25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、南信州の阿智村にある「はなもも街道」の見どころ・アクセス・駐車場、そして車中泊に関する詳細情報です。
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
もはや大人気となった「花桃の里」の観光は、一筋縄ではいかない。失敗しないためには”正しい予習”が不可欠

「花桃の里」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2009年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2015.03.16
2016.05.02
2024.09.16
2025.04.25
※「花桃の里」での現地調査は2025年4月が最新です。
月川温泉郷「花桃の里」
撮影&車中泊ガイド

まず知るべきは、正しい現地の地理情報

長野県南部の阿智村に、「花桃の里」と呼ばれる美しい”桃源郷”があるらしい…
例年、ニュースで桜の話題が尽きた頃に取り上げられる、この話を見聞きする人は多いと思うが、実はそこには「はなもも街道」と「花桃の里」、そして「昼神温泉」の3つの話が混在している。

ネット上にある「花桃の里」の情報の大半は、公共交通機関で現地を訪れる人に向けてのもので、ピンポイントで『月川(つきかわ)温泉郷の「花桃の里」』のことを紹介している。
ゆえに我々のようなマイカー旅行者には、正直云ってまったくの情報不足だ。
ドライバーは、最初に「はなもも街道」と「花桃の里」、そして「昼神温泉」の正確な位置づけと関連性が分かっていないと、現地で大いに戸惑うことになる。

●花桃の里
月川温泉郷にある「花桃まつり」会場周辺の呼称。
●はなもも街道
木曽路の「妻籠宿」に通じる国道256号の一部の区間で、「中央自動車道」方面からアクセスする場合は通らない。
●昼神温泉郷
「中央自動車道」方面からアクセスする際に、「花桃の里」より前に通る規模の大きな温泉地。
「花桃まつり」会場からは約8キロ離れたところにあるが、「月川温泉郷」には宿泊施設が少ないため、泊り客の大半はこちらを利用している。
また、後述するベスト車中泊スポットもここにある。
そもそもの始まりは…

赤・白・ピンクの三色に咲き分ける花桃は、花の観賞を目的に改良された桃の木で、1922年に木曽川を開発した関西電力の社長「福沢桃介(福沢諭吉の娘婿)」氏が、ドイツのミュンヘンでその美しさに魅せられて3本の苗を購入し、帰国後「大桑村」の「須原発電所」構内に植えたのが、日本での植栽の始まりと云われている。

それから20年余年を経た1945年、「須原発電所」に長年動めていた「妻龍(つまご)」に住む男性が、美しい花桃を増やしたいとの想いから、落ちた実から苗木を育て、地元の国道256号沿いに植えた。
それが「はなもも街道」のルーツだ。
さらに30年を経た1974年頃、「妻龍」から「清内路(せいないじ)村」に嫁いだ女性が、嫁入り道具で持参した花桃の木を元に、地域の人々が村内にその植栽を増やしていった。
そして1991年 。

「阿智村」の「月川温泉郷」に、地域振興事業として旅館「野熊の庄 月川」が開業。
社長の「渋谷秀逸」氏は「清内路村」から花桃の木の苗を譲り受け、開業から4年間かけて、旅館の周りや村道沿いに約1000本を植栽する。

その努力が実を結び、やがて一帯は「花桃の里」と呼び親しまれるようになった。
現在「阿智村」全体では約一万本の花桃が植えられており、4月初旬から5月初旬に開催される「花桃まつり」には、毎年数万人もの観光客が訪れている。

同じ阿智村の10キロも変わらないところにありながら、「花桃の里」がある「月川温泉郷」では、「昼神温泉郷」よりも1週間ほど花桃の開花時期が遅い。
つまり「昼神温泉郷」で”満開”を迎えても、「花桃の里」ではまだ”咲き始め”であることは珍しくはなく、むしろ妥当だ。
よってチェックすべきは、「花桃の里」の開花状況であることを覚えておこう。
これは非常に大事なことだが、あまり大きくアナウンスされていない。

「昼神温泉郷」にすれば、『うちが満開の時には、「花桃の里」はまだ蕾です』、あるいは「花桃の里」が満開の時はもう散り始めです』とはなかなか云えない(笑)。
なお両者の開花状況は、以下のサイトで確認を。これはかなり正確で信用に値する。
「花桃の里」の駐車場事情

さて。
車中泊の有無に関わらず、すべてのクルマ旅客がもっとも気になるのは駐車場だ。
そこで現地情報の筆頭として、『「花桃の里」の駐車場事情』から説明しよう。

このマップは2025年4月に現地調達してきたもので、クルマでアクセスすると、「花桃まつり」の期間中はブルーでトレースしている区間が一方通行になる。

ご覧の通り、ベストと呼べるのは「野熊の庄 月川」にもっとも近い第2駐車場だ。

ここはまつりの屋台ブースに隣接しており、近くにある多目的トイレの中には、ウォシュレットが完備している。

ただし2025年は金曜日の朝8時時点でほぼ満車。ピーク時にはかなりの競争率になると思っておいたほうがいいだろう。
ゆえにどうしても休日に行きたい場合は、ここで車中泊をする手もある。
駐車料金は9時~16時が1台1回1000円で、夜間は無料になるようだ。
ただ早起きに自信があるなら、車中泊には後述するもっと適した場所がある。

