この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
裏磐梯の「要」は、五色沼。
五色沼とは
五色沼にある毘沙門沼から磐梯山を見ると、山頂部が大きく崩落していることに気がつく。
それは1888年に生じた水蒸気爆発によるもので、火砕流が川をせき止め、このあたりには桧原湖、秋元湖、小野川湖を筆頭に、数百に及ぶ湖沼が形成された。
その後数十年間は荒涼とした原野のままだったが、裏磐梯緑化の父と呼ばれる遠藤現夢が私財を叩いて植林を始め、観光地化が始まる。
五色沼は地域の名称で、水質や植物により赤、青、緑などの色彩を放つ沼が点在することに由来している。
五色沼自然探勝路の概要
「五色沼自然探勝路」は、毘沙門沼から柳沼に至る全長3.6キロ、所要時間約70分のハイキングコースだ。
クルマは毘沙門沼か柳沼のどちらかに近い無料駐車場に置き、帰りはバスかタクシーで取りに戻るといい。
もちろん健脚なら徒歩で往復してもかまわないが、どうせならこれに乗るほうが面白い。
写真の「桧原湖周遊レトロバス」は、家庭や宿泊施設から回収した天ぷら油をリサイクル燃料にして走っている。
なお筆者は毘沙門沼に近い、この「裏磐梯ビジターセンター」前の駐車場にクルマを停め、事前に少し予習をしてから出発するのをお勧めする。
ここからは「五色沼自然探勝路」の様子をご紹介。
高低差が少ないので、息が上がることはないと思うが、途中にはトイレも売店もないので、飲み物は持参していこう。
ご覧の通り、道中にはデコボコした箇所が多いので、最低でもスニーカー、安全を期すならトレッキングシューズの使用が望ましい。
「五色沼自然探勝路」の途中には、ところどころにベンチが置かれているので、お弁当を広げることも可能。
ただし、ゴミを放置するとやばいことになりかねない(笑)。
クマに関しては、人が多い時間帯はそう心配はないと思うが、静かな早朝に散策したいのなら、熊鈴を用意して出かけよう。
ちなみに、紅葉が美しいのは「柳沼」の周辺だ。
五色沼の駐車場と車中泊スポット
「五色沼自然探勝路」で触れた通り、五色沼には「毘沙門沼」と「柳沼」の、それぞれ近くに無料の駐車場がある。
毘沙門沼側の駐車場
クルマが停められるのは、上のマップの3ヶ所だ。
❶裏磐梯ビジターセンター前駐車場
一番分かりやすいのは、「裏磐梯ビジターセンター」前の駐車場。
❷五色沼入口駐車場
「裏磐梯ビジターセンター」前の駐車場のすぐ隣りにある。ただし奥に見える「五色沼入口観光プラザ(裏磐梯観光協会)」のトイレは夜間閉鎖される。
❸五色沼駐車場
毘沙門沼の畔にある。ここは足の不自由な人にはお勧めだが、やはりトイレが夜間閉鎖されるため、車中泊はできない。
柳沼側の駐車場
わかりやすいのは、「柳沼」のすぐ近くにある「裏磐梯物産館」の駐車場だ。
お土産を買わなくてもクルマは無料で停めさせてくれるが、トイレが館内にあるため、車中泊には適さない。
五色沼へのアクセスルートと車中泊スポット
五色沼へのアクセスルートは2つあるが、それは裏磐梯をピンポイントで周るのか、会津から米沢に向けて進む途中で立ち寄るのか、旅の目的に応じて選べばいい。
磐梯山ゴールドライン・ルート
「磐梯山ゴールドライン」は、「道の駅ばんだい」の近くから桧原湖に向かって、磐梯山の西側中腹を縫うように走る全長約17・6キロの観光道路。かつては有料だったが、2013年(平成25年)7月に無料開放されている。
喜多方・ルート
裏磐梯の自然だけでなく、文化や特産品にも触れて帰りたい人には、会津若松から喜多方経由がお勧めだ。
喜多方市内には昔ながらの酒蔵と喜多方ラーメンの店が軒を並べており、それらを訪ねてまわるのも面白い。