この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

上高地って、どこにあるの?
この話は経験者には愚問に思えるかもしれないが、これから初めて訪ねようという人にすれば、至極当たり前の疑問だと思う。
なぜなら、上高地は国道158号から遠く離れた山間部にあるため、マイカーの車窓からその様子を見ることはできない。
周辺をドライブしただけでは、正確な場所が分からないのはそのためだ。
上高地 車中泊旅行ガイド【目次】
1.上高地は通年マイカー乗り入れ禁止
長野県の松本と岐阜県の平湯を結ぶ、国道158号から分岐する「県道上高地公園線」では通行規制が行われており、年間を通じて写真の「釜トンネル」から先にマイカーを乗り入れることはできない。
つまり上高地に行くには、岐阜県側の奥飛騨温泉郷・平湯温泉にある「高山市営あかんだな駐車場」、もしくは安房トンネルを超えた長野県側にある、沢渡地区の乗り換え駐車場から、シャトルバスかタクシーを利用する必要がある。


2.周辺観光地との位置関係
上高地は、岐阜県の奥飛騨温泉郷・平湯温泉から写真の安房峠を超えたところにある。
所在地は長野県松本市だが、県境は安房峠の途中にあるため、距離的には松本市街地より高山市の平湯温泉のほうが圧倒的に近い。

なお、安房峠はこんな道。
有料にはなるが、今は一直線に走り抜けることができる「安房トンネル」があるので、ケチらず楽チンなそちらを走ろう(笑)。
今度は長野県側。

また乗鞍高原には、スキー場と硫黄泉の温泉郷があるが、マイカーで進めるのはその先の三本滝駐車場まで。

この「エコーライン」と同じ終着点の「畳平」に、岐阜県側の「ほおのき平」から登る道が、有名な「乗鞍スカイライン」だ。もちろんこちらもマイカーは通れない。
3.上高地は車中泊旅行にマッチする旅先
上高地は休日数に応じて単独で楽しんだり、周辺の観光地と抱き合わせて訪ねることもできる汎用性の高い観光地で、さらに足を伸ばせば、安曇野や松本も加えられる。
天気に恵まれない時は、温泉や史跡を訪ねてまわろう。
景観が魅力の上高地は「晴れてナンボ」。
その意味からも、行動範囲が広く、予約不要で予定変更のしやすい車中泊旅行向きの旅先といえる。