この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
テレビ・雑誌御用達の「鷲の宿」がリニューアル
この写真を見て「なんだ、やっぱりあそこか」。
バーダーならそう思った人も多いに違いない。だが、誰にも「初めての時」はあったわけで、このページは憧れのシマフクロウに初対面したい人に向けて書いている。ということで、まずはシマフクロウに関する簡単な説明から始めよう。
シマフクロウは、アイヌの守護神「コタン・コロカムイ」として、昔から北海道の森を棲家としてきた世界最大級の猛禽だ。
だが、開拓以降は森林の伐採と、砂防ダム建設に伴う渓流魚の減少が重なり、現在は北海道全体でも約140羽(H22年調査)しか生息しないといわれている。
そのため、絶滅のおそれが最も高い絶滅危惧ⅠA類に指定され、環境省では人工の巣箱を木に掛け、電線に止まって感電死しないよう止まり木を設けるなど、シマフクロウの保護繁殖に力を入れてきた。
「シマフクロウ オブザバトリー」は、少し前までは「鷲の宿」の名前で、日本のみならず世界中のバーダーによく知られた存在だった。
筆者がここを訪ねた最後の年が2011年なので、もう8年以上前のことになる。
女将さんの話では、冬になると各国のテレビクルーが、ここに泊まってネイチャークルーズの船に乗り、流氷の上のオオワシを撮りにやってくるという。
まあ、これは今でもそうだと思うが、筆者もネイチャークルーズの船の上でこの宿の存在を知った。
当時は鷲の宿の部屋からか、川岸に停めたクルマの中から撮影するルールだった。
現在は煖房の効く観察小屋が作られ、野外の場合はその中から撮影するよう変わっている。
詳しいことはホームページで確認を。
なおインターネットで調べているうちに、興味深い記事を発見。ここには「鷲の宿」から「シマフクロウ オブザバトリー」になった経緯というか背景が記されている。
ちなみに鷲の宿は現在も健在で、宿泊もできるようだ。
鷲の宿
〒086-1816 北海道目梨郡羅臼町共栄町
☎0153-87-2877
宿泊料金:9000円(1泊2食)
客室数:和室 4部屋