この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
道東は北海道をクルマで旅する人が、最初に目指す「憧れの大地」
ざっくり道東【目次】
道東には2つの周遊ルートがある。
まるでサファリのような景色が広がる「釧路湿原」。
野生のヒグマやシマフクロウ、さらに海にはシャチまで生息している世界自然遺産「知床半島」。
そしてクロユリやエゾカンゾウなどの高山植物とともに、最近では野生のラッコの繁殖も確認されている「霧多布岬」…
この日本離れした情景に憧れて北の大地を訪れる旅人にとって、道東はきっと「北海道そのもの」に違いない。
実は、道東で名を馳せている観光スポットの大半は、海岸沿いに位置している。
ということは、必然的に初めて道東を訪れる旅行者の大半は、釧路から根室・知床を経由して網走さらにサロマ湖へといたる海岸沿いの観光地を、時計回り、もしくはその反対回りでめぐって行くことになる。
ゆえに筆者は、それを「道東ファーストルート」と呼んでいる。
ただ「道東」の見どころは海岸エリアだけじゃない。
内陸部には、摩周湖を筆頭に屈斜路湖や阿寒湖、さらにはオンネトーなどの美しい湖と、「大地」と呼ぶに相応しい大農場地帯が広がっている。
この内陸部を辿る旅路が「道東セカンドルート」だ。
ただ道東の旅は、そう安々とこちらの思うようには進まない(笑)。
道東観光の留意点は「天気」
北海道はどこでもそうだが、特に道東は「晴れてナンボ」。
大自然の景観が最大の魅力だけに、雨の日には極端にすることがなくなる。
ゆえに観光バスツアーのようにスケジュールを固定して、「釧路」→「根室」→「知床」→「網走」というように、道東各地の有名な観光スポットを「点」で繋ぐような旅は、途中で天気が崩れ、思っていた景色に出会えなくなることも珍しくはない。
もちろん好天が長く続くようなら、時間とガソリンのロスも少なく、車中泊スポットもよく揃った「道東ファーストルート」や「道東セカンドルート」を周回していくプランがベストであることは確かだ。
しかし、北上した梅雨前線にかかりやすい7月下旬から8月上旬の道東では、経験上、一度天気が崩れると数日間は回復しないケースが多い。
そうなると天気に合わせて、人が「臨機応変」に対応するしかなくなる。
それを前提にしつつ、憧れの「絶景」をモノにするには、事前に行きたいエリアの見どころを洗い出し、地理に関係なく優先順位をつけておくといい。
そうしておけば、仮に半日しか青空が見えなくても、絶対に見たい景色を外す確率はぐんと下がる。
このホームページに「晴れた日の写真」が多いのは、それを何年も積み重ねてきた成果と云っても過言ではない。