紅葉の涸沢トレッキング レポート

秋の涸沢長野県のネイチャーフィールド
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。
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そこで見たのは、この世のものとは思えない景色だった。

涸沢 紅葉

この記事は、2007年10月に念願の涸沢カールを訪ねた際にしたためてあった日記を、10年の歳月を経てリライトしたものだ。

涸沢

2007年8月に、筆者は高2になる息子と2人で、上高地から涸沢へ登った。

けして準備万端とは呼べない装備とスケジュールだったが、 パワー漲る若者に助けられつつ、遂に憧れの地に到着。

その圧倒的な景観は、この地が最も美しいと云われる秋への再チャレンジに、強い意欲をもたらせてくれた。
夏の涸沢トレッキング レポート
車中泊で出かけた北アルプス・涸沢トレッキングに関する記述です。

それからおよそ50日…

錦秋を迎えた3連休に、再び涸沢を目指して上高地へと向かった。

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秋に向けての準備

リュック

夏の経験をもとに、今度は綿密な計画を立てて、旅の準備を進めることにした。

大げさに聞こえるかもしれないが、普段から歩き慣れていなければ、往復30キロを超える山道をバテず疲れず進み続けることはけして容易ではない。

しかも今回のパートナーは息子ではなく家内。つまり筆者が途中まではカメラと三脚を加えると20キロを軽く上回る荷物を背負っての道中になる。

トレッキングシューズ

トレーニングメニューは、毎日1時間、本番と同じトレッキングシューズを履き、背中に10キロ程度のウエイトを入れたリュックを背負い、家の周辺を歩くのが基本。

もちろん、できる限りアップダウンの多いコースを選んだ。また、途中で約40段の階段を2段飛ばしで5往復。

これはきつかったが、本番でもっとも効果が感じられたメニューだった。

金剛山

さらに週末は本当の山道に慣れる為に、近所の山にでかけ、日帰りトレッキングを3度敢行した。

写真は金剛山に登った時の様子だが、ただ歩くだけではなく、ステッキやリュック、バーナーにレトルト食品など、実際に使用するギアの使用テストを兼ねるなど、短い準備期間を有効活用するよう心がけた。

今思えば、腰の重い家内がよく一緒にやってくれたものだ。彼女もきっと、体力に不安をいだいていたのだろう。

キャンプ

続いてキャンプ。

夏はバスターミナルから1キロも歩かない小梨平にテントを張ったので、さして問題にならなかったが、今度は徳沢まで片道6キロの道のりを担がなければならない。

そこで今回用に中身を組み替え、買い換えたり買い足した新しいギアと、現地で食べる食品のテストをする為、上とは別の日に、キャンプを目的にロープウェイで金剛山に登り、ちはや園地にテントを張った。

シュラフ

これは筆者にとって重要なプロセスだった。

実際にこのキャンプで、これまで使ってきた旧モデルのシュラフ(モンベル・スーパーバロウ#3)で2泊以上しようとすると、カメラをどうしてもリュックに収納できないことが判明。

そこでよりコンパクトな、ウルトラ・ライトの同品番に買い換えることになった。

いざ出発

上高地

深夜到着した2組の友人夫婦とともに、道の駅・奥飛騨温泉郷上宝から早朝5時過ぎにあかんだな駐車場に移動。すでに満員のシャトルバスに乗り込み、7時半頃に上高地バスターミナルに到着した。

この日の上高地は、青空が雲の隙間からところどころに見える程度で、ちょうど天候が回復していく途中のようだった。

バスターミナルから河童橋まで歩いて小休止。ここから約2時間かけて、6キロ先の徳沢キャンプ場を目指す。

もう何度も撮ってきた景色なので、そこまではカメラをバックに入れたまま行くことにした。

徳澤キャンプ場

途中、景色の開けた川原で食事休憩を挟み、徳沢キャンプ場に着いたのは昼前。

既に6割近く埋まったフリーサイトにテントを張り、女性陣はお昼寝タイム。男衆は横尾まで明日の下見に出かけた。

徳澤キャンプ場

翌朝3時過ぎ。周囲のざわめきで目が覚めた。そろそろ山屋達が涸沢に向けて出発準備を始める時間だ。

我々は6時に出発と決めていたが、おかげで早起きすることになり、夜明けを景色が開けた新村橋のあたりで迎えることになった。

モルゲンロート

この日は朝から最高のお天気。前夜は放射冷却となり、寒さで目が覚めるほどの冷え込みに見舞われたが、おかげで写真のような美しいモルゲンロートに遭遇。

これをより間近な涸沢で見る為に、現地に泊まる人もたくさんいる。

横尾で朝食を済ませ、先乗りしているもう一組の友人と合流し、いよいよ涸沢を目指す。

とはいえ、ほぼ中間地点の本谷橋までは景色もさほど変わらないので、筆者は道々の草木を撮りながら歩くことにする。

道中では、偶然にも和歌山の友人夫婦と鉢合わせ。パノラマコースから下山すると聞いていたので驚いた。4泊で西穂高から上高地を経て涸沢に上がり、さらに北穂高を極めてきたというのだから、もうほとんどアスリートである(笑)。

本谷橋

さて、狭くなった梓川が見えてきたら、中間地点の本谷橋。ここでゼリーなどの栄養補給食を食べて最後の難関に挑む。

夏はこの先の道で完全にグロッキーになったが、今回はさすがに違った。トレーニングの成果なのか、体調なのか、それとも気候のおかげなのか… 

いずれにしても、スイスイと山道を駆け上がり、最後まで誰にも抜かれることなくヒュッテに到着。これには自分達も驚いた。

ナナカマド

涸沢の紅葉が例年に比べて遅れているのは分かっていたので、景色にそれほど期待はしていなかったが、途中からは真っ赤に染まったナナカマドも登場。これなら 涸沢ヒュッテからの景色にも期待できそうだ。

そして…

涸沢

おお~、日本にまだこんな景観が残っているのか!

少し大袈裟かもしれないが、涸沢の秋はまさにそんな思いを抱かせてくれるパノラマ絵巻だ。夏は広角レンズを持参していなかったため縦アングルしか撮れなかったが、今回は35ミリフル画角で撮れるニコンD700に18ミリレンズを持参し、リベンジを果たした。

もっとも… 2016年の現在なら、この10年間で驚くほど進化したスマホで同じような写真が撮れるかもしれない(笑)。

天気・自然のコンディション・自らのコンディション・そして体力と経験… 多くの要因が合致して撮れる涸沢の紅葉だからこそ、筆者は価値があるように思う。その意味では、今回は本当にラッキーだった。ありがとう!

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