北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきたクルマ旅専門家が、北海道のソウルフード「自家製イクラの醤油漬け」レシピをご紹介。
「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介。
サケの生筋子から、イクラの醤油漬けを自作する。
イクラの醤油とは…
本州ではあまり見かけないが、北海道ではスーパーの鮮魚コーナーをよく見ると「筋子」のパックが並んでいる。
「筋子」というのは、サケ科魚類の卵巣に入ったままの卵のことで、その名の通り、筋のような卵巣膜で卵が繋がっている。
この卵巣膜を取り除き、一粒一粒バラバラにしたものが「イクラ」だ。
我々が口にしているのは、そのイクラをさらに醤油だれに漬けこんだもので、手間暇がかかっている分、値段も高い。
そこで北海道の取材中に原材料の筋子を仕入れ、知り合いの奥様から手ほどきを受けて、キャンプ場でイクラづくりに挑戦した。やってみると…
なるほど、いかにもこれは北海道らしい「野外料理」だ(笑)。
手順1 筋はがし
ボールに熱めのお湯(約45度くらい)を張り、まずその中で筋子を洗いながら、揉みほぐしていく。
次に100円ショップで手に入る焼き網(目が細かいタイプがいい)に、筋子を押し付けるようにして卵巣膜を破り、筋子を細切れにする。
手順2 イクラの洗浄
ボールに水を汲み、その中でイクラを洗浄する。水を汲み替えながら手のひらにイクラをすくい、破れて皮だけになった白い残骸を小まめに取り除いていく。
お米を研ぐ時と同じ要領で、ボールの水が白濁しなくなれば洗浄は完了だ。
手順3 タレ作り方と漬け込み
写真の調味料をミックスして、イクラを漬け込む醤油ダレを作る。
配合の目安は以下を参照に。
タレが調合できたら軽く火にかけ、お酒のアルコールを飛ばす。
こんな時はそのままコンロにかけられるシェラカップが重宝する。
タレが冷めたら、イクラを浅めで蓋付きのプラスチック容器に移し、上からまんべんなくかけてやる。
その後冷蔵庫に入れて半日寝かせば、イクラの醤油漬けの完成だ。
試食
翌日の昼食は、作ったイクラをたっぷり載せた北海道版の「親子丼」。こっちでは鶏じゃなく鮭が素材になるという。
ちなみに夕食は石狩鍋・料亭風。
庶民は買ったイクラを、もったいなくて鍋には入れられない(笑)。
筋子購入前の留意点
最後に注意事項を。
北海道では8月後半になればスーパーの店頭に生の筋子(腹子)が並ぶが、本州で入手できる筋子の大半は塩蔵加工が施されているため、最初に「塩抜き」をするといい。
方法は基本的には「塩数の子の塩抜き」と同じで、1~2%の塩水(水1リットルに対し、10~20gの塩を溶かす)に半日から1日着けておくだけだ。