北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年6月現在の「道の駅 ピア21しほろ」の車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 ピア21しほろ」は、アットホームで居心地がいい車中泊にお勧めの道の駅
「道の駅 ピア21しほろ」 DATA
道の駅 ピア21しほろ
080-1200
北海道河東郡士幌町字士幌西2線147
☎01564-5‐3940
営業時間
9時~17時
無休(年末年始のみ休業)
「道の駅 ピア21しほろ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第12回
登録日/1997年4月11日
移転日/2017年4月28日 移転リニューアルオープン
「道の駅 ピア21しほろ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.07.04
2017.08.18
2020.08.03
2022.07.31
※「道の駅 ピア21しほろ」での現地調査は2022年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 ピア21しほろ【目次】
「道の駅 ピア21しほろ」のロケーション
「道の駅 ピア21しほろ」は、十勝平野を南北に走るメインストリートの国道241号に面した道の駅で、”十勝三強・高規格道の駅”のひとつに数えられる。
”十勝の三強・高規格道の駅”とは、北から2020年にオープンした「道の駅 かみしほろ」、2017年に移転リニューアルオープンを果たした「道の駅 ピア21しほろ」、そして2022年に同じく移転リニューアルオープンしたばかりの「道の駅 おとふけ」を指して云う。
車中泊スポット選びには、人それぞれの好みや基準があると思うが、正直云って十勝では、このどこで車中泊をしても、遜色のない満足感は得られるだろう。
ただ他の2つの道の駅に比べると、「道の駅 ピア21しほろ」の近くには有名な観光地がない。
しいて挙げれば、ナキウサギが生息し、道内でも指折りの秘湯と呼ばれる「鹿の湯」がある、東大雪の「然別湖」ということになるが、「然別湖」にはもっと近くに「道の駅 うりまく」がある。
”十勝三強・高規格道の駅”は、南北わずか30キロの間に点在しており、「道の駅 ピア21しほろ」は、そのほぼ中間地点に位置している。
つまり、東西南北どちら方面の観光地に向かうにしても大差は出ない。
であれば、最終的な「旅の宿」としての選択肢は、”違う切り口”になる。
筆者は「道の駅 ピア21しほろ」には、残りの2つの道の駅にない特徴を感じている。
それは「アットホーム」さだ。
そして、理由もはっきりしている。
「道の駅 ピア21しほろ」のプランニングを主導したのは、東京のコンサルティング会社ではなく、地元農家の若奥さんだ。
そして彼女の「想い」は、見事に現場で花を咲かせた。
それは以下の記事を読んでから、現地に足を運べばよくわかる。
「道の駅 ピア21しほろ」の施設
まず、現在の場所から約1キロほど北にあった移転前の「道の駅 ピア21しほろ」は、まさに昔のドライブインそのもので、それも温泉が併設する「道の駅 しほろ温泉」に、車中泊旅行者が集まる要因のひとつになっていた。
しかし、現在はすっかり形勢が逆転。
温泉がなくても、見事に人の集まる道の駅に生まれ変わっている。
その理由は、こういうPOPの文言ひとつを見てもよく分かる。
筆者は道内の道の駅をほぼ隈なくまわっているが、「ご旅行中のゴミ」なんて表現を、他では見たことがない(笑)。
そしてこちらのビラには、ごみの分別方法が記されているのだが、筆者が赤丸をつけているのは、地方に比べてゴミの分別が大雑把で済む、都会から来た旅人が間違いを犯しやすい項目だ。
それがことごとく記されているということは、オープン以来経験してきた利用者とのやり取りをもとに、記載内容を精査してきたからに他ならない。
いわば住民目線からは気づかない「盲点」の解消だ。
そう断言できるのは、同じようにゴミの回収をしてくれる他の道の駅の説明が、そのようになっていないからだ。
これは同じ十勝にある「道の駅 なかさつない」でもらったビラ。
あまりの分かりにくさに、「俺は中札内に移住しに来てるわけじゃない。旅行者がポリバケツや、もはや使われてもいないVHSのビデオテープを捨てるのか?」と、いかにも役所から出向しているといわんばかりの態度を見せた担当者にムカつき、やり込めて来た(笑)。
それに対して「道の駅 ピア21しほろ」は、ゴミ袋を買いに来るのは都会の旅行者であることをよく理解している。
加えてそのうちの多くが、普段自宅でゴミの分別などしたことのない親父であることもだ(笑)。
ゆえに住民向けとは別に、一手間かけた旅行者用のビラを用意している。
これぞまさしく主婦目線、なかなかキレる社長さんだと感心した。
ちなみに2022年現在は、45リットルのゴミ袋を120円で販売している。
またプラスチックゴミと缶・ビン・ペットボトルは、それぞれ透明もしくは半透明の袋に入れてスタッフに渡すだけでいい。
なお車中泊をするなら二度手間になるので、前日のうちに袋を買って、分別しながら捨てていくといい。
さらに「道の駅 ピア21しほろ」では、店内を見ても随所に気配りが感じられる。
「にじいろ食堂」ではメニューボードに注目していただきたいのだが、注文する時に一番気になるメニューと値段が、ここでは近くと遠くに用意されている。
それは、前の人の背中に隠れて近くのボードが見えない人や、目が悪くて遠くが見えない人への配慮にほかならない。
広々としたスペースを保った店内には、置こうと思えば倍以上は商品が並べられるはずだが、そうすると入口からゴミゴミしているように見えるため、目的買いに来た人以外は入店意欲を削がれてしまう。
それより休憩しやすくしておくほうが、利用者は気兼ねなく入りやすい。
クルマから降りて、涼しいところでひとやすみしたい男性にとって、こういうカフェと売店が一体化している構造は、買い物熱心な相方を待つにはうってつけ。
こんな夫婦WinWinの方策を思いつくのも、既婚の女性だからかもしれない。
さて。
最後は駐車場だが、ご覧の通り「道の駅 ピア21しほろ」のレイアウトは横一列で、広くてフラットなわりには、車中泊に適しているところが少ない。
そのため必然的に夜は、トイレに近いこのあたりにクルマが集中する。
駅舎からは独立している24時間トイレは、敷地の右端に設けられている。
ちなみに、この写真の右側が車中泊にはベストポジションに見えるかもしれないが、そこには大型車がやってくる。
トイレには、もちろんウォシュレットが完備している。
「見てくれ」を良くするだけの無駄なことにはお金をかけず、地味でささやかな「気配り」を積み重ねることで、「アットホーム」な居心地の良さを醸し出し、お役所臭さを包み隠している「道の駅 ピア21しほろ」。
だから不思議と居心地が良いのだろう。
筆者は、ここより新しい「道の駅 かみしほろ」と「道の駅 おとふけ」ができて以降も、車中泊旅行者からは一番の人気を保持すると思っている。
「道の駅 ピア21しほろ」の車中泊好適度
「道の駅 ピア21しほろ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし ※指定の有料ゴミ袋で回収
缶・ビン・ペットボトル:なし 透明または半透明の袋で無料回収
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 ピア21しほろ」の最寄りの温泉と買い物施設
ふれあいプラザ浴場
道の駅から約12キロ・15分 ※「道の駅 かみしほろ」の近く
☎01564-2-4126
おとな300円
月~金:14:00~22:00
土日祝:13:00~22:00
第1・第3月曜定休
コンビニ
ローソンまで800メートル。
スーパーマーケット
約2.5キロのところに「Aコープ 士幌店 ASPO」がある。
「道の駅 ピア21しほろ」のアクセスマップ