北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年6月現在の「道の駅 おとふけ」の車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」は、2022年4月に移転オープンした、車中泊専用駐車場がある道の駅
「道の駅 おとふけ」 DATA
道の駅 おとふけ なつぞらのふる里
〒097-0023 稚内市開運2丁目
☎0155-65-0822
営業時間
9時~18時
4月~10月:無休
11月~3月:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
「道の駅 おとふけ 」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第10回
登録日/1996年4月16日
移転リニューアル日/2022年4月15日
「道の駅 おとふけ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.07.04
2013.07.03
2020.08.03
移転リニューアル後
2022.07.29
※「道の駅 おとふけ」での現地調査は2022年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 おとふけ なつぞらのふる里【目次】
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の最寄りの温泉&買物施設
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の車中泊時にお勧めしたいアトラクション
「道の駅おとふけ」の旧施設
正式名称「道の駅 おとふけ」は、2022年4月に現在の「柳月スイートピア・ガーデン」の東隣に移転オープンしたばかりで、旧施設と区別しやすいよう、愛称を付け加えて「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」と称している。
こちらが約2キロ離れたところにあった「旧:道の駅 おとふけ」で、建物は2023年度に解体される予定だ。
ただ現時点でGoogle検索すると、まだこの「旧:道の駅 おとふけ」の情報サイトが上位に表示されてくるのでご注意を。
既に「旧:道の駅 おとふけ」は営業を終了しており、「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」は、まったく異なる施設内容になっている。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」のロケーション
道東自動車道の音更帯広ICからほど近い「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」は、JR帯広駅まで約8キロ、クルマで約20分のところにある。
同じくらいの距離に、2020年オープンの日帰り温泉施設を持つ「道の駅 ガーデンスパ十勝川温泉」があるが、温泉は若い女性客向けの美容を強く意識したスパになっており、料金も1500円とそれなりだ。
そのため車中泊のニーズには、「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」のほうが合致しているといえるだろう。
ただ近年の帯広周辺の道の駅は続々とリニューアルが進んでおり、上のマップに赤線を印した施設は、どこも遜色がないほど新しく、時流に応じた店内になっている。
また指定のゴミ袋を購入すれば、旅行ゴミを引き取ってくれる道の駅も多い。
そもそも帯広は、郊外にも見どころ・食べどころが数多く揃っており、1泊2日程度で周り切れるところではない。
ゆえにどっかりと腰を据え、道の駅をハシゴしながら、広大な十勝をクルマで旅してみられることをお勧めする。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の施設
車中泊旅行者がもっとも気になるのは、すでにマスコミやSNSで話題になっている、敷地の一画に用意されたこの「車中泊専用駐車場」だと思う。
使い方は簡単で、事前にウェブまたは現地で予約をするだけでいい。詳細は公式サイトの以下のページに記されている。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」車中泊専用駐車場について
そこに書かれた【ご利用注意事項】はこの通り。
- 自炊や車外での飲食、イス、テーブルの使用、テントの設営、火気の使用は禁止いたします。
- 洗面所での洗髪、洗濯、炊事等の行為、トイレ・排水溝に汚水を流す行為等は禁止いたします。
- ゴミは原則持ち帰りをお願いいたします。ただし、道の駅総合案内所にて有料のゴミ袋を販売しておりますので、引取を希望する方はご利用ください。
- 非常の際は、直ちに移動できるように心がけてください。
- アイドリングストップにご協力ください。また騒音を出す行為は禁止いたします。
- 事故・盗難等について当方は責任を負いかねます。十分ご注意ください。
- 防犯上の目的から、駐車場を防犯カメラで録画しております。
よく読むと、これはすべての道の駅にあてはまる内容であって、特別なものではない。つまり言い換えると「ここを利用するメリット」が分からない。
唯一云えるのは、「あなたは車中泊が正式に認められている場所を利用しています」というお墨付きだが、ベテランは「道の駅に左様なものは不要」であることを熟知している。
裏返せば、そういうものを求めていること自体が、ビギナーの証だ。
そもそも「車中泊専用駐車場」の収容台数は12台しかなく、満車時は他の道の駅と同じように、駐車場の空いているところで、普通に車中泊(国交省の云う仮眠)をしてもかまわない。
そのうえ、「車中泊専用駐車場」は緩やかに傾斜しており、トイレにも遠い。
そして…
車中泊旅行者というのは、みんな敏感で賢い(笑)。
この日の泊まり客の多くは「車中泊専用駐車場」を使わず、トイレに近くてフラットなこの正面の駐車場に集結していた。
予約ができるわけでなし、長期滞在ができるわけでなし… 利用者の立場で考えれば当然のなりゆき。
