25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、奥飛騨温泉郷から上高地行きのシャトルバスが発着する「あかんだな駐車場」を利用する際の、メリットと留意点を詳しく紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。

~ここから本編が始まります。~
上高地に行く際に「前泊」で車中泊をする場合、車高2.7メートル以下の車両は、沢渡の市営駐車場より利便性は◎

「あかんだな駐車場」 DATA
あかんだな駐車場
〒506-1433
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯791-38
☎0578-89-3477
駐車料金
普通車1日600円(24時で料金更新)
自動二輪1日300円
大型車1日2,400円
※電子決済(クレジット・電子マネー)は利用できるが、2千円札・5千円札・1万円札及びスマートフォン等のQRコード決済は利用不可
営業期間
4月下旬~11月中旬
営業時間
普通車は24時間
車高2.7メートル以上の車両は6時30分以降の入庫受付

※別ゲートを開いて入出庫する必要があるため、スタッフのいる6時30分~18時30分の時間帯にしか出入り不能。またその際の支払いは前払いで現金のみ。
収容台数850台
「あかんだな駐車場」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.05.02
2009.09.22
2014.09.22
2018.04.27
2024.07.27
2025.07.18
※「あかんだな駐車場」での現地調査は2025年7月が最新です。
「あかんだな駐車場」利用のメリットと留意点

「あかんだな駐車場」の概要

「あかんだな駐車場」とは、通年マイカー乗り入れが禁止されている長野県松本市にある「上高地」へ、隣接する岐阜県・奥飛騨温泉郷から観光客を運ぶ「濃尾バス」のシャトルバス発着駅を敷地に持つ、マイカー乗り換え駐車場のこと。

平湯温泉の中心にある「アルプス街道平湯(平湯バスターミナル)」から約1キロ離れた「あかんだな山」の中腹にあり、ご覧の通り周囲に店や宿はまったくない。
「上高地」について簡単に

ネット検索でここに来られた方は、既にある程度「上高地」のことをご存知だと思うので、さらりと簡単に紹介しておこう。
「上高地」は「槍ヶ岳」に源を発する「梓川」の上流に位置する、標高約1500メートルの平坦地で、中部山岳国立公園の一部として、国の文化財(特別名勝・特別天然記念物)に指定されている。

「北アルプス」登山のベース基地を兼ねるこの国内屈指の山岳ネイチャーフィールドには、4月から11月の開山期間中に約150万人もの観光客が訪れる。

ただし、長野県の「松本」と岐阜県の「平湯」を結ぶ、国道158号から分岐する「県道上高地公園線」では、年間を通じて通行規制が行われており、マイカーを「上高地」まで乗り入れることはできない。

そのため「上高地」に行くには、この「高山市営あかんだな駐車場」、もしくは安房トンネルを超えた長野県側にある、沢渡地区の乗り換え駐車場から、シャトルバスかタクシーを利用する必要がある。
なお15回以上足を運んできた「上高地」の魅力については、以下の記事に呆れるほどしっかりまとめてあるので(笑)、合わせてご覧いただければ幸いだ。
「あかんだな駐車場」の車中泊事情

2022年から「あかんだな駐車場」は24時間出入庫ができるようになり、現在は車中泊が可能だ。
ただし残念なことに、それは車高2.7メートルの車両までという条件付き。

つまりこのキャンピングカーのような、車高の高いクルマは例外になる。

とはいえ、朝の6時30分を過ぎれば入場できるので、当日の利用に支障はない。
少々面倒だが、約11キロ・15分ほど離れた「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」で車中泊をして、6時30分を超えてから「あかんだな駐車場」に移動するのが、今のところ思いつくベストな選択肢だろう。
実は「あかんだな駐車場」には、忘れてはならない「黒歴史」がある。
「あかんだな駐車場」の黒歴史

「上高地」には、「河童橋」周辺を散策する日帰り観光客だけでなく、北アルプスの「穂高連峰」や「槍ヶ岳」への登山を目指す人も数多く訪れる。
ということは、ハイシーズンの連休には、深夜の2時や3時に日本各地から利用者が集まってくるのは当然だ。

だが2021年までは駐車場のゲートが、午後6時から翌朝4時までクローズドされ、車中泊どころか中に入ることもできなかったのだから、こっちは反対に”空いた口が塞がらなかった”(笑)。
登山客が利用する公共駐車場が、まさか夜間閉鎖されているとは誰も思っていないので、到着後に「ええっ!」と絶句するのも無理はない。
そもそも本来の車中泊・車内泊とは、こういうケースで利用する宿泊手段で、それまで堂々と禁止するとは言語道断。あまりに車中泊というものを知らなさすぎる。
「松本城」の駐車場が夜間閉鎖ならわかるが、ここの責任者は、徹夜も辞さずに憧れの「北アルプス」を目指してやってくる登山客を、何だと思っているのだろう。
安全に登山ができるための配慮として、運転疲れを癒やす「ほんのささやかなサービス」とも思えることすらできない、鈍感で自分たち本位で不勉強。
ここは国立公園利用者向けの市営駐車場としては「最低」極まりなく、まさに「奥飛騨温泉郷の恥」でしかない。
筆者がそのことを書いた記事を公表したのは2019年8月で、以降2024年7月までに約1万人が目にすることとなった。
そのおかげかどうかは知らないが(笑)、
「あかんだな駐車場」は24時間出入りが可能となり、結果的に車中泊をするなら、今は長野県側の沢渡地区にある「松本市営沢渡第2・第3駐車場」より利便性で勝ることになった。
というより、沢渡側が今度はおかしなことになっている(笑)。