ちなみに、
クルマで「花桃の里」を目指してくると、最初にこの「第5駐車場」が現れる。
ここより先の駐車場に空きがないことを恐れ、早めにクルマを駐めたくなるかもしれないが、さきほどのマップを見れば分かるように、ここから先には第2・第3・第4駐車場があるので、気にせずどんどん前に進む方がいい。
「花桃の里」撮影スポットガイド

この件については、あなたがいちばん知りたいであろう場所から、単刀直入に紹介することにしよう(笑)。
ポスターやパンフレットによく使われているこのカットが撮れるのは、「野熊の庄 月川」を見下ろす高台の路上からで、特に展望所としての名前もない場所だ。

こちらが現地の様子。

行き方は次の通り。
展望所に通じる道の入口は、うどんののぼりが立つ「喫茶やまなか」と、多目的トイレに隣接する「阿智西自治会館」がある広場の間にある。

「地元車両以外進入禁止」と書かれた看板と、誘導員が構えているので、すぐに分かると思うが、ここから先は坂道を500メートルほど歩く必要がある。

展望スペースには5.6人しかカメラが出せないので、お馴染みの写真が撮れたら、そこで長々とモニターチェックをせず、次の人のために速やかに場所を空けよう。
ちなみに、こういう時に失敗しない撮影の秘訣は、『小さめに被写体を撮っておくこと』。今のスマホはトリミング機能がついているので、後で修正できる。
眩しくてモニターがよく見えない日に、完璧にスマホで写真を撮るのは、プロにもできないスゴ技だ(笑)。

また下りになる帰路でも、おもしろいアングルは見つかる。むしろ持ち前のセンスは、こういうところで発揮される。

続いて「野熊の庄 月川」周辺の撮影ポイントを挙げよう。

バリエーションに富んでいるのは、やはり川沿いの歩道で、さきほどの展望所から見たこの場所になる。

続いては「野熊の庄 月川」の裏にある川沿い並木道。

ここからは鯉のぼりとともに、いかにも「花桃の”里”」という風情が感じられた。
もちろん風を受けて、鯉のぼりが勢いよく泳ぐのを待つくらいの辛抱は必要(笑)。
なお車道を花が飾る光景は、「はなもも街道」よりも「昼神温泉」から「花桃の里」に向かう道中のほうが美しい。

ポイントは第5駐車場から第2駐車場までの区間で、ここは前の車窓から撮るほうがそれらしい絵になる。
少し余談になるが、
実はもっと「はなもも街道」と呼ぶにふさわしく思える「花桃街道」が、約100キロと遠く離れた岐阜県の明宝にある。

こういう写真が撮りたいという人のために、ざっくりと場所を教えよう。
下のGoogleマップに出ている「瑞山街道」は、岐阜県道86号のことで、「弓掛川」沿いに花桃の木が約1キロにわたって植えられた道が並行して通っている。

「瑞山街道」から見るとこういう景色。
筆者は「道の駅 明宝」に向かう途中で、偶然気がつき足を運んだのだが、クルマ旅はそれができるのがいいね。
ここは地元のガイドでも紹介している。
周辺の車中泊事情とベスト車中泊スポット

まず近畿・東海方面から「中央自動車道」でアクセスするなら、上り線の「恵那峡SA」で「前泊」するのがお勧めだ。
ここから「花桃の里」までは約30キロ・30分ほどの距離になる。

逆に「花桃の里」を見たあとで車中泊をするなら、「くるま旅クラブ」の契約施設「ひるがみの森」が、駐車場での車中泊を受け付けている。

実際に筆者は、友人夫婦とここで泊まったが、RVパークと違って車外にテーブルとイスを広げて調理や食事ができ、キャンプ気分で寛げる。
この動画は「ひるがみの森」が制作したものだが、よくできていて分かりやすいので、興味のある方はご覧いただくといい。
利用料金は以下の通り。
一般利用料金
4000円 1台(縦5m以内)2,500円。
※入浴料(入り放題)大人1,500円込み
スタンダード会員料金:3500円
プレミアム会員:3000円
会員料金については、こちらのページに詳細記載
※上記の「くるま旅クラブ」に入会すれば割引が得られるが、年に何度か利用しないのなら不要かと。
筆者は雑誌ライターを卒業後に脱会した。

一瞬「高いな!」と思うかもしれないが、入り放題の温泉代込みで、昼の12時から翌日昼の12時まで最大24時間利用できるため、「花桃の里」の観光駐車場で泊まり、別途日帰り温泉代を払うより「お得感」がある。
”信玄の隠し湯”のひとつとされる「昼神温泉」は、傷ついた兵士の療養に使われていたと伝わる名湯で、泉質はpH9.7のアルカリ性単純硫黄泉。
俗に云う”美人・美肌の湯”だ。
なお源泉は共通で、お湯はそこから各旅館に配給されている。
筆者の実泊レポート記事はこちら。
また「ひるがみの森」から、名物の「朝市広場」までは歩いて行ける。

ちなみに、「月川温泉郷」の「花桃の里(野熊の庄 月川)」に最寄りの道の駅は、約20キロ・30分のところにある「道の駅 信濃路下條」になる。
この道の駅はコンビニや日帰り温泉から近く、1000円でそば打ち体感もできる。
また多少遠くても温泉併設で居心地がいいのは、「道の駅 信州平谷」だろう。
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