さらに懐疑的に云えば、クルマのナンバーで申込みをするため、施設側には「いつ・どの車種が・どのくらい車中泊専用駐車場を利用したか」というデータが残る。
それをどう利用するかが大事だが、このやり方では「使えるデータ」になるとは思えない。悪く云えば、無駄にサンプルにされるだけだ。
せっかくの行為をムダにするような発言で申し訳ないが、筆者の見解は、電源設備などなくても、フラットでトイレにも近い駐車場の一等地に場所を設け、完全予約制で連泊も可能、かつゴミ袋代込み1泊500円なら、利用者は殺到する。
無料だから文句が出る。
傲慢と揶揄されようが、道の駅が「有料なのだから無料の利用者よりも優遇されるのは当たり前」という理屈を、ゴミの回収と同じように全面に押し出せば、一般の利用者だって文句はいえない。
それが無理なら、力まず他の道の駅と同じでいいんじゃない。今の道の駅の体制では、RVパークを含めて、限りなくこういうことは難しいと思う(笑)。
そもそも「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の駐車場には、244台もの普通車が駐められる。
多少傾斜しているところはあるものの、そのほとんどが車中泊に支障はない。
IKKOさんじゃないが、「どんだけー」と云いたくなるほど広いんだぜ(笑)。
次に気になるのはトイレだが、トイレは車中泊専用駐車場側の角にある。
中はいうまでもないね(笑)。
情報発信コーナーを兼ねた総合案内所。
パンフレットの量は素晴らしいが、場所が奥まったところにあって、分かりにくいのが玉に瑕。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の館内で、もっとも面積を占めているのは、「なつぞらダイニング」と名付けられたフードコートだ。
ただ「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の近くには、帯広を代表するグルメの名店も多く、ここで食事をするほど胃袋にキャパが残るかどうかはわからない(笑)。
驚いたのは、なんと屋外の休憩用テーブルとチェアまでスノーピーク製。じーじはお持ち帰りされないかと、余計な心配までしてしまう(苦笑)。
それにこうゆうものも含めて、あちこちに「税金の無駄遣い」を強く感じた(笑)。
全体的に今は「テスト・トライアル」の段階で、数年後には運営がかなり変わっているかもしれないが、充実した施設のわりに、使いやすさや居心地の良さがあまり感じられない。
理由は参画した「コンサル」及び、担当責任者のレベルにあると思うが、同じニオイは帯広の新しい道の駅全体からも伺える。
簡単に云えば、見かけはいいが「利用者ファースト」じゃないってことだ。
さて。
最後は道の駅の愛称にも使われている「なつぞら」について。
道の駅と「柳月スイートピア・ガーデン」の間には、2019年に放送されたNHK連続テレビ小説「なつぞら」の十勝編に登場した、「柴田家の母屋・牛舎・サイロ」と、「菓子店雪月」を模した建物が建ち並ぶ「なつぞらエリア」がある。
ただここは、ドラマを知っているかどうかで面白さが大きく変わるだろう。
ストーリーとキャストは以下の動画で。
とはいえ、大ヒットと云われた「なつぞら」の総合視聴率は26.8%。
単純に云うと、このエリアの意味がわかる人は「4人に1人」の計算になる。
しかし見学無料とはいえ、道の駅にホントに要るの? これ。
ドラマに登場した「おバタ餡サンド」のモデルとも云われる「あんバタサン」で名を馳せた、隣の柳月の敷地だったら分かるんだけどなぁ(笑)。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の車中泊好適度
「道の駅 おとふけ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内にあり(場所も仕様も捨てにくい)
缶・ビン・ペットボトル:館内にあり
まあ、使わないほうが無難。ここではお金を出してゴミを処分するほうがいい。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
天然温泉 やよい乃湯
道の駅から約7キロ。規模の大きな日帰り温泉施設で、一番気軽に行きやすい。
☎0155-66-4126
おとな450円
10時〜23時(受付最終22時30分)・無休(不定休)
駐車場132台 無料
コンビニ
セイコーマートが約2キロのところにある。
スーパーマーケット
約3.4キロのところに「フクハラすずらん台店」がある。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」のアクセスマップ
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の車中泊時にお勧めしたいアトラクション
ここまでは若干辛口の話が続いたが、「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」は帯広観光時の「旅の宿」としては十分で、筆者は「道東のベスト車中泊スポット」のひとつにも挙げている。
ここではその根拠にもなっている、「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」で車中泊をする際の「お楽しみ」を紹介しておこう。
柳月スイートピア・ガーデン限定
「三方六の切れ端」特売
「柳月」は「六花亭」と双璧を成す帯広の菓子メーカーで、ドラマ「なつぞら」に登場した和菓子屋「雪月」のモデルと噂されたことで、全国的にその名が知られるようになった。
「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の隣には、その柳月の「スイートピア・ガーデン」と呼ばれる工場直営店がある。
「スイートピア・ガーデン」では柳月を代表する「三方六(さんぽうろく)」と呼ばれるバームクーヘンが作られているのだが、毎朝その切れ端がここで特売される。
実はこれが道民に大人気。
毎日「まさかやろ」というほど人が並ぶこの特売への参加は、まさに「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の”車中泊ならでは”と呼べる「アトラクション」(笑)。
そこでそれを間違いなくゲットする作戦を、あなただけにこっそり教えよう。