後志は、山と海と湖が揃う中高年リピーター向きの滞在地

 

北海道にはかつて支庁(現在は総合振興局)と呼ばれた行政区画があり、ニセコと積丹半島は、今でも後志(しりべし)という名前で道民から親しまれている。

ただ本州からの旅行者には、「道東」に対する「道西」と呼んでくれたほうがわかりやすい。にもかかわらず、北海道ではなぜかここは「道央」なのだ(笑)。

そんな後志を理解するには、首都圏と富士山の関係を思い起こすといい。

北海道の人口の実に35%を超える札幌市から、ほぼ100キロ圏内にあるこのエリアは、四季を通じて道産子たちがアウトドアやレジャーを楽しめるフィールドとして、早くから開発が進められてきた。

その証のひとつが、上のマップの道の駅の数だ。年間を通じてある程度の来客数がなければ、この数を維持するのは簡単ではあるまい。

その意味からすると、普段から道の駅で車中泊をしながらクルマ旅を楽しんでいる人たちにとって、後志はきっと北海道でいちばん馴染みやすいエリアだろう。

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とはいえ… 北海道デビューを果たした旅人の大半が、最初に目指すのは「道東」だ。知床半島や釧路湿原など、誰もが知る北海道のメジャーな観光地があるのだから当然だが、2.3度回れば富良野と美瑛が待つ空知、そして日本最北端の宗谷地方に目が向けられる。

そして面白いことに… フェリーターミナルがある苫小牧や小樽から近く、函館からもさほど遠くない後志が最後になるというのが一般的だ。

オロロンラインは留萌から稚内まで続く国道232号の通称。写真は北緯45度モニュメント。

おそらくこのページをご覧の貴方も、北海道が初めてではないと思うのだが、その理由には宣伝の仕方が大きく関わっている。

車中泊の旅人の多くは、北海道にそれほど強く山やリゾートを求めてはいない。本州では見られない「地平線の見える景色」、そして「梅雨のない爽やかな夏」こそが憧れの北海道であり、多少の犠牲は覚悟してくる(笑)。

ただ、「地平線の見える景色」はいずれ見飽きる。そしてそれを見るために必要な走行距離から派生する、疲労・移動時間・ガソリン代といった現実とも向かい合うようになってくる。

その点、標高の高いニセコは道東や道北と遜色のない涼しさが得られるだけでなく、日本海や洞爺湖、また札幌や小樽といった街にも近い。すなわち、容易に「気分転換」が図れるのだ。筆者はそれが北海道のリピーターたちが後志に集う理由だと分析している。

最後に。このサイトでは、彼らがこの地でどんなふうに楽しんでいるかを紹介したい。北海道のクルマ旅は、キャリアと滞在期間で楽しみ方が違ってくるが、世代が違えば価値観もまた異なる。年輪を刻めば、高級リゾートホテルのお世話にならなくても、楽しいと思える過ごし方を見つけられる。

ニセコと積丹半島コンテンツ

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