北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年6月現在の「道の駅 なないろ・ななえ」の車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 なないろ・ななえ」は、車中泊クルマ旅における函館観光の要にふさわしい「旅の宿」
「道の駅 なないろ・ななえ」 DATA
道の駅 なないろ・ななえ
〒041-1102
北海道亀田郡七飯町峠下380−2
☎0138-86-5195
営業時間:9時~18時
12月31日〜1月3日 休館
「道の駅 なないろ・ななえ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回 /第48回
登録日/2017年11月17日
「道の駅 なないろ・ななえ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2018.07.31
2020.08.05
2021.04.21
※「道の駅 なないろ・ななえ」での現地調査は2021年4月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 なないろ・ななえ 【目次】
「道の駅 なないろ・ななえ」のロケーション
「道の駅 なないろ・ななえ」は、2018年3月に札幌と函館を結ぶ主要幹線の、国道5号沿いにできた道の駅。
函館市街から約20キロ・クルマで30分ほどのところにある。
「道の駅 なないろ・ななえ」から函館市内に向かう途中には、桜の名所でも知られる「五稜郭」があり、あわせて観光することが可能だ。
また「道の駅 なないろ・ななえ」から少し北に向かえば、道南屈指の人気リゾートエリアと呼ばれる、風光明媚な「大沼公園」にも簡単に行くことができる。
「道の駅なないろ・ななえ」で車中泊をするメリット
にもかかわらず…
オープン以来、「道の駅 なないろ・ななえ」の紹介には、”新しくてキレイでグルメが充実している”という、若者が好みそうな話ばかりが目立っている。
さらにその影響を受け、近年のブームに乗って車中泊を始めた人の中には、老若男女を問わず、評判の「道の駅 なないろ・ななえ」で車中泊をすること自体が、目的になっている人が多い。
その結果、『今回は「道の駅 なないろ・ななえ」に車中泊をしにやってきました~』みたいな(笑)、Youtubeを含む「金太郎飴的情報サイト」が次から次へとアップされてくる。
しかもその大半には、ちょっと歴史的知識が必要な「五稜郭」はもちろん、函館観光には欠かせない「函館山」「金森赤レンガ倉庫」に関する記載すらなく、どっちでもいいような「ラッキーピエロ」と「ハセスト」が決まって登場するから、もはや笑うしかない。
なぜなら、それらの情報を加えるためには、”余計なお金と時間”がかかる。
つまり道の駅の紹介を金儲けとして見ているから、コスパが下がるわけだ。
”金太郎飴的情報サイトの発信者”と筆者の一番の違いは、サイトの内容を左右する「車中泊」の位置づけにある。
ラッキーピエロの看板アイテムを例に説明すれば、彼らはひたすら挟まれたチキンの味だけを評し、筆者はこの「チャイニーズ・チキンバーガー」が、ランチとして食べるにはどうなのかを解説するわけだ。
彼らにとって車中泊は「目的」だが、筆者の目的は「クルマ旅=観光旅行」であって、「車中泊」はその「宿泊手段」に過ぎない。
ゆえにもし車中泊ができなくても、礼文島のようにそこが本当に行ってみたい場所であれば、ホテルやテントキャンプを「宿泊手段」に選ぶこともある。
云い換えれば、彼らのコンテンツは「食う」「寝る」だけで、筆者は「遊ぶ」に「食う」「寝る」が付随している。
というわけで…
当サイトでは、道南エリアを車中泊のクルマ旅で有意義に周ってみたい人に向けた、「道の駅なないろ・ななえ」の具体的な活用方法を最初に紹介したい。
先を急ぐ人は、次をクリックすると施設の紹介までジャンプできる(笑)。
「道の駅なないろ・ななえ」の活用法❶
フェリーで函館港に到着した夜の「旅の宿」
もっとも理に適った活用法は、青森県からフェリーで函館に上陸した日の夜に、「道の駅 なないろ・ななえ」で車中泊をすることだろう。
津軽海峡フェリーの場合、青森港から函館港までの所要時間は3時間40分で、青森港14時20分発の便に乗船しても、函館港到着は18時になる。
函館港から「道の駅 なないろ・ななえ」までは、約20キロ・クルマで30分。夕食とお風呂を済ませて行くのに、ちょうどいい頃合いだ。
ちなみに最終便の函館港到着時間は深夜の2時5分。とんでもない時間帯にやってくるキャンピングカーがいるのは、きっとこのせいなのだろう。
「道の駅なないろ・ななえ」の活用法❷
大沼公園を日帰りで一周した日の「旅の宿」
「道の駅 なないろ・ななえ」ができるまでの「大沼公園」は、亀田半島全体を周遊する際に立ち寄るか、現地で車中泊をするしかなかったが、現在は「道の駅 なないろ・ななえ」を起点にすれば、日帰りで周ってくることができる。
