25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、稲取「素戔嗚神社の雛段飾り」の概要と駐車場及び車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
「素戔嗚神社」の石段には、桃の節句が近づくと、誰もが「見たことがない!」と驚く、圧巻の数の雛人形が飾られるのだが、はたしていつまで続けられるのか…

素盞嗚神社 DATA
素盞鳴神社雛段飾り
2026年
2月14日(土)〜3月8日(日) 10時~15時
会場
素盞嗚神社 石段
〒413-0411
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取12-4
施設運営管理費として300円
駐車場:約15台(徒歩5分ほどの稲取漁港沿い)
※混雑時は、稲取漁港直売所「こらっしぇ」の駐車場を利用(約30台)
「素戔嗚神社の雛段飾り」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2018.02.26
2022.02.27
「素戔嗚神社の雛段飾り」での現地調査は2022年2月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2026年3月に更新しています。
「素戔嗚神社の雛段飾り」

プロローグ

稲取の「雛飾り」と云えば、本来はこの「吊るし雛」が有名で、毎年「河津桜まつり」の時期には、セットでマスコミに取り上げられることが多い。
「稲取」にすればいい気はしないかもしれないが(笑)、「2本柱」というのは旅行業界にとっても、観光客にとっても魅力的な話であることに間違いはない。
だがここに来て、その「稲取の顔」が変わりつつある。

そのニューフェイスが、こちらの「神社の階段雛飾り」だ。
2018年はちょうど祭りの時期に伊豆周辺を取材していたのだが、夕方のローカルTV放送で、各局ともにこの光景を大きく取り上げていたため、そこまで云うならと足を運んでみることにした。
なるほど!
確かにインパクトは絶大。そりゃあ、メディアが飛びつくはずだ(笑)。
「素戔嗚神社の雛段飾り」 駐車場・アクセス・見学方法

筆者が最後に取材した2022年当時は、近くに「雛の館むかい庵」と呼ばれる東伊豆町の展示施設があり、そこの無料駐車場が利用できたのだが、2026年現在は閉館しており、使用ができなくなっている。
そのためクルマは、「稲取漁港」沿いの道にあるという、15台ほどが停められる無料駐車場に置くか、

出典:ハローナビ静岡
混雑時は、こちらの稲取漁港直売所「こらっしぇ」の、約30台が収容できる無料駐車場を利用することになっているようだ。
確実に分かるのは「こらっしぇ」のほうなので、ここをマップで紹介しておく。
この情報は2026年に「稲取旅館組合」に直接電話して確認したのだが、こんな不便なところにありながら、公式サイトの目立つところに駐車場の地図や画像を含めた詳細に導いてくれる、バナーなりを載せていないというのは、今どき”非常識”と云わざるを得ない。
そのため、おそらく何度も電話で同じ質問をされているらしく、お世辞にも丁寧とは云えない応対をされて、正確な無料駐車場の場所も分からず、筆者の怒りは倍増した。
これでは、後述する現場のせっかくの努力が、台無しになるだけだ。
実はそれからしばらくして、ネットからダウンロードできる2026年版「雛のつるし飾り」のパンフレットに、「素戔嗚神社の雛段飾り」見学者用の駐車場マップが記載されていることに気がついたのだが、最初にそう云ってくれれば済むものを(笑)。
この件については、もっと根源的な理由があるので、最後にもう少し話をしよう。

ちなみに、2022年はGoogleナビで「素戔嗚神社」に合わせた結果、坂の上の本殿にガイドされた。

この日は運良く、たまたま4.5台が駐められる駐車場が空いていたので、どうにか切り返せたが、もし満車なら立ち往生してしまうところだった。
前述した駐車場から『素戔嗚神社の石段』までは、坂道を5分ほど歩く必要があるが、それほど大変ではない。
今はこのくらいの情報が公式サイトに出ていて、ちょうどいい時代だと思う。

さて。
「雛段飾りの会場」は、平日でもツアー客が頻繁にやって来るので、運が悪いとこうなってしまう(笑)。
だが、彼らは次の予定があるのですぐに移動する。そこでその合間を利用して、先に上からの眺めを見にいこう。

ただ観光客はこの階段を登れない(笑)。

先ほどの鳥居の脇に本殿に向かう通路があり、道案内が表示されているので迷うことはない。

そこからは稲取温泉街が見渡せる。
所要時間は5分ほどだが、こちらは坂がきついので景色を眺めて一息つこう。
「素戔嗚神社の雛段飾り」 日本一のなりそめ

せっかく来たので「素盞嗚神社」の本殿にも参拝を。というより、ここは本来それをしに来るところだ(笑)。
この神社は江戸時代初期の1617年に創建され、「ヤマタノオロチ」を退治した「スサノオノミコト」を祀っている。
ということは、
「スサノオノミコト」は、雛祭りと何か関係があるのだろうか…

