この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 なかさつない」は、十勝エリアではもっともポピュラーで、中高年の車中泊旅行者が馴染みやすいタイプの道の駅。
「道の駅 なかさつない」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第11回
登録日/1996年8月5日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.10
2011.07.05
2013.07.03
2020.08.03
2022.07.30
道の駅 なかさつない【目次】
「道の駅 なかさつない」のロケーション
帯広市から南におよそ30キロのところに位置する中札内村は、「北海道に移住するなら、こういうところもいいな」と思える、十勝らしいのどかな農場エリアにある。
本人が筆者と同じように思ったかどうかは知らないが、タレントの田中義剛もこの地に「花畑牧場」を開業している(笑)。
また十勝は「ガーデン」でも有名だが、「道の駅 なかつかさない」から僅か1.5キロのところには、帯広を本拠地に北海道を代表する菓子メーカーへと成長を遂げた、「六花亭」が営む「六花の森」もある。
さらに質は違うが、メジャーな観光地としては、1970年代にその名を馳せた「幸福駅」が、「道の駅 なかさつない」から約7キロのところに残されている。
「道の駅 なかさつない」の施設
中札内村は1992年から1994年にかけて「アグリパーク」を整備し、「開拓記念館」や中核施設の「カントリープラザ」を設置して、農村と都市との交流拠点や自然環境を活かした憩いの場づくりを目指してきた。
「アグリパーク」は1996年に「道の駅」に登録され、その後2005年にリニューアルを受けて今日に至っている。
「道の駅 なかつかさない」で活気があるのは、「花水山内」と呼ばれている新鮮な季節の野菜と、きれいな花苗の直売所だ。
ここで旅人の目を引いているのが、珍しい「卵の自動販売機」。
またその横には、飲料水が無料で汲める水場がある。
ご覧のようにシンクが付いているので、分別廃棄される空き缶・ペットボトルの洗浄から、しいては洗面や車内で使った食器のすすぎ洗い程度なら、たぶん容認されているのだろう。
というのは、「道の駅 なかさつない」では「カントリープラザ」の売店で売っている専用のゴミ袋を買えば、旅行ゴミを引き取ってもらえる。
しかも、ここでは好きなサイズを選べるのがいい。
それは親切で嬉しいが、分別の内容を記したビラが旅行者にはとても分かりづらい。
だってポリバケツとか、今では誰も使っていないVHSのテープを旅人が捨てるか? いつの時代から内容を見直しもせず、同じものを使ってまんねん(笑)。
都会の旅行者が一番悩むのは、スーパーで売っている食料品に使われている、こういうビニールとプラスチックの区別がつけづらい容器だと思う。
こちらは、その後に訪ねた同じ十勝エリアにある「道の駅ぴあ21しほろ」で、ゴミ袋を購入した旅人に分別が分かるよう配られていたビラ。
だが同じプラスチックゴミでも、汚れていたら分別先が違ってくることまで、懇切丁寧にきちんと明記してある。
こうしてくれるだけで、都会人のゴミ分別は格段に精度があがり、道の駅のスタッフの愚痴も手間も半ば自動的に削減できる。
見習うべき手本はすぐ近くにあるのにね。
さて、こちらがゴミ袋を販売している「カントリープラザ」。
入館して左側には、ご覧の大きな観光案内所がある。
ただ、ここは2020年とは大きく様子が変わっていた。当時はこの場所に調理実験室があったのだが、それよりは現在のほうがいいと思う。
かわりにインフォメーションが売店の前にあり、たしかゴミ袋はここで売ってくれたような気がするが、現在は売店のレジカウンターで購入する。
売店は相変わらずゴチャゴチャだ。
まさに「北海道、なんでもありまっせ~!」みたいな(笑)。
そんな中で2020年に訪ねた時は、かぶれば誰もが草刈正雄になれそうな(笑)フェルト製のテンガロンハットが売っていたのだが、2022年にはもう置いていなかった。
ゴチャゴチャの店内で、キラリと輝くいい商品だと思って買ったが、十勝を舞台にした朝ドラ「なつぞら」にあやかる限定販売品だった可能性もある。
それなら得した気分で済むが、観光案内所ができたことで、もしかしたら指定管理業者か運営体制が変わったことが要因かもしれない。
次は車中泊についてだが、「道の駅 なかつかさない」の駐車場は平坦で、車中泊に支障はない。
ただ24時間トイレが、駐車場から見るとテナントの裏側にあるため、最初は少し戸惑うかもしれない。
トイレはウォシュレットで申し分なくキレイ。多少駐車場からは離れているとはいえ、これなら我慢ができるうちだろう。
さて。
ここ数年の十勝エリアは、相次ぐ道の駅の新規オープンと移転リニューアルに沸いている。
そしてその大半は、驚くほど物販飲食コーナーが充実した「新世代の道の駅」で、もはや休憩施設というよりは、都会のビルが立ち並ぶ一画にある複合テナントのような様相だ。
その中で「道の駅 なかさつない」だけは、これまで慣れ親しんできた道の駅のスタイルを維持している。
道の駅に求めるものは人それぞれ違うと思うが、「旅の宿」として利用したい筆者は、営業時間中しか楽しめない商業施設よりも、屋外の車中泊環境を重視している。
ゆえに、少々やぼったいくらいのほうがよく馴染める(笑)。
またここで偶然お会いした、筆者の本の読者と教えてくれた旅人は、約24キロ・クルマで30分ほど離れた、パークゴルフ場のチャンピオンコースが隣接する「道の駅 忠類」まで、ここで車中泊をしながら通っていると話されていたが、居心地を考えればその気持ちが分からないでもない。
車中泊旅行者にナウマン公園の利用を禁じた「道の駅忠類」は、その魅力を大きく損なってしまった。
というわけで消去法からしても、今の「道の駅 なかつかさない」は、十勝エリアで中高年が馴染める希少な車中泊スポットだと思う。
「道の駅 なかさつない」の車中泊好適度チェック!
ゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:同上
【プロの寸評】
ゴミが処分できて、目の前にスーパーがあるのは大きなセールスポイント。車内にキッチンがあるキャンピングカーが多いのは当然だろう。
道の駅 なかさつない オフィシャルサイト
「道の駅 なかさつない」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
福祉の里温泉
※約8キロ・クルマで10分
☎0155-53-3500
大人420円
13時~22時 (受付最終21時)・月曜定休
コンビニ
セイコーマートが約600メートルのところにある。
スーパーマーケット
マックスバリュが、国道236号を挟んだ向かいにある。その隣はドラッグストアのサツドラだ。
「道の駅 なかさつない」のアクセスマップ
十勝 車中泊旅行ガイド
道東 車中泊旅行ガイド


日本全国 車中泊旅行ガイド
クルマ旅のための車中泊入門サイト
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