なお「あかんだな駐車場」が閉鎖する冬季は、「平湯バスターミナル」が松本方面行き(釜トンネルから先の上高地公園線も冬季は通行止め)の始発地になるため、その無料駐車場を終日利用させてもらえる。

釜トンネルから上高地のスノートレッキングに行くなら、現在はこの方法がベストといえるだろう。
「あかんだな駐車場」の設備と料金

出典:出典:上高地観光旅館組合
「あかんだな駐車場」のメインとなる駐車場は、料金所に近い②の第2駐車場と③の第3駐車場で、マップの①第1駐車場は、バス乗り場までかなり離れた臨時駐車場に近い存在だ。

こちらが第2駐車場。
ちなみにこの写真は、海の日の3連休前日の2025年7月18日午前7時36分に撮影しているが、平日にもかかわらずこの時点でほぼ満車(笑)。
おそらく過半数は、昨夜からの車中泊組みなのだろう。

ただし、第2駐車場はバス乗り場の隣に建つ24時間トイレより高い場所にある。

そのためこの階段でアクセスする必要があり、日帰りならいいが、車中泊をする際は中高年にはちょっと辛いかもしれない。

いっぽうこちらが第3駐車場。

24時間トイレまで100メートルほど歩く必要はあるが、緩やかな坂道なので階段よりは楽だと思う。
路面はいずれも道の駅ほどフラットではないが、車中泊に支障はないだろう。

24時間トイレは、第2駐車場と第3駐車場の中間に設けられた、バスターミナルを兼ねる「奥飛騨ガイアパークセンター」の隣に独立してあり、入ると明かりがつく人感センサー式になっている。

中はウォシュレットまではないものの、洋式で手入れがよく行き届いていた。

しかも横には、可燃物のゴミ箱も置かれている。ただ場所が場所だけに、さすがに夜間は館内に収容されると思う。
また車中泊で利用された人の声を聞くと、「あかんだな駐車場」の場内は20時ですべての照明が消えるとのこと。また携帯の電波も弱いらしい…
というのは、筆者はまだここで車中泊をしたことがないので、詳しい夜の状況まではわからない。
2025年7月の利用時は、ここで泊まってもよかったのだが、近年巷を騒がせているクマのことを考えると、夜間にトイレまでの距離が遠いことが気になった。
そのため、10キロほど離れた「道の駅奥飛騨温泉郷 上宝」で車中泊して、早朝のうちに移動してきた。
上高地行きのバス料金

上高地行きのバス料金は、大人片道1,500円・往復割引運賃が2,800円になる。

バスチケットは「奥飛騨ガイアパークセンター」の中の自動販売機で購入するので、そのための時間を加味して早めに乗車の準備を進めよう。
上高地行きのバス時刻表はこちら。
ちなみに「平湯温泉」からマイカーで「沢渡方面」に行くには、有料の「安房トンネル」を通るのが普通だ。
通行料金は普通車で790円(2025年7月現在)、往復すると1600円近い出費になる。

中には旧道の「安房峠」を通るという人もいるだろうが、キャンピングカーにはとてもお勧めできる道じゃない(笑)。
最後に、沢渡地区からのバス料金との比較を記載しておこう。
「安房トンネル」を通らない「沢渡地区」から上高地までのシャトルバス料金は、大人片道1,300円・往復割引運賃が2,400円、いっぽう「安房トンネル」を通る「あかんだな駐車場」からのバス料金は、大人片道1,500円・往復割引運賃が2,800円で、400円は高くなるがマイカーで「安房トンネル」を通るよりもはるかに安上がりだ。
ちなみにタクシーの定額制では、トンネル料金は「別途」。ということは、バス料金には有料トンネル代がわずかしか反映されていないことになる。

また上高地と同じく、通年マイカー規制が導入され、シャトルバスでしかアクセスできない「乗鞍山頂エリア(畳平)」には、「奥飛騨温泉郷」側を走る「乗鞍スカイライン」と、「乗鞍高原」側を走る「乗鞍エコーライン」の両方からアクセスできるが、バス料金は「乗鞍スカイライン」のほうが往復で1200円も安い。
ゆえに「奥飛騨温泉郷」「上高地」「乗鞍山頂エリア」をめぐるなら、「奥飛騨温泉郷」にステイしたままのほうが、オトクということになる。
「あかんだな駐車場」の最寄りの温泉&買い物施設

最寄りの温泉は約1.5キロのところにある「神の湯」だが、2014年の土砂崩れ以降、未だ復旧工事が終わっておらず、再開の見通しはたっていないようだ。

だが車中泊と翌日のことを考えると「神の湯」以上に、お勧めなのは約2キロのところにある「平湯の森」だろう。
ひらゆの森
☎0578-89-3338
おとな700円
10時~21時(受付最終20時30分)
無休

コンビニは、2023年に「アルプス街道平湯(平湯バスターミナル)」の中に、「ヤマザキYショップ」が、8時から18時営業のインショップとしてオープンしている。

スーパーマーケットは、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の近くに「奥飛騨FoodsMarket(旧Aコープおくひだ)」があるが、「あかんだな駐車場」からは10キロ近く離れている。
いずれにしても、「あかんだな駐車場」で車中泊をする際には、飲食物は事前に買い出しして行くほうがお勧めだ。
「あかんだな駐車場」のアクセスマップ
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