答えはNo。
実は「神社の階段雛飾り」を行っているのは「稲取」だけではない。
写真は同じ伊豆半島の「伊東温泉」にある「佛現寺」の写真で、こちらも118段あって壮観だし、途中にカーブがあるので一味違った写真も撮れる。
調べてみると、この「118」という数字に意味があるらしい。
「素戔嗚神社」で「階段雛飾り」が始まったのは2014年からだが、当初は段数が少なく徐々に増やして117段までになった。
町はこれで「日本一!」と思ったようだが、そこに思わぬライバルが出現する。
そこで「負けてなるものか!」と一段増やし、現在は「日本タイ記録」ホルダーとして、この両者が頑張っているわけだ。
どうやら真相はそのあたりにあるらしい。
つまり「神社」と「階段雛飾り」に関連性はなく、まさに「インスタ映え」を狙った今どきらしいイベントだった。
「素戔嗚神社の雛段飾り」 夜や雨の日はどうしてるの?

ところで。
野外に飾る以上、突然雨が降ることも強風が吹くこともあるはずだが、その素朴な疑問の答えは、実に分かりやすい場所に書かれていた(笑)。

まず驚いたのは、主体になって頑張っているのは中年と若手だったこと。
町内の人だけでなく、たぶん今は役場からも応援が出ているようだ。
本来なら、こういうことには時間が有り余っているシニア層が、喜んで協力してくれると思うのだが、如何せん場所が場所だけに、足元が不安で難しいと思う。

またよく見ると、雛人形は「セット」化されており、1段に1セットづつ置いていく仕掛けになっていた。
なるほど、これなら作業は1/5くらいに軽減される。考えましたな~(笑)。
さすがに雨天時は中止するそうだが、それでもこれを約1ヶ月間にわたり、1日に2度やるというのは、想像するだけで大変だ。

そして、努力の結晶がこの景観。
オリンピックや大河ドラマもそうだが、やはり舞台裏を知ることで得られる感動は大きい。陳列は9時過ぎから始まるようなので、興味があればぜひ。
ただ…
このイベントは今後末永く続くのだろうか? 老婆心ながら、そう危惧している。
その背景には、維持するべき「理由の希薄さ」がある。

1997年に始まった「吊るし雛まつり」は、一種の伝統行事・伝統工芸で「文化継承」という大義名分がはっきりしている。
その意味では、もはや単なる観光資源というレベルではあるまい。
「雛段飾りイベント」のルーツは、徳島県の「ビッグひな祭り」

出典:毎日新聞
ちなみに。
「雛段飾りイベント」のはじまりは、1989年に徳島県勝浦郡勝浦町で開催された、「ビッグひな祭り」にあるようだ。
さらに全国勝浦ネットワークの縁で、2001年に千葉県勝浦市が徳島県勝浦町から、およそ7000体のひな人形を里子として譲り受け、同じく「かつうらビッグひな祭り」がスタートした。
さらに2012年には和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にて、南紀勝浦ひなめぐりが始まるなど、徐々にその輪は広がっている。
しかし「稲取」では、「雛段飾り」は「吊るし雛まつり」のオプション的なかたちで、2014年から行われてきた。
すなわち、他の地域とは”取り組み方”、もっといえば”扱い”が違う。
「稲取」における「神社の雛段飾り」は、元々話題性づくりからスタートしたもので、ドライに云ってしまえば『いつやめたって伝統に傷がつくわけではない』。
そう考えると、駐車場の問題からして、地元では『もう必要性以上に、継続する負担の大きさ』を感じているのかもしれないし、筆者も、もうこのあたりが引き際のように思う。
客観的に見て、あれだけの労力に見合う対価は、どう考えても見当たらない。

そしてそれは、屋外で行っているどの地域にも当てはまりそうだ。
こんな「サステナブル」とは真逆を行くイベントを、SDGs(持続可能な開発目標)を無視できない役場が、いつまでも肯定できるとは思えない。
稲取の車中泊事情

マップを見れば明らかなように、「稲取」界隈には道の駅もサービスエリアもない。
またネットを見渡しても、車中泊に使えそうな無料駐車場・有料駐車場も簡単には見つからないようだ。

そのため、どうしても「稲取」で車中泊がしたい人には、「RVパーク 伊豆黒根岬」一択ということになる。
筆者は「スズキ自動車」のスペーシアを使った公式車中泊ロケを監修した際に、この「RVパーク 伊豆黒根岬」の利用経験があるのだが、施設としては悪くないものの、なにぶんキャパが小さいのが難点だ。

無難なのは、午前と午後に分け「河津桜祭り」と抱き合わせて観光した後、道の駅のほかにも車中泊スポットが比較的揃う、「下田」まで移動することだろう。
稲取 車中泊旅行ガイド

東伊豆 車中泊旅行ガイド

伊豆半島 車中泊旅行ガイド



