ルートは2つあり、赤のルートは道の駅が点在する大回りで、青のルートは大沼の美しさが満喫できるショートカットになる。
これは北海道の滞在日程が短い、現役世代の車中泊旅行者にとっては大きなメリットで、「道の駅 なないろ・ななえ」によってもたらされた、道南クルマ旅最大の利点かもしれない。
「道の駅なないろ・ななえ」の活用法❸
渡島半島をショートカットで周遊する際の「旅の宿」
道南の旅で、中高年にとって特に興味深いのは、江戸時代にニシン漁と北前船で栄えた、松前や江差だと思う。
しかし両者が位置する”渡島半島の日本海側”に出てしまうと、かつては寿都まで海岸線を走り、そこから黒松内に出て、噴火湾側に戻るロングランが「クルマ旅の最短ルート」とされてきた。
だが、これは歳を重ねると辛い(笑)。
しかし「道の駅 なないろ・ななえ」ができたことで、江差からほぼ真横に渡島半島を縦断するルートで、噴火湾側に戻れるコースが組めるようになった。
松前と江差のいいとこ取りがロスなくできるこのコースは、中高年だけでなく❷でも書いたように、現役世代の車中泊旅行者にとってもメリットになる。
「道の駅 なないろ・ななえ」の施設
さてここからは「道の駅 なないろ・ななえ」の施設ガイドになるのだが、まずは入口の話から始めよう。
「道の駅 なないろ・ななえ」は、ご覧の通り横長の敷地だが、面している国道5号からは直接入場することができない。
そのため、黄色の★印の交差点で一度曲がる必要があるので、特に函館方面からアクセスする際には気をつけよう。
「道の駅 なないろ・ななえ」が見えてきても、入口を探してスピードを落とすのは、とても危険な行為になる。
北海道のクルマはみんな飛ばすので、気の短い奴はクラクションを鳴らしてくる。
こちらが航空写真のAにあたる駐車場。もっとも駐車台数は多いが、トイレにちょっと遠いのが玉に瑕。
ただ利用者の多い夏の間は、駅舎内のトイレも夜間開放されるという情報もある。
もちろんトイレにウォシュレットがあるのは云うまでもない。
車中泊で利用する際に気になるのは騒音だが、国道5号がすぐ前を通るのだから、そればかりは致し方ない。
ただ24時間トイレに近いマップのBは、大型車の駐車場に近いので、いちばん騒音の被害には遭いやすい。
静かそうなのは道の駅のサイドにあるマップCの駐車スペース。
ただもしかすると、従業員用の場所かもしれないので、車中泊をするにしても開店前には立ち退こう。
続いて館内をご紹介。
エントランスホールから撮影したカット。
天井が高く、開放感があるうえに垢抜けしてますなぁ(笑)。
函館に近いうえに真新しいのだから、当然といえばそれまでだが、東京の人は別として、筆者程度の中途半端な都会人を惑わせるには十分な内容だった(笑)。
もちろん棚には、「そそる土産物」がしっかりと揃っている。
観光案内のインフォメーションもきちんと備えられており、道路利用者の休憩施設としても十分に機能している。
ところで…
「道の駅なないろ・ななえ」のニックネームをご存知だろうか?
~西洋式農法発祥の地~なないろ・ななえ
西洋式農法発祥の地として歴史的遺産を継承する地、地元生産品に付加価値をつけ「食・歴史・文化」にスポットをあて、町の魅力を最大限発揮することのできる情報提供施設
さすがはお役人さんが作った文章だけあって、石のように硬いのだが(笑)、これが「道の駅なないろ・ななえ」設立のひとつの趣旨になっている。
そして「道の駅なないろ・ななえ」本体の開業からおよそ1年遅れの2019年4月、敷地の一画に満を持してオープンしたのが、この「THE DANSHAKU LOUNGE」と名付けられたミュージアム・ストアだ。
「THE DANSHAKU LOUNGE」は、「男爵いも」の生みの親、川田龍吉男爵のミュージアムで、当時のアメリカ製蒸気自動車や農耕具、家具などを展示している。
ミュージアムと関連商品のショップが一体になっているので、長時間楽しむことができるし、衝動買いしたくなるのが特徴だ。
もちろん、テイクアウトのコーナーも「男爵いも」。
ここまでやるから統一感が生まれる。
「道の駅 なないろ・ななえ」車中泊好適度
「道の駅 なないろ・ななえ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:24時間トイレの前に設置
筆者が取材した2021年4月には、館内に可燃物のゴミ箱が置かれていたが、2022年の夏に行かれた知人の情報によると、このゴミ箱が見当たらなかったようだ。
また同時期に「道の駅なないろ・ななえ」を訪れているブロガーの記事にも、可燃物のゴミ箱はないと記載されているので、撤去された可能性が高いと思う。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 なないろ・ななえ」最寄りの温泉&周辺買い物施設
約6キロ・クルマで10分弱
☎0138-64-1126
大人450円
10時~22時・無休
コンビニ
セブン・イレブンまで約2キロ。
スーパーマーケット
最寄りの食品スーパーは、約4キロのところにある「スーパー魚長 桜町店」。