北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年8月現在の「すっつ浜直市場」のグルメ情報をご紹介。
「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介します。
「すっつ浜直市場」は、「道の駅みなとま〜れ寿都」の隣にある、食堂を兼ねた寿都漁協の直売所
2023年8月現在、「すっつ浜直市場」は休業となっています。
理由はどうやら、主力の寿かきの生産減少と人手不足によるものらしいのですが、今のところ再開の目処はたっていない様子。
そのため、この記事の内容が復活するかどうかは不明ですが、再開の有無に関わらず、当サイトでは”あえて記録として残す”ことにしています。
恐縮ですが上記の旨をご理解いただいき、以下にお進みいただけますようお願い申し上げます。
積丹半島のウニが美味しい理由
積丹半島は、ウニの水揚げ高日本一を誇る北海道の代表的な産地だ。
シーズンにあたる6月~8月には、「積丹ブルー」と呼ばれる美しい海の景観ととともに、「幻の生ウニ丼」を目指して道内外から多くの観光客がやってくる。
積丹半島のウニが美味しい理由は、その餌となる昆布にあると聞く。
利尻島・礼文島、あるいは知床半島の羅臼も、ウニ漁が盛んな昆布の名産地だが、積丹半島近海に生えているのは、種類の異なる細目昆布。
だし汁の香りは弱いが、粘りが強いため、とろろ昆布、きざみ昆布などに利用されている。
なるほど、それが雑味が少なく、まろやかな積丹産のウニの源というわけだ。
いっぽう、「幻の生ウニ丼」と呼ばれる理由は別にある。
海洋資源の保護に取り組む積丹半島では、地区ごとに様々なかたちで捕獲制限を設けており、水揚げされたウニの大半は、地元の旅館や民宿で消費される。
ゆえに積丹半島のウニはおいしいが、それ相応に値段が張る。
なおウニの詳しい話に興味があれば、こちらを参照していただきたい。
「すっつ浜直市場」のここがGood!
さてここからが本論になる。
「”ブランドうに”をたらふく!」ではなく、「鮮度の高いウニを、旅の記念に少々食べたい」という中高年にお勧めなのが、エゾバフンウニとエゾムラサキウニの2種類の生ウニを、たった1000円で食べ比べできる「寿都漁業協同組合直売所」、通称「すっつ浜直市場」だ。
店内で魅惑のPOPを発見! 「数量限定」「季節先取り」にやられた(笑)。
さっそくオーダーして、店の奥にある広い食堂で剥いてくれるのを待った。
どうやら生簀のようなところに入れてあるようで、待つこと約10分。
まずはそのインパクトを楽しもう(笑)。
バフンウニは殻に残った塩水が絡み、いっそうの甘さが引き立つ味わい。
舌触りもクリーミーで、鮮度の高さを強く感じる。
いっぽうムラサキウニは、今もお皿の上で長いトゲがウニウニと動いている(笑)。
こちらは淡泊ながら磯の香りがはっきりと感じられ、食べ比べることで両者の違いがよくわかった。
3個1000円が高いか安いは別として…
産地でなければ、なかなかこういう体験はできない。
今回の北海道の旅で既に「ウニ丼」を食べた人にも、この「食べ比べ」は楽しい余興となるに違いない。
ちなみに「すっつ浜直市場」では鮮魚や殻つきの牡蠣も売られているが、特筆すべきはこのヘラガニだ。
札幌でも滅多に出回らない、積丹半島周辺だけで捕れる珍味というので、ひとつ試しに買ってみた。
浜茹してあったので、そのまま甲羅を外してシャブリながら食べたが、味はけっこう濃厚で内子もうまい。
一杯300円と関西で云う「セコガニ」感覚で食べられるので、次回見つけたら、ビールのあてに3杯は買って帰りたい。
最後に。
寿都はガイドブックにほとんどページを割かれることのない小さな町だが、この「すっつ浜直市場」以外に道の駅と日帰り温泉があり、車中泊環境が揃ったクルマ旅の穴場だと思う。
「すっつ浜直市場」の詳細とアクセスマップ
☎0136-62-2395
営業時間
鮮魚・加工品販売コーナー:9 時~ 16 時
お食事コーナー:11時~14時
定休日
毎週火曜日