万人。
仮に人口構成と価値観が同じとしても、42%にしかならないうえに、どう考えても関西人のほうが所得も低く、財布の紐も固そうに思える。
価値観に世代間格差があるとはいえ、この先どのように推移するかが楽しみだ。
もしかしたら、地域住民よりも万博後のIRによる集客を見込んでいるのかも(笑)。
だとしたら、したたかすぎるね!
「神戸須磨シーワールド」のロケーションとアクセス
ホテルの横に見える立体駐車場が、収容台数726台の「須磨浦海浜公園駐車場」だ。
ただし車高制限は2.1メートルなので、キャンピングカーやルーフボックスを搭載しているクルマは入庫できない。
また「神戸須磨シーワールド」には専用駐車場はなく、公式サイトではこの「須磨海浜公園駐車場」が紹介されてはいるものの、無料や割引サービスはない。
2024年6月からの新料金
平日:最初の1時間400円
以降200円/60分
最大料金700円
土日祝及び7・8月の平日料金
最初の1時間500円
以降500円/60分
最大料金無し
![](https://kurumatabi.net/west/wp-content/uploads/2024/06/2-6.jpg)
出典:明石じゃーなる
いっぽう、公園西側のスタバやムラサキスポーツ等が入った「松の杜ヴィレッジ」の近くにも、「須磨海浜公園 短時間利用者用駐車場」がある。
2024年6月からの新料金
平日
最初の1時間400円、次の1時間200円
【施設利用あり】
以降1時間ごとに200円
【施設利用なし】
以降1時間ごとに1000円
土日祝及び7月・8月
最初の1時間500円、次の1時間500円
【施設利用あり】
以降1時間ごとに500円
【施設利用なし】
以降1時間ごとに1000円
「松の杜ヴィレッジ」の店舗を利用すれば、サービス券提示で平日なら3時間以降も200円になる割引が得られるが、土日祝及び7月、8月は、店舗利用なしだと、公園東側の立体駐車場「須磨海浜公園駐車場」のほうが格段に安くなる。
ちなみに電車の場合は、JR「須磨海浜公園駅」から徒歩5分。ただし電車は各駅停車しか停まらない。
「神戸須磨シーワールド」までは海に向かって1本道なので、まず迷うことはない。
近畿圏外から来られる方へのアドバイスとしては、平日の「阪神高速道路」は朝は確実に渋滞するので、到着時間が読みづらくてリスキーだ。
筆者が電車で出かけた理由は、駐車場事情よりもそこにある